2014年02月26日
豊田市郷土資料館の「一弓入魂」が普通じゃない
とよたの弓文化をさぐる

農村舞台の目視調査をしていて不思議に思ったことがある
ほとんどの舞台(特に合併町村の舞台)の鴨居?の上に
金的中と書かれた奉納額が
所せましと掛けられていたからである
(注釈)
金的中法奉納額は
弓神事が行われた際に金的を射抜いた人が神社に奉納する額のことで
額の中心には「金的中」と大きく記され、金的中の文字を囲うように
弓術流派・師範名・奉納者氏名・年月日・住所等が書かれている。
金的中を奉納できるのは、一年に一回の祭礼時に一人だけで
弓引きにとって名誉なことと言われている
江戸時代後期から昭和の中頃まで
豊田の中山間地で弓の射的ブームがおきた証だが
そのル―ツがどこから来たのかわからないまま
現在に至っている
そんな私の疑問に応えてくれたのが
豊田市郷土資料館で開催されている
特別展「一弓入魂/とよたの弓文化をさぐる」
知られざるとよたの弓文化が満載!

矢作川は古くは矢矧川の字があてられ
この地の竹で弓矢を剥いだことに由来するように
当地が古くから弓に関係する所ということは承知していたが
日本有数の弓道が盛んな地域ということは初耳
本展はこうしたとよたの弓道文化の歴史をたどるもので
東大寺大仏殿回廊で「通し矢」を単独で開くなど
挙母藩が弓術を重視したこと
藩士に通し矢の本場、京都の三十三間堂で「天下一」とされた
記録を上回るスター射手がいたことなど
知られざる当地の弓文化が満載
タイトルに「とよたの弓文化をさぐる」とあるが
第一章/弓の起源
第二章/弓と挙母藩内藤家
第三章/山間地域の弓
と、日本の弓の歴史まで教えてくれるから
嬉しい
■本展は3月9日まで
■問合せは豊田市郷土資料館
☎0565-32-6561