2013年05月28日

妻有はアートの神さまの集まるところ








宿題が溜まっているため簡単に記すが
「蓬平いけばなの家」の作品撤去のため
26日(日)半年ぶりに妻有に入った




棚田を耕す妻有の産土/イリア&エミリア・カバコフ「棚田」

北川フラムさんは大地の芸術祭の思想について
「人間は自然に内包される」と記した
言葉にすると抽象的で難しいが
カバコフの「棚田」が全て




妻有で座敷ワラシ消滅





この冬、「蓬平」は4メートルの雪が積もったそうだ
出雲に全国の神さまが集まったように
妻有は世界からアートの神さまの集まるところ










陽が傾く頃
全ての作業が終わった






翌朝
いつもは真っ白な雲海に包まれる芝峠温泉「雲海」
楽しみにしていたがうっすらとたなびく程度
谷川岳と苗場山も見えず残念



妻有は心のふるさと








「美人林」と名をつけた人に拍手(パチパチパチ)








「星峠」と名をつけた人にも(パチパチパチ)

全てに感謝  


Posted by かとうさとる at 18:28 | Comments(1) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2010年07月05日

暑気払いにサマープレゼント


大地の芸術祭
蓬平/いけばなの家の図録を
10名の方にプレゼント


ご希望される方は
申込は下記のメールアドレスから
[email protected]

お名前と住所をお知らせください。
先着で10名の方に贈らせていただきます。





大地の芸術祭 蓬平/いけばなの家の図録の表紙
  


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2010年04月25日

大地の芸術祭の図録発売はじまる


NPO法人越後妻有里山協働機構が
大地の芸術祭越後妻有アート
トリエンナーレ2009の図録を発行






大地の芸術祭の図録の表紙


図録の主な内容は

●里山とアート
2009年大地の芸術祭の全作品・イベントを美しい写真で紹介
●トークセッション「建築と美術の共生」
●シンポジウム「越後妻有と農業の未来」
●座談会「メディアから見た、大地の芸術祭」
●資料編
からなり
大地の芸術祭に足を運んだ方には感動の再現を
見られなかった方には次回のために、是非お薦め。

地域行政に関わる関係者は必読

また、本書はアートの現在を記すとともに
「文化による地域おこし」の協働の記録で
地域行政に関わる関係者は必読。





大地の芸術祭の図録のオビ


図録を説明することは不可
もう購入してもらうしかない


私も本の編集の真似ごとをすることがあるが、図録を一読して編集の構成力と腕力に絶句。この図録を説明するためには、A4版246ページ全部を説明しないと不可で、もう購入してもらうしかない。





大地の芸術祭の図録の裏表紙


図録
規格≠A4版246ページ
定価≠3500円(消費税別)
注文問合せ
NPO法人越後妻有里山協働機構
〒942-1526
新潟県十日町市松代3743-1
Tel 025-595-6688
fax 025-595-6181
http://www.echigo-tsumari.jp/


  


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2009年12月18日

YouTubeで「蓬平いけばなの家」の動画を公開


現代いけばなの醍醐味は
「いけこみ」という臨場感で必見。
美術とはまた一味違うライブ感を
YouTubeの動画で是非。






      妻有で陰翳礼讃を制作中の私。
      穴があったら入りたいが、参考までに。
      やはり削除します。御免!



YouTubeで「蓬平いけばなの家」を検索

YouTubeで、大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」のビデオを見た。写真家の尾越健一さんが撮影したもので、九人の作家の制作の舞台裏やWeekendイベント、お客さんとの会話など、いけばなの家の全容をドキュメントで編集。現代いけばなの醍醐味は「いけこみ」という制作の臨場感で、美術とはまた一味違うライブ感は、百聞は一見にしかず。是非お薦め。

  


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2009年12月04日

大地の芸術祭から見えたもの(最終原稿)


津南のカサブランカ

大地の芸術祭秋版搬出の帰路、津南観光物産会館でカサブランカを土産にした。6本で千円。ワケアリということだが、街のカサブランカよりはるかにモノがいい。ちなみに楽天市場で調べてみたら津南のカサブランカはブランドということで納得。








開花したカサブランカをいろんなところに挿しているが追い付かない。
千円でこんな贅沢ができるのも大地の芸術祭のおかげ。(感謝)



総括を急がなければ

NHKの「SONGS」井上陽水最終夜を見た。陽水は寺山修司と並んで自由詩で三本の指に入る詩人と思っているが、テロップで流れる文字を追いながら、その秘密の一端が覗き見えたような気がした。

陽水は歌で連句の歌仙を巻いている。一人で詠んで一人で捌いている。それも並の捌き手ではない。昔、雑誌で「飲んだあとはみんなで連句をして遊ぶ」というような記事を読んだことを思い出した。無意識のうちに連句の世界に遊んでいる。でないと、あんな世界は生まれるはずがない。

大地の芸術祭の総括をしなければ、と心の準備をしていたが、井上陽水を聴いてしまったため、また時が過ぎてしまった。大地の芸術祭の賞味期限が切れかかっている証拠で、総括を急がなければ扉が閉まってしまう。





長野道の豊田飯山インターから十日町市まで、国道117号線で約1時間。
遊び心のある人は旧道をスローライフで行くことをお薦め。
写真は長野と新潟の県境付近の旧道。




こんな時は単純明快が一番
朝日新聞大西若人氏の記事を再考


こんな時は単純明快が一番。宿題になっていた朝日新聞の大西若人氏の記事を再考して、総括に代えたい。

問題の記事は、8月3日(月)朝日新聞の文化欄に、「大地舞台に現代アート」のタイトルで掲載された。一言で言えば大西若人氏の事業評価で、大地の芸術祭の評価と新たな歴史を紡ぐための課題を明らかにした。

若人氏の事業評価は、世界にも類のない「妻有ブランドの確立」というもので、これは40万人の人が不便を承知で越後妻有を訪れたことが証明しているため省略。問題は課題で、指摘の箇所を以下全文転載する。





私が最も衝撃を受けた向井山朋子さんのインスタレーション。(作品№12旧飛渡第二小学校)
「妻有ブランド」はこの1点で納得。(デジカメでは撮影不可のため天井部分を参考に掲載)
この作品については、大西氏も「1万着以上の白いドレスをつった胎内巡りのような空間で、
女性の「生」をテーマにして、激しさと安らぎを感じさせた」と記した。



妻有型の意味

大地の芸術祭の課題について、大西氏は「魅力の維持が鍵」として、【北川さんが今回唱える「グローバル化ですべてが均質になるなか、人と違うことをしてほめられるのが、現代アート」という言葉も効果的で、内外のメディアの注目度も高まる一方だ。しかし「安定」は、表現の源のひとつともいえる、飢餓感や批判性とは距離がある。自然や人々と接して心を動かされるのは当然としても、「妻有型」といった作品化のスタイル化が現われているとしたら、寂しい。】と記したあと、美術の魅力を失わないままどう着陸させるか。そのヒントとして前述した向井山朋子と塩田千春の作品を紹介した。

この指摘は、妻有ブランドが確立した今、新たな歴史を紡ぐ取組みの重要性を説いたもので、【北川さんは、妻有について「展覧会の仕組みや展示数も含めて再考すべきとき」と語り、今後は少数精鋭の展示を試みる可能性も示唆した。】と末尾に続けた。

妻有型の意味は、もう説明不要。文面をそのまま忖度してほしい。
(オイオイ乱暴になってきたゾ!)





インターローカルアートネットワークセンターは、大地の芸術祭をはじめとする世界のアートプロジェクトの事例を収集するアーカイヴだが、展示、ディスプレーに川俣正の眼が行き届いていて、プロジェクトを追体験しながら世界のアートを学ぶことができる。私は農舞台とセットで、大地の芸術祭の博物館が誕生したと高く評価しているが、余り話題になっていないようで不思議。導入のディスプレーはお洒落でさすが川俣とうなってしまった。いつか雪に埋もれた季節に再訪したいものだ。(作品№198松代生涯学習センター2F/旧清水小学校)


バレエの森下洋子は「一日稽古を休むと自分にわかり、二日休むと仲間にわかり、三日休むとお客さんにわかる」と日々の稽古の重要性を説いたが、大地の芸術祭は森下洋子がいうところの三日を超えて四日目(四回)を迎えた。大地の芸術祭に「希望の創造」というこの国の未来が託された以上、妻有型という甘えはもはや通用しない。妻有ブランドの対価で、いやならやめればいい。(乱暴な結論で恥ずかしいがご容赦を)


最後に大地の芸術祭について
感じたことを記して終わりたい






大地の芸術祭は自分さがしのひとり旅(蓬平いけばなの家)



大地の芸術祭は当初予定の3回が終わり、「アートによる地域おこし」という当初の目的を達成。実行委員会も直接関わる地元自治体や団体と昨年設立されたNPO法人に運営の主導権が移項した。今回はその再スタートの第1回ということで、一部に心配する向きもあったが、国民的関心事となり、観客数40万人という大成功を収めたのは、これまでも繰り返して述べてきたとおりである。

ポスト北川フラム、全国に蔓延した大地の芸術祭現象(真似)など心配がなくなったわけではないが、ここでは触れない。大事の前の小事で、みんなが頑張っているときに、後ろから石を投げるようなことはしてはいけない、と戒めているからである。

最後に、前述したように大西氏は「妻有ブランドの確立」と事業評価を下したが、私は短い期間だったが、現地に滞在し、多くの人と交わる中で、「妻有はアートの聖地」になった、と確信した。数多国際展がある中で、アートをめぐり、人とひとがふれあい、「ヘンなの!」と言ってみんなで笑い、勇気をもらえる一期一会の国際展が他にあるだろうか。私が大地の芸術祭に惹かれるのもこのためで、創造の現場に少しでも関われた幸運を感謝している。

支離滅裂な原稿になってしまったが
これで私の大地の芸術祭の報告を終えたい。
ここまでお付き合いいただいた皆さんに深謝!









  


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2009年11月28日

大地の芸術祭から見えたもの(1)





芝峠温泉から見た晩秋の越後妻有と越後の山並み



40万人が訪れた大地の芸術祭

11月23日(月/祝日)、大地の芸術祭の秋版が終わった。まだ公式発表はされていないが、過日放映されたNHKのワンダー×ワンダー「不思議と癒しの里山のアート」は、大地の芸術祭について、「この夏40万人の人が越後妻有を訪れた」と紹介した。

一口に40万人というが、政府主導の横浜トリエンナーレ2008の総入場者数が約31万人というから、まさに空前絶後。しかも東京23区より広い地域に作品が展開することから、その半数近くが滞在型鑑賞者と推定されるなど、前代未聞の事件が起きたとしか形容のしようがない。






三省地区コミュニティー施設は旧三省小学校を宿泊施設としてリニューアルしたもので
写真はラウンジの野外テラス。




ここまではメディアを通して多くの人の周知の範囲だが、大地の芸術祭の熱気が冷めない今、そこで何が起きて、そのことが現場体験した人たちにとって、地域にとって、さらには日本のアートにとって、どんな意味をもつのか。関わった一人ひとりがそれぞれの立場で考えるべきではないか。

私は幸運にも作家として関わると同時に、短い期間ではあったが、観者の一人として三省地区コミュニティー施設に滞在し、多くの関係者やツアーの人たちと膝を交えて接する貴重な体験をすることかできた。



先ずは個人的な反省を踏まえて
「蓬平/いけばなの家」と現代いけばな



「蓬平/いけばなの家」の入場者は、大地の芸術祭の発信拠点農舞台のある松代エリアに位置したという地の利にも恵まれて、1万人近い入場者を数えた。正確なデーターをとったわけではないが、1日の入場者の内、いけばな関係者は約1割というのが「Fの会」の共通した認識で、さらにほとんどの人が「現代いけばなを初めて見た」と答えている。






蓬平/いけばなの家は、蓬平集落に多い小堺姓の本家で、現当主が県外に転居したため、
空家プロジェクトとして「Fの会」の9人が挑んだ。写真はいけばなの家の外観。




この現代いけばなについて簡単に説明したい。70年代前後から登場してきたいけばなの新しい運動と作品を私たちは現代いけばなと呼んでいる。

残念ながらいけばな界において、認識する力と評価する力が弱いため、限られた作家個人の情熱と意志によって支えられているというのが実情だが、評価の対象外で心血を注いでする仕事に悪い仕事があるはずがない。

いささか手前味噌になってしまったが、クリスト展の企画の末端やジャンルを横断したアートイベントのプロデュースに関わってきた私が(?)言うのだから間違いはない。(こんなことを断言していいのかな)



逃がした魚は大きい

「蓬平/いけばなの家」は、東京を中心にこの現代いけばなを牽引するグループ「Fの会」の同人9人が、一人一部屋の個展形式で挑んだ。各作家の作品については、このブログでも全作品を掲載しているため割愛するが、私の気持ちの中では、大地の芸術祭という千載一遇のチャンスを逃したのではないか、という思いが日毎に強くなっている。






「妻有で陰翳礼讃」(正面)とした私の作品





「妻有で陰翳礼讃」(胎内)



確かに現代いけばなのプレゼン効果はあった、と思う。しかし、もし「蓬平/いけばなの家」の作品が一人一部屋ではなく、一軒丸ごと一作家が挑んだらどうか。民俗に端を発したいけばなという行為の同時代性が、その特異性ゆえに強力な磁場となったことは想像に難くないからである。






下田尚利先生の作品「風の栖」 藁のベットは風神さまの終の棲家で、
浴衣は食べた女のコレクションというから俵屋宗達もビックリ。




アートフロントとの協議の段階で、この「こと」に想像が及ばなかったのは迂闊としか言いようがない。逃がした魚は大きいというが、いけばな界にも美術界にも場所をもたない、放浪のジャンルの現代いけばなにとって、残念のひとこと。


  


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2009年11月25日

風の音に木漏れ日がゆれる美人林


もし惰性だとしたら怖ろしい話だ

昨日、蓬平いけばなの家の作品を撤収した。いけばなの家のシンボルとしてはためいていた幟をおろしながら、「いけばなは残らないから」と、独り言のように下田先生。「つまらない作品(一般的な意味で)が残るよりいいじゃない」と私。クリスト展で来豊したクリスト夫妻も「オー、クレージー」と両手を広げたが、私は、このこととどのように向き合うか否かで、いけばな人の器量が決まると思っている。「イヤならやめればいい」と、言い聞かせているが、もし惰性だとしたら怖ろしい話だ。


風の音に木漏れ日がゆれる美人林







風の音に木漏れ日がゆれる美人林(松之山)




  


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2009年11月23日

今日は大地の芸術祭秋版の最終日


本当の私は臆病で心配症

今日は大地の芸術祭秋版の最終日。当初の予定では、今日、現地入りするつもりでいたが、明日の未明に変更。現地からの便りによると妻有は秋も深まり家々では雪囲いの準備に追われているらしい。私はノーテンキのように見えるらしいが、本当は臆病で、「もし雪でスリップ事故でもしたら」と心配でたまらない。出発を延ばしたのもそんな訳で笑ってしまう。

心配症と言えば、大地の芸術祭のスタートに当たり、北川フラム氏がインタビューで、「アートは手段でその奥にあるものが大事」という意味のことを述べていたのを覚えている。そういう意味では、アーティストを傭兵にするようなしたたか大地に生まれ変わった現地を見れば、「アートによる地域おこし」という初期の目的は、概ね達成されたのではないか。

問題は、初期の目的を達成した大地の芸術祭の今後の展開である。ポスト北川フラムなど、杞憂であればいいが。このことについては、当ブログでもとりあげた朝日新聞の大西若人氏の記事の宿題と根で重なるため、前述した杞憂の意味と合わせて、もう少し時間をいただきたい。


大地の芸術祭あの日あのとき

Weekendイベントで、私はいけばなの行為の中にある「いける」ことの楽しさと、「つくる」ことの楽しさを、舞台裏を公開することで伝えたいと思ったが、うまく伝わったかどうか、今も心配(笑い)している。




写真家の尾越健一さんに「ヘェーかとうさん、生(なま)の花もいけるんだ」と笑われてしまったが、地元以外では初公開で、納得。




いけばなは自然と遊ぶ術と誰かが言っていたが、私もそう思う。




燻炭のドローイングの公開制作でパネルの下地をつくる。




完成した燻炭のドローイングの部分


  


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2009年11月15日

NHKで「不思議と癒しの里山アート」を見た


これ以上説明はしたくない

毎週土曜日放映しているNHKのドキュメンタリー番組、ワンダー×ワンダー「不思議と癒しの里山アート」を見た。ワンダー×ワンダーは、自然・文化・紀行・人間ドラマなどをテーマに、HNKならではの映像と構成で、楽しみにしている番組の一つで、14日は大地の芸術祭をとりあげた。

番組は、一人去り、二人去り、老人一人になった旧川西町の大倉集落の空家の一軒一軒に、明かりを燈した近藤美智子さんの「HOME project」。過疎化が進む、長野県境の津南町足滝地区のほぼ全員のシルエットを、作品にした霜島健二さんの「記憶-記録」足滝の人々などなど、地元の人たちと現代アートの心の交流を、丁寧な取材で追った。

近藤さんの作品(№84)は近くまで行ったのに引き返してしまった。霜島健二さんの作品(№104)は、国道117号線に沿った長野県境の信濃川に架かる橋のたもとに案内看板が出ていたのを覚えている。長野道から入ると最初に見える看板で、いつも私を迎えてくれた。嬉しくて何度も立ち寄ろうとしたが、往路は先を急ぐため、復路は早く帰りたいため、そのまま車を走らせてしまった。そんな訳で残念ながら二作品とも見ていない。

衝撃を受けたのはそんなことではなく、関わったアーティストたちの瑞々しい感受性と人間性で、わが身の稚拙さが恥ずかしくなった。
これ以上説明はしたくない。





霜島健二さんの「記憶-記録」足滝の人々 は、2006年に制作したものを、集落の人たちの希望で再設置したとのことだが、時間が作品に新たな生命を与えていた。写真は2006年版公式図録より転載した。
  


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2009年10月12日

フォーラム 白熱して課題はFの会に持ち越し



37万人を超える入場者を数えた大地の芸術祭
蓬平いけばなの家も1万人の大台にのる
いけばなの家は大地の芸術祭秋版として
11月23日(月・祝日)まで展示



10月10日(土)
新宿の大和花道会館で蓬平いけばなの家フォーラムが開催された。
このフォーラムは、越後妻有アート・トリエンナーレ2009「蓬平いけばなの家」の総括をするため、Fの会が主催したもので、アートフロントの水野真弓さんは、現在集計中と断った上で「大地の芸術祭の入場者は
約37万人、蓬平いけばなの家も1万人を超えるのではないか」と報告。また、Fの会同人で、北京在住の現代いけばなのカリスマ大坪光泉さん、真生流家元の山根由美さん、大阪の松井清志さんも参加。フォーラムに花を添えた。

フォーラムは、代表の下田尚利先生の蓬平いけばなの家の経緯と報告に続いて、作品のスライド上映とドキュメントビデオの上映。美術評論家の三頭鷹史さんの講評、フリートークと、予定の2時間を1時間オーバーする熱気で、50日間に及んだ蓬平いけばなの家を総括した。



蓬平いけばなの家の経緯の報告を交えて挨拶をする下田尚利先生



尾越健一さんが蓬平いけばなの家の
ドキュメントビデオを遺す


フォーラムで上映されたドキュメントビデオは、写真家の尾越健一さんが撮影したもので、尾越さんは下見から制作、週末のWeekendイベントとテント用具を持参して日参。メンバーも初めて見る映像で、見えなかった蓬平いけばなの家の実像を目の当たりにして声を失った。美術評論家の三頭谷さんも「今日は少し辛口の意見を言おうと出てきたが、こんな映像を見てしまうと考え方が変わった」と、切り口を急きょ変更するなど貴重な記録で、尾越さんに感謝。



蓬平いけばなの家の講評をする美術評論家の三頭谷鷹史さん

三頭谷さんは大地の芸術祭現象と言われる国際展の動向と美術の現在についての認識を述べたあと、蓬平いけばなの家から見えたいけばなの可能性と課題について指摘した。



北京から6年ぶりに帰国した大坪光泉さん
北京仰天最新情報に爆笑のカルチャーショック



白熱して課題はFの会に持ち越し

フリートークで会場から「蓬平いけばなの家の後をどのように考えているのか」という意味の質問があり、メンバーを交えてヒートアップ。詳細は割愛するが、「越後妻有に現代いけばなの橋頭堡を築きたい」という、作家としてより高みを求める意見と、「越後妻有の体験とパワーを現代いけばなの拡大につなげたい」という戦略的意見に要約できるのではないか。ともに現代いけばなの現在を象徴する切実な意見で、課題として持ち越したが、いずれにしても「作家個人の情熱と意志に支えられた放浪のジャンル」(三頭谷鷹史)の現代いけばなに残された時間はない。



白熱したフリートーク




フォーラムの合い間をぬって
いけばな龍生展を見た


フォーラムの合い間をぬって、上野の松坂屋で開催中の「いけばな龍生展」を見た。龍生派は、現代いけばなの流れを主導した先鋭的な流派で、リーダーの吉村華泉家元の高い見識とリーダーシップのもと、大坪光泉、谷口雅邦、古川知泉など国際的に活躍する多くの作家を輩出。最も注目をされる流派の一つとして知られている。



上野駅からアメ横を通り抜けて松坂屋へ





1階正面に活けられた催事案内用の花。松坂屋は地元名古屋の老舗デパートで、郷土愛?から思わず「がんばれ」とエール。でも少しわびしそう。




龍生展の会場





会場でFの会の吉村隆先生にバッタリ。「今日はナンカあったっけ、ハハハ」と吉村先生。ジョージ秋山の「浮浪雲」みたいで、私も釣られて笑ってしまった。写真は吉村先生の作品。



  


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2009年10月06日

蓬平/いけばなの家をドキュメントで検証




蓬平/いけばなの家Weekendイベントの会場スナップ


北京在住の現代いけばなのカリスマ
大坪光泉さんも参加


蓬平/いけばなの家を検証するフォーラムが、今週の土曜日、新宿の大和花道会館で計画されている。当日は美術評論家の三頭谷鷹史さんの基調トークや写真家の尾越健一さんが撮影したビデオや作品のスライド上映、出品者による自作トークなどが予定されている。私もトークを予定しているが、出品者にとって大地の芸術祭とは何か。「いけばなの現在と可能性について」どんな話が飛び出すか、興味のある方は是非お出かけを。最新情報では北京在住の大坪光泉さんも参加するとのことで、楽しみ。

蓬平/いけばなの家フォーラム

日時:10月10日(土)午後2時~4時
内容:ビデオやスライドによる解説及び出品者によるトークほか
参加:自由(無料)
ゲスト:三頭谷鷹史(美術評論家)
会場:大和花道会館(東京都新宿区百人町2-17-10
☎:03-3364-0151
問合せ:Fの会事務局古流かたばみ会館内(大塚理司)
☎:03-3971-7080

  


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2009年10月03日

土産は津南のカサブランカ



大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2009
秋版はじまる


大地の芸術祭は9月13日(日)50日間にわたるロングランの幕を閉じたが、新潟県と山形県庄内地方の観光関係者や市町村が協同して展開する大観光キャンペーン「新潟デスティネーションキャンペーン」に賛同。今日から秋版として廃校や空家プロジェクト、パーマネント作品を中心に公開がはじまった。(公開作品は大地の芸術祭のHPを参照)

そんな訳で、昨日作品のメンテナンスのため妻有に入った。今回は松之山の名湯も烏の行水でとんぼ返り。慣れた道とはいえ、さすがに片道5時間、往復10時間の運転はきつい。




新潟デスティネーションキャンペーンのチラシ
会期:2009年10月3日(土)~11月23日(月・祝日) 




鍵がかけられた「蓬平いけばなの家」の外観。我が家に帰ったような懐かしさと同時に時の流れも。鍵を開けて中に入ると作品たちが刻々と生命を刻んでいた。秋版が終われば当然のようにこの作品たちは撤去されることになるが、その時作家は死刑執行人になるのであろうか。




夜景100選に選ばれている長野道の姥捨サービスエリアから見た早朝の善光寺平。姥捨伝説の残る姥捨は、険しい山岳と千曲川が作る肥沃な平野の境に位置することから、古くからの交通の要衝で、戦禍に巻き込まれたこともしばしば。有名なのが上杉謙信と武田信玄が覇権を争った「川中島の戦い」で、歴史絵巻のパノラマを見るような景観に時の経つのを忘れそう。また姥捨は、「田毎の月」で歌に詠まれた月の名勝として知られているように、話は尽きることがない。




足湯に浸かるため野沢温泉に寄り道。残念ながら足湯はみつからず諦めたが、観光地はどこも同じ。妻有のスローライフな温泉がいい。


土産は津南のカサブランカ

妻有の楽しみは農産物の市で、朝採りの新鮮な野菜がよりどりみどり。
しかもいずれも一袋100円という信じられない安さ。もう一つのお薦めが津南の百合。日本有数のブランドでそれなりにするが、お薦めは規格外の百合で、品質は同じなのに各段のお値打ち。ちなみに、このカサブランカは規格外ということで7本で千円。花屋で買った百合は一日で開くが、鮮度がいいため蕾が固く開く気配もない。




玄関にカサブランカをいける。蕾が固く開花が楽しみ。
  


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2009年09月25日

秋の妻有だより



大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2009秋版




妻有の空を飛ぶ秋アカネ?


妻有の秋を愛でながら作品と再会

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009は、9月13日(日)に幕を下ろしたが、今年は新潟デスティネーションキャンぺーンにあわせて、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009秋版を10月3日(日)~11月23日(日)の会期で、引き続き公開される。

新潟デスティネーションキャンぺーンは、JRグループと新潟県及び山形県庄内エリアの自治体や観光関係者が協同して実施する観光キャンペーンで、妻有の秋を愛でながら作品と再会できるのは嬉しい。

但し、秋版はオプションのため、廃校や空家プロジェクトの作品公開は土・日・祝日に限定されるためご注意を。また公開される作品リストなど秋版の詳細は「大地の芸術祭」のホームページで確認してください。

私は作品のメンテナンスを兼ねて月末に妻有入りするが、今回は予定を立てずに気の向くままぶらりぶらりと妻有の秋を巡ってみたい。




秋の妻有(パンフレットより)




  


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2009年09月14日

大地の芸術祭に感謝


9月13日(日)、7月26日(日)から50日間のロングランで開催された大地の芸術祭が幕を下ろした。丹羽隆夫展の搬出と重なったため閉会式には出席できなかったが、今はただ「大地の大祭」に感謝。



いけばなの家の受付。ここでパスポートを拝見。



週末はWeekendイベント。いけばなのライブやトークに人の華が咲いた。



立ち返りなお見てゆかんいけばなの家。
たくさんの出会いを、ありがとうございました。  


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2009年09月10日

妻有ギャラリー(7)衝撃の向井山朋子


向井山朋子とは何者か

今回私が最も衝撃を受けたのが向井山朋子「Wasted」。五感に高圧電流が流れたような衝撃に言葉を失った。アントニー・ゴームリ―の作品もそうだが、衝撃的作品に限って写真が上手く撮れていない。そもそも学校の体育館を埋め尽くしたインスタレーションをデジカメで撮ろうと思うのが無謀な試みで、諦めるしかないようだ。

向井山朋子とは何者か。ガイドブックを開くと「オランダを拠点に世界で活躍するコンサートピアニスト」とある。「ピアニスト?」、頭が混乱して理解不能。そんな訳でインターネットで検索。私が知らないだけで、とんでもないアーティストということがわかった。興味のある方はネット検索をお薦め。






満天の星座のように吊り下げられた純白なドレスを見上げる



さて、余談に逸れたが向井山朋子「Wasted」は、純白のドレス12,000着を空間にインスタレーションしたもので、プロジェクトは会期終了後、インドネシア、オランダなど全5ヶ国を巡回するとのこと。「参加者は衣服を受け取り、月経のときにパフォーマンスをする。その体験が、作家にフィードバックされ、次のコンサートにつながる」というコンセプトは絶句。




月経の血で染めたのか、ドレスの塔に錆びた朱が滲んでいる。後日「吐き気がする」と、拒否した人もいたと聞いたが納得。



向井山朋子の胎内?それとも幻覚か。
  


Posted by かとうさとる at 01:08 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2009年09月10日

妻有ギャラリー(6)妻有にアーカイブが誕生


インターローカルアートネットワークセンター

硬質な輝きで異彩を放っていたのが清水・松代生涯学習センター(旧清水小学校)に設置したインターローカルアートネットワークセンターで、今回の大地の芸術祭の収穫の一つ。アーカイブの中心となっているのがディレクターの川俣正で、私は全体を川俣作品として見ているが、正確なところはわからない。いずれにしても大地の芸術祭を学術的に記録した資料室が誕生したことは、妻有の国際的なポジションを確立するビッグヒット。



インターローカルアートネットワークセンターの正面。お洒落で脱帽。



インターローカルアートネットワークセンターの展示。
大地の芸術祭を学びたい人は先ずここに。

リチャード・ディーコン「マウンテン」

この作品は前回の目玉作品の一つとして取り上げられていたが、私の好みではないため無視してきたが、桐山に向かう途中で偶然遭遇。黒姫山を背景に堂々としたリチャード・ディーコンを見て私の不明を反省。



リチャード・ディーコン「マウンテン」

クロード・レヴェック
「静寂あるいは喧騒の中で」


今年のヴェネチアビエンナーレのフランス代表作家。ガイドブックに「このアーティストに注目」と紹介され、人気スポトの一つとなっていた。建物の構造的問題から各部屋ごとに異なる作品を設置しながら建物を力技で支配したのはさすが。



建物の入口の暗い物置らしい部屋に設置された作品。



二階は三部屋にわかれ、異なる三つの作品が。各部屋ともオープンのため、三作品が関係しているのかも知れないが、理屈抜きで楽しめた。



ガイドブックに掲載されていた参考イメージの実作。


アントニー・ゴームリ―
「もうひとつの特異点」


クロード・レヴェックと並ぶ注目作家の一人。10数年前、名古屋市美術館のアントニー・ゴームリ―展を見た印象が強かったため、ガイドブックの作品の参考イメージを見てその変貌に驚いたが、十年一日のわが身を恥じるべきか。



建物の内部を補強して建物丸ごと「ゴームリ―美術館」に変貌させた完璧な仕事に脱帽。私のデジカメでは撮影不可のため、ポストカードを使用したが、内部の天井を見上げると大仏殿の天井を見上げるより雄大で無限の宇宙を見るよう。ポストカードがこの深さを現わしていないのは残念。



私がデジカメで撮ったアントニー・ゴームリ―。私の記憶に間違いがなければ、ゴームリ―の空間はこのデジカメの世界に近いように思っているが、正直なところはわからない。





  


Posted by かとうさとる at 00:58 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2009年09月09日

妻有ギャラリー(5)蓬平から桐山へぶらりぶらり


空を見上げると
一面に鰯雲が広がっていた


昨日、丹羽隆夫展のオープニングも無事終えた。懸案の作品の保存については、前市長で名誉市民の加藤正一さんが同席した美術館長に「作品の収蔵について検討できないか」とあいさつしたことで、ひとまずボールは投げられた。改めて、亡くなった人をどのように「史」として評価するのか否か、同時時代に生きた人間の大切な役割の一つということを実感。私もその責を逃れることはできない。今朝空を見上げると一面に鰯雲が広がっていた。雲の向こうに紙を漉く小原和紙の小川喜数先生の背中を見たような気がした。どうやら予てから想を温めていた小原和紙の黎明期とその仕事を「史」として書きとめる時期がきたようだ。



古巻和芳+夜間工房
「繭の家-養蚕プロジェクト」


妻有ギャラリーの下書きをストックしていたが、気がついたらクロージングまで4日。賞味期限が迫ってきたため、このギャラリーも特急に予定を変更。各駅を飛ばして終着駅まで急ぎたい。

蓬平集落を紹介されたとき最初に案内されたのがこの「繭の家」で、そのときの気持ちのいい衝撃を今も鮮やかに覚えている。手前の長持ち風の箱を開閉すると蚕の一生が生と死というシンプルな対比で現れる仕組みで、電子化した繭の音と映像が永遠の命を刻んでいるよう。大地の芸術祭が目指したものの答えの一つが「繭の家」で、集落の民話として大切に守り継がれていくに違いない。




古巻和芳+夜間工房「繭の家-養蚕プロジェクト(蓬平)


アンティエ・グルメス「内なる旅」

機会を改めて総括で後述するが、私は大地の芸術祭を訪れた多くの人たちの背中をお遍路さんの背中に重ねて見ていた。アンティエ・グルメスさんの「内なる旅」は、そんなお遍路さんの心をとらえた。




妻有を旅してきた「内なる旅」のゴールまで
あと300メートル




二つめのカーブを曲がると馬頭観音が迎えてくれた




植生が杉木立からブナ林に代わりはじめた。
朴の木の緑が目に鮮やか




足を止めて朴の木をパチリ




内なる旅の胎内へ




黄色い梯子を登るのは誰?




御山が開けた聖なる場所に「内なる旅」のゴールがあった




心の宇宙を木立ちにドローイングした「内なる旅」。
また新たな旅へ。

  


Posted by かとうさとる at 14:44 | Comments(1) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2009年09月08日

妻有ギャラリー(4)松代エリアはアートと棚田のテーマパーク


大地の芸術祭のラウンドマーク

私が3年かがりでプロデュースしている丹羽隆夫展の飾りつけが済み、今日はオープニング。いま、オープニングの準備を終え、ひと息ついたところ。そんな訳でブログも下書きしたまま間があいてしまった。ご容赦を。

余談に逸れたが、妻有からの情報によると大地の芸術祭全作品踏破の人もぼちぼち出始めたそうだ。クロージングまで今日を入れて6日。まだ妻有に入っていない方は急いで急いで。

さて、大地の芸術祭のランドマークと言えば、イリア&エミリア・カバコフの「棚田」にとどめをさす。これはもう説明不要でパス。



イリア&エミリア・カバコフ「棚田」(松代フィールドミュージアム)




新しくランドマークに仲間入りした
パスカル・マルティン・タイユー「リバース・シティ」



下から見上げると獲物を狙う凶器のよう



黄花コスモスが高い空に映えて、妻有は秋一色。



リチャード・ディーコンの「マウンテン」の設置されている場所にあるのが清水の棚田。黒姫山を背景に雄大なスケール感が爽快。


造形実験カロス
「田野倉環境感知器09三九郎道」


集落の道々から家々に立てられた狐のフラッグに誘われて車を進めたが、気がついたら森の中の狭い崖の道に入り込んでしまった。引き返すにも車が谷底に落ちそうで進むしかない。山側を見ると気味の悪い石仏。目を閉じて車を進めると突然山が開け、狐のフラッグが一斉に揺れていた。おまけに狐が一匹鎮座してこちらを見ている。ガイドブックによると地元に伝わる三九郎狐をモチーフした作品で、「風が吹くと狐が駆けめぐる楽しい装置」とのこと。



以前の自分であれば気持ちのいい静寂も、理由はいわないが今は苦手。
  


Posted by かとうさとる at 04:53 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2009年09月03日

妻有ギャラリー(3)津南・松之山エリア見て歩き


発電所美術館の塩田千春展を見て帰る

いけばなの家のウィークエンドイベントのため、水曜日の夜豊田を出発。帰路は、入善町の発電所美術館で開催中の塩田千春展「流れる水」を見て、富山から北陸道経由で帰宅した。

発電所美術館はオープンしたときに一度訪ねており、アクセスについては承知しているはずだったが、何度も道を間違えてしまった。余談に逸れたが、先ずは大地の芸術祭の見て歩きをリポートしたい。




塩田千春展-流れる水(展覧会図録より)


大地の芸術祭見て歩き



豊田から高速を飛ばして約4時間。映画「阿弥陀堂だより」が撮影された飯山市まで来ると十日町市まで約40㎞。逸る心を抑えるためポットのお茶を飲んでひと休み。写真は千曲川の「道の駅」から見た飯山市の朝焼け。


津南町エリア

津南町エリアは、長野県栄村と隣接する西の端に位置するため、ツアーもマニア中心になるのは仕方がないが、大地の芸術祭の格差問題の火種の危険性をはらんでいるように見えた。「北東アジア芸術村」も中心となる「マウンテンパーク津南」のメンテナンスが十分でないため、池に浮かべた西雅秋のリングが干上がるなど無残。地元とのコミュニケーションの問題だが、市町村合併のしこりが残っているとしたら作品が浮かばれない。



津南エリアを救った李在孝(イ・ジョヒョ)の作品。


松之山エリア

松代エリアと並ぶ大地の芸術祭の中心エリアで、作品の質量とも充実。ホルタンスキー+カルマン「最後の教室」は何度見ても衝撃的で、この作品に出会うため松之山を再訪する人も多いというが納得。上手く撮れていないが、今回の目玉作品は、空家の空間を蜘蛛の巣のように張り巡らした塩田千春の「家の記憶」で、私も二度足を運んだ。



塩田千春「家の記憶」の天井部分



大棟山美術博物館は、七百年近い歴史をもつ村山家旧宅と庭を博物館にしたもので、「堕落論」で知られる坂口安吾が現当主の叔父にあたるところから、安吾の貴重な遺品を展示。温泉に棚田にアートに坂口安吾まで、松之山は見どころ満載。温泉と言えば、滞在中温泉巡りをしたが兎口温泉「翠の湯」の野天風呂は野趣満点でお薦め。



三省ハウスで「妻有の杜」(作品№9 十日町エリア旧東下組小学校)をフィールドワークで記録している建築家の丹下公仁さんと面識を得たが、「社」を前に言葉はいらない。



気の向くままハンドルを切っていたら、ひと山ふた山越えた小さな集落で懐かしい昭和の匂いのする家を見つけた。家の横には大地の芸術祭の幟が立っていた。車を止めると私と同世代とおぼしき女性が目で挨拶。「作家さんですか」と聞くと「はい」と小さな声。



潮田友子「記憶の部屋下布川の人々」は、現地の人々の写真や言葉をコラージュした仕事で、空家プロジェクトの定番の一つだが、「道に迷っていただいてありがとうございました」と潮田さん。人柄も仕事も丁寧で、ビッグネームに浮かれていたわが身が恥ずかしくなった。潮田さんに感謝。










  


Posted by かとうさとる at 02:25 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2009年08月23日

妻有ギャラリー(2)蓬平いけばなの家「作品編」


写真家の尾越健一さんから
蓬平/いけばなの家の写真が届いた。




芝峠から見た蓬平集落




蓬平集落の夕焼け




窓から飛び出した粕谷明弘さんの作品




宇田川理翁さん「狐の嫁入り」

闇夜に山野で狐火が連なっているのを、嫁入りの提灯行列に見立てて「狐の嫁入り」と言うそうだが、お目出度い嫁入りも「狐」となると話が切なくなってくる。








大塚理司さん「風を迎えに」

爽やかな風のように清々しい作品だが薔薇のメンテナンスで大変らしい。いけばなは手をかけただけ良くなるというから、泣きごとを言ったらバチがあたるというもの。









大吉昌山さん

シンプルで見たまま






粕谷明弘さん

オペラ座の怪人は歌劇場の地下を棲み家としたが、いけばなの家の屋根裏に隠れ棲んでいるのは「もののけ」か。初日、お客さんが帰ったあとと一人で部屋を点検したが、竹のオブジェが水木しげるの世界に見えてきた。









かとうさとる「妻有で陰翳礼讃」

タイトルのとおり。上の写真は部屋の正面。下は作品の胎内。








下田尚利さん「風の栖」

オープニングのあいさつで「貧乏をしても風のように自由でいたい」と下田先生。うそかまことか、浴衣について質問を受けた下田先生は、「年老いた風神さまが昔食べた女を藁でできたペットで偲んでいるところ」との説明に大爆笑。地元の人たちとの垣根がこのひと言で溶け、時のたつのを忘れた。2枚目の写真は作品のガイドをする下田先生。









長井理一さん「遊借りの間」

床も天井も家具も衣服も靴も、ユーカリの葉で埋め尽くされた遊び心満載のインスタレーション。白い紙は、いけばなの家を訪れた人の願いがつづられたエフ札で、大地の芸術祭が終わる頃には、ユーカリの木はエフ札で埋まって見えないのではないか。








早川尚洞さん「空中庭園」





日向洋一さん「植物に語らせるもの」















  


Posted by かとうさとる at 21:04 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」