2014年04月25日

新聞を読んで|地域の民度を映す出版文化





フォト歳時記




   科学的にはまだ証明されていないようだが
   新緑の楓が放つマイナスイオンのシャワーは別もの





新聞を読んで


過日(4月22日)、中日新聞が
豊橋市の出版社「春夏秋冬叢書」が発行する
東三河&西遠・南信応援誌「そう」
奈良県が発行した「NARASIAQ」
農文協発行の「季刊地域」をテキストに
地域に根付いた草の根の
出版活動の現在をとりあげた。

重要な記事のため
少し感想を記したい。






   2014年4月22日中日新聞より転載


手元にスクラップがないため
正確なことは覚えていないが20年ほど前
日経新聞が民度ランキングを発表した。

トップの松江にはじまり
金沢、松本、奈良など
歴史のある文教都市が名を連ねた。

誰が見ても納得のランキングだが
当時、私はこの記事を目にして
何か違和感を禁じることができなかった。

日経のランキングは歴史の評価であって
未来の扉を開こうとしている
同時代性の視点が欠けているのではないか。
漠とした違和感だったが今ならわかる。

そのまちに
その地域に
どんな人たちがいて
どんな本を出版しているのか。
出版文化の質こそ
民度として問われるべきではないか。

同人誌は別にして
総合誌を地方で出版することは
至難の業といってもいい。

地域の風土の根っこがわかって
現在を複眼で観察できる発信者がいる。

出版をマネージメントできる編集者がいて
出版を支えるサポーターがいて
何よりもその出版物を必要とする
多くの市民がいる。

まちや地域がもつこうした複合力こそ
民度というのではないか。

難儀な話は省くが
未来は誇りをかけた地方の時代でなければ
この国は救われない。

つい驕った言い方をしてしまったが
時宣を得た取材で記者に拍手






中日の記事によると「叢」は

デザイナーとして活躍する味岡伸太郎さんが
「読み応えがあり、世界に通用するものはローカルなもの。 
   
教科書的ではなく現場を描く」と2000年
愛知県豊橋市に出版社「春夏秋冬叢書」を創立。
地域に関する単行本に加え、2003年から「そう」を発行。
   
ライター、カメラマン、デザイナーなど   
第一線で活躍する20人以上の執筆者を数え   
夢は「地域の百科辞典をつくること」というから絶句。 
 






  「そう」の「アート点描」は
   美術評論家の鈴木敏春さんが郷土にゆかりのアーティストや
   アートシーンを紹介するシリーズで
   なぜか私にも取材が入ったが恐縮の一言。
   
      




  


Posted by かとうさとる at 01:07 | Comments(0) | らくがき帖