2011年06月26日

農村舞台アートプロジェクトの経過報告(2)








6月29日(水)午後ガイドマップの入稿

予定より一週間ほど遅れてしまったが
ようやくガイドマップの原稿を入稿した。


メッセージ

私たちがいま
農村舞台に学ぶのは建物ではなく
先人たちの芸能する素朴な喜びと
豊かな実りをもたらす自然の恵みに感謝する
民俗の心にふれることです

農村舞台アートプロジェクトは
東日本大震災で被災された人々に思いをはせ
農村舞台にアートという希望の灯を燈します





ガイドマップはA1版(594×841)八折
印刷は一万部を予定
表面にプロジェクトの概要と農村舞台のガイド





裏面は上の白図に農村舞台の位置を標したマップ




農村舞台アートフォーラムまで4日
■日時⇒7月3日(日)14:00~16:30
■会場⇒深見町磯崎神社農村舞台








私の悪い癖で綱渡りの連続
鏡を見ると目が充血気味でよくない
そんな訳で目薬を買ってきたが
目の滋養には「花」を見るのが一番






花⇒芭蕉の葉
器⇒鉄水盤
場所⇒又日亭(豊田市美術館茶亭)2006年
  


Posted by かとうさとる at 23:20 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月25日

農村舞台アートプロジェクトの経過報告(1)








市制60周年記念
農村舞台アートプロジェクトの
プログラム決まる



詳細は順次報告をするがプログラムは
■農村舞台フォーラム⇒1舞台
■旧町村別にバトンを引き継ぐ
リレー個展⇒20舞台

■ライブ⇒9舞台
■ストーリーテリング⇒2舞台





ライブは名誉市民で民芸に新たな美を見出した
陶磁研究家の本多静雄さんが書き遺した
新作狂言「井戸茶碗」で幕開け。





鑑定やいかに



もしこれで雨でも降ったら
泣くにも泣けない







このほか日本を代表する阿波人形浄瑠璃「寄井座」
佐渡の文弥人形「越後猿八座」
中津川恵那文楽保存会の人形「三座」の競演。

農村舞台で「オペラ蝶々夫人ファンタジー」とユニークな試みも。
解説は中部大学教授で博覧強記の音楽評論家都築正道さん
演出は早稲田大学でオペラを教える
庄内映画村アドバイザーの甚目裕夫さん。
蝶々夫人を演じるのはこの夏イタリアで蝶々夫人を演じる二宮咲子さん。

みんなの善意がつむいだプログラムで
もしこれで雨でも降ったら泣くにも泣けない。



リレー個展に予定しいる
新實広記さんの展覧会に足を運ぶ







会場の瀬戸市新世紀工芸館








展覧会のパンフレット






自然光を取り込んだ美しい展示






光が風を運び風は影を揺らす






リレー個展の説明会で
無防備なオープン展示のため「もし盗られたら」と私
「大丈夫!重いから持っていく人はいない」と新實さん
試しに内緒で持ってみた。
確かに重かったが何か考えないと…。


こちらはリレー個展の説明会でいただいた
小原和紙の加納恒・登茂美夫妻の案内状






加納夫妻は、いつも展覧会に見えた方全員に手漉きの和紙でお礼状を出すなど誠実な人柄でファンも多い。(そこへ行くと私は真逆でサイテイ)

期日⇒8月2日(火)~7日(日)
会場⇒ノリタケの森ギャラリー

(名古屋市西区則武新町3-1-36)
☎⇒052-562-9811  


Posted by かとうさとる at 23:36 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月24日

神山町の粟飯原一さんから「寄井座」の写真届く







徳島県名西郡神山町の粟飯原一(あいはらはじめ)さんから
阿波人形浄瑠璃「寄井座」の写真を送っていただいた











ありがとうございました

  


Posted by かとうさとる at 04:17 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月21日

阿波人形浄瑠璃のふるさと神山町に学ぶ






田中裕子さんのアレンジに感謝


農村舞台アートプロジェクトの一環として「伝統文化を生かしたまちづくり」に取り組んでいる先進地に学ぶ市民ツアーを公募。

6月18日(土)・19日(日)の両日、阿波の人形浄瑠璃のふるさと徳島県名西郡神山町と直島の「家プロジェクト」をかけ足でめぐってきた。

神山町の情報をいただいたのは、神山町出身で、市内で生活に根差した文化運動を実践している田中裕子さん。今回の研修も田中さんのアレンジによるもので感謝!



徳島県名西郡神山町というところ






神山町は徳島県の中央部に位置し(赤○内)、人口約7千人。卑弥呼伝説の言い伝えや715基の板碑が現存するなど、歴史的にも興味深い山郷です。






江戸時代から明治にかけて、阿波人形浄瑠璃が盛んに行われ、その舞台を飾ったふすま絵が今も1400点余り残されているほか、県の重要文化財・初代天狗久の作品の人形頭を操る人形浄瑠璃座「寄井座」がその伝統を今に伝えています。






神山町はNPO法人グリーンバレーが中心になって、アートによる地域づくり「神山アートインレジデンス」にも積極的に取り組むなど、伝統(「寄井座」)と創造の町として、関係者の注目を集めています。




劇場寄井座
何だ!
これは!
ボルタンスキーだ!




当日はあいにくの雨でおまけに高速が渋滞。困ったのはトイレで
高速を一旦出て緊急避難するなど思わぬハプニングも。




前日から現地入りしていた田中裕子さんの案内で、NPO法人グリーンバレー(大南信也代表)にご挨拶したのち、河野公雄事務局長さんの案内で劇場「寄井座」へ。

劇場「寄井座」は、林業で活気に満ちていた昭和4年に産声を上げた芝居小屋で、その後林業の衰退とともに閉鎖。紆余曲折を経てNPO法人グリーンバレーが文化遺産として再生したもので、農村舞台再生の手かがりが見つかるかも、と足を踏み入れた。






建物の内部に足を踏み入れて絶句
何だ!これは!ボルタンスキーだ!






戸板を外すとかすかに劇場「寄井座」の全容が見えてきた
「凄い!」と舞踊評論の亀田恵子さん。後は説明不要






劇場寄井座を支えた天板の広告



ホテルのロビーで
神山町長の後藤正和さんが歓迎のサプライズ







当日の宿泊は神山温泉。泉質は最高で食事も二重丸。
ホテルのロビーで神山町長の後藤正和さんが歓迎のサプライズ
おまけに手土産までいただいてみんな感激!



人形浄瑠璃「寄井座」で感動の涙





町長さん、副町長さん、寄井座の会長さんの案内で寄井座の稽古を見学






大切な文化財の頭と人形の動かし方を全員で体感するという
想定外の展開にみんな大興奮!






私は「もしも粗相したら」と不安ですぐ返してしまったが
事故がなくてなにより(安堵)

ワークショップが落ち着いたあと、これでお終いと思いきや
傾城阿波の鳴門の「巡礼歌の段」と「十郎衛内の段」の
公開練習を見せてもらえるとのことで、興奮はピークに。






会長さんが「稽古のため平服のままで」と説明したが
黒子の下で見えなかった入魂の表情が人形と重なって
場内は水を打ったような静寂に包まれた





私は身体がガタガタ震えて涙がとまらなくなってしまった
横をみると同じようにみんな目がしらを押さえていた。

阿波人形浄瑠璃「寄井座」は
農村舞台アートプロジェクトに出演
期日⇒9月24日(土)
会場⇒小原町の賀茂原神社農村舞台
お見逃しなく




全てはお遍路さんが結ぶ結ぶ縁(えにし)






梅雨の夜の夢から覚めた翌朝(19日)
神山温泉から眺めた神山町の里山






よく手入れされた棚田と再現された水車小屋






前夜みた寄井座の稽古場の外観
ここでおきたこと、見たことは全てお遍路さんが結ぶ縁(えにし)
としか説明不可。外に開かれた文化の美しさを身をもって学んだが
今日はここまで。


直島の家プロジェクトへ





高松港からフェリーで直島へ






桃太郎の鬼が島の伝説が残る「女木島」






家プロジェクト「護王神社」(杉本博司)





家プロジェクト「はいしゃ」(大竹伸朗)






地中美術館の前で

直島は周知のため簡単にしたが
午後11時40分無事市民文化会館着
みなさんおつかれさまでした

なお市民ツアーの参加者次のとおり(順不同)

塚本明子、佐野左記子、田中和枝、塚田ヨシ子、柴田周夫(リレー個展)、柴田茂子、橋本昇三(小原和紙)、中村正信、伊丹靖夫(アートプロジェクト委員長)、岡田隆弘(ライブプロデューサー)、松沢二三夫(リレー個展)、八木哲也(市議会議員)、山田主成(市議会議員)、山口光岳(市議会議員)、伊井房夫(市議会議員)、牛田朝見(市議会議員)、水野希映、亀田恵子(舞踊評論)、奥村園美、鈴木学(文化振興財団)、小野富良(文化振興財団)、かとうさとる










  


Posted by かとうさとる at 01:25 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月17日

雨あがる 美術館で束の間の保養




全てがタイムオーバー
みんなに迷惑をかけて恐縮しているが
いましばらくご容赦を



農村舞台アートプロジェクトの委員会で、私は農村舞台を生かしたまちづくりをしている全国の先進地に学ぶ「市民ツアー」。回り舞台を使ったデモンストレーションと市民シンポジウムをセットにした「農村舞台フォーラム」を提案した。

委員会の雰囲気は「余り無理をしない方がいいのでは」と反対が多かったように思う。今の状況を考えれば「素直に従っていれば良かったのかも」と反省しているが、私は持続可能な運動にするためには市民の参加性が不可欠と半ば強引に推した。(考え方のどこかに上から目線があるのかも)






以来、舞台の目視調査、地元協議、ガイドマップの作成、個別の印刷物の作成、リレー個展の作家調整、ライブの調整、毎日がパンを口にくわえて走っているような状況で、全てがタイムオーバー。みんなに迷惑をかけてしまって恐縮しているが、いましばらくご容赦を。




アタマがパニックになったときは
リラックスリラックス






フェルメール展は受付で入場者が並ぶ人気
順番を待つのはストレスがたまるためパス
館内をあてもなくぶらりぶらり
実はこれが最高の贅沢でお薦め






ミュージアムショップはアートの最前線の情報ショップ
品ぞろえをみるだけで刺激的なのはいいが
ときに腹が立つことも。(原因はヤキモチでサイテイ)
私は傘マニアだったが何本買ってもすぐどこかに忘れてしまうため
高い傘は無駄!もう絶対買わない。(つもり)






二階のテラスにあがるとメタセコイアの緑が鮮か(池の下は収蔵庫)






テラスのランドマークになったダニエル・ビュレン






寡黙なヘンリームーア






西の端からみた美術館全景
さあ明日の準備をしなければ…。  


Posted by かとうさとる at 22:49 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月15日

恩真寺で鈴木正三顕彰会総会





当日は鈴木正三研究家の
廣田富之さんが記念講講演



豊田市出身(旧足助町則定)で、江戸時代初期に活躍した仏教思想家鈴木正三顕彰会総会が正三ゆかりの市内山中町恩真寺で計画されている。

当日は総会に引き続いて、鈴木正三研究家の廣田富之さんの「恵中庵主聞取り帖」と題した記念講演。また受付で正三「七部の書」の復刻版、話題の新刊「甦る自由の思想家鈴木正三」の頒布も予定されているため、この機会に是非。






日時⇒6月26日(日)10時~12時
会場⇒恩真寺(豊田市山中町)

※県外から参加を希望される方は
豊田市駅まで来ていただければ
私がご案内します。
お名前・連絡先をお知らせください。







恩真寺参道のランドマーク「正三杉」





参道を登って行くと左手に見えてくる「正三座禅石」






別冊太陽「禅」から転載



  


Posted by かとうさとる at 23:02 | Comments(0) | とよたの文化

2011年06月14日

深見町の磯崎神社で農村舞台フォーラム


テーマは
農村舞台を生かした地域文化の創造



農村舞台アートプロジェクトの開催に先駆けて、農村舞台の可能性を探る市民学習会「農村舞台フォーラム」の開催が決まった。





磯崎神社農村舞台は、明治34年に建てられた回り舞台のある本格的な地狂言の舞台で、小屋組みの上下二段の梁を鉄筋で吊るなど、伝統的な農村舞台建築を近代的に処理した貴重な例として建築家の注目を集めている。




当日はシンポジウムのほか農村舞台を使った
デモンストレーションを予定






デモンストレーションは豊田市大沼小学校「大沼雅楽クラブ」の演奏で幕開け。「大沼雅楽クラブ」古くから地元に伝わる大沼雅楽を伝承し、各地のイベントに招聘されるなど、雅楽の音色が響く学校を目指して活動を重ね、下山地区の誇りとなっている。






「豊田ストーリーテリングフェスティバル」アートディレクターの古屋和子さんは、早稲田小劇場を経て「ひとり語り」で世界各地のストーリーテリングフェスティバルで活躍。当日は回り舞台を使った演出でひとり語りのデモンストレーションを予定。


フォーラム開催要項
日時⇒7月3日(日)14:00~16:30
会場⇒磯崎神社農村舞台(深見町)
主催⇒豊田市・豊田市教育委員会
公益財団法人豊田市文化振興財団

主管⇒農村舞台アートプロジェクト委員会
パネリスト
柳沢新治(豊田市能楽堂アドバイザー)
甚目裕夫(庄内映画村アドバイザー)
古屋和子(ひとり語り)
鈴本明彦(岩倉神社農村舞台協議会)
伊丹靖夫(農村舞台アートプロジェクト委員会委員長)
司会
かとうさとる(農村舞台アートプロジェクトプロデューサー)
問合せ
公益財団法人豊田市文化振興財団
☎0565-31-8804



会場へのアクセスは





深見細田の信号を道なりに西に向かい
しばらく進むと神社の木立が見えてきます。









  


Posted by かとうさとる at 03:30 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月12日

フェルメール人気おそるべし







ご無沙汰の理由





農村舞台アートプロジェクトの地元調整やガイドブックの作成で今日は東、明日は西と奔走。今日もこれから「農村舞台フォーラム」のパネリストと打合せ。そんなわけでブログもご無沙汰してしまった。



犯人をさがせ





何か事件でもあったのか、豊田市美術館の駐車場が満車で順番待ち
スタジアムのJリーグやコンサーで他県ナンバーの車が溢れるのは普通だが、美術館で見たのは記憶に少ない。






手前の芝の広場は川俣正のワークインプログレスがあった遺跡(?)
遺跡に関心のある方は当ブログ「ワーク・イン・プログレスがピンチ」で顛末を記しているため一読を。






犯人はこれ「フェルメール、来る」






私の楽しみは同時開催の「松井紫朗」展で「豪華二本立」






8月28日までのロングラン開催のため
農村舞台が落ち着いたら足を運ぶつもりだ  


Posted by かとうさとる at 16:15 | Comments(0) | らくがき帖

2011年06月06日

H・G・スロビックさんがアメリカに帰国












スロビックさんご夫妻から記念にいただいた大作を居間に設置






愛知学泉大学教授で造形作家のハロルド・G・スロビックさんが今月12日アメリカに帰国されるとのことで、先週の土曜日、自宅にお別れのご挨拶に伺った。






残念だが人は失ってから「大切なもの」に気がつくことが多い。スロビックご夫妻もまた私の中で咲いていた花で、いつかこうした日が来ることはわかっていたが、与えていただいただけで、何のお返しもしないままこの日を迎えてしまった。






作品集で翻訳の労をいただくなど
ご無理ばかりお願いをしたにもかかわらず
いつも親身になっていただいたスロビックご夫妻
ありがとうございました








  


Posted by かとうさとる at 13:36 | Comments(0) | とよたの文化

2011年06月03日

農村舞台の目視調査から見えたもの





農村舞台アートプロジェクトは
先人の芸能する素朴な喜びと
五穀豊穣に感謝する民俗の心にふれる
内なる旅



農村舞台アートプロジェクトのガイドマップの作成のため、現存する78全舞台の目視調査を行い、このほどようやく全舞台の調査を終えた。

その夜のこと、足の甲が腫れて痛いため接骨院で診てもらったところ、腱鞘炎になっているとのこと。そういえばこの頃疲れなのかウトウトすることがある。体力に応じたプランニングをせよとのシグナルかも。






余談に逸れたが、今回の調査で壊されて消滅した舞台が1棟
新たに見つかった舞台が1棟の計78棟の舞台を確認した。






もう一つの発見は、舞台の遺構や地元の古老の話から当初回り舞台があったと確認された舞台が6棟。これに現存する岩倉神社(中金町)、磯崎神社(深見町)、諏訪神社(怒田沢町)の3舞台を加えると、約1割強の舞台が本格的な地狂言の舞台ということも確認できた。





同時に舞台とは名ばかりの拝殿と社務所兼用の小さな舞台が多いことも確認できた。私も「これが農村舞台?」と戸惑ったほどだから、初めて舞台を見た人の戸惑う姿が浮かんでくるが、大切なことは建物ではなく、先人の芸能する素朴な喜びと五穀豊穣をもたらす自然の恵みに感謝する民俗の心にふれること。理屈ではわかっているがこれを伝えるのは難しい。




最後に地元から突き付けられた宿題


私の好きな番組の一つにNHKの「新日本紀行ふたたび」がある。元番組の「新日本紀行」は1963年10月7日から18年続いた日本で初めての本格的紀行番組。「新日本紀行ふたたび」は時を経て再び同じ場所を訪ねる同時代性の歴史風俗番組(定点観測)で、それぞれの人生に重ね合わせて見ている人も多いのではないか。





今回の農村舞台の再調査は、NHK流に倣えば「農村舞台ふたたび」というもので、解散した伝説のロック歌舞伎「スーパー一座」が合宿練習のホームグランドとしていた怒田沢町の宝栄座を再訪した。






怒田沢の集落を流れ落ちる怒田沢川












先のガレリア・フィナルテの個展のオープニングで
スーパー一座のボス岩田信市さんと農村舞台の話で盛り上がった。
「あれ(宝栄座)は面白かった!今はどうなったのかな」と岩田さん
「もう一度やってよ」と私
「あかん、もう解散しちゃつた」と岩田さん
何かかみ合わないが岩田さんらしいと笑ってしまった。







再訪した怒田沢町の宝栄座






湿気を帯びた戸板の隙間から覗いた舞台
宝宝座の看板が何か訴えているようで辛い







岩田さんの話をしたあと、地元の副区長さんに話を伺うと「集落は14世帯で子供は一人だけ。ほとんどが高齢者で、その内独り住いの高齢者が2世帯。なんとか頑張ってきたが舞台はもう諦めている。」と肩を落とした。

「みんなに事情を理解してもらうためにも、舞台を使うべきではないか。私たちにお手伝いをさせてもらいたい」と私。

「子供歌舞伎も子供がいないためもう続かない。役場や学校にも何度か足を運んだがいい返事はもらえんかった。あんたちに何か具体的な方策があれば集落で話し合う余地があるが、一過性のイベントで使うだけならお断りする」と副区長さん。

みんな夢を見たスーパー一座から20数年、宝栄座に何があったのか。答えは自明(ここでは言わない)で、私は言葉に詰まってしまった。

足助支所に立ち寄り、旧知の文化財担当者に「伝統的建造物群保存地区の国指定も重要だが、農山村の民俗文化も両輪で考えてほしい」と事情を説明。帰路についたがこうしている今も、「万策尽きた」という沈んだ副区長さんの背中が目に焼き付いて離れない。  


Posted by かとうさとる at 23:13 | Comments(0) | 農村舞台

2011年06月01日

日向洋一さんが陶芸家の中村豊さんとコラボ









その前にオジサンはバテバテ

農村舞台アートプロジェクトのガイドマップを作成するため、市内78農村舞台を公益法人豊田市文化振興財団の小野市民文化会館館長、鈴木文化課長の3人で5日間かけて踏破。





地元の人は別にして全体像を把握している人は最初に踏破した前市議会議長の八木哲也さんと、私を含めて数人しかいないのではないか。その私たちでさへ正味5日間かかったわけだから、農山村の民俗文化の巡礼というよりもトライアスロンのようなもので、さすがのオジサンもバテバテ。




変幻自在な花師日向洋一さんが
横浜高島屋美術画廊で
陶芸家の中村豊さんとコラボレーション







いただいたコラボの案内






日向さんは現代いけばなの到達点の一人で
私は日向さんと同時代にいけばなをできた幸運を感謝






上の一文は日向さんについて季刊誌「いけばな新世紀」№2に寄稿したもの。文字が小さくて恐縮だが「目と根気」のいい方は是非一読を。








日向さんの作品集から転載



魂が響きあう時
草月流 日向洋一× 陶芸家 中村豊

会期⇒6月1日(水)→7日(火)
会場⇒横浜高島屋7階美術画廊  


Posted by かとうさとる at 03:32 | Comments(0) | いけばなから