2015年11月18日

人類は絶滅危惧種














パリで起きた
同時多発テロのニュースを見て
15年前の2001年9月11日
ニューヨークで起きた同時多発テロを
思い出した人もいるのではないか









2015年11月18日朝日新聞より転載
  



私もその一人で
当時発行していた?
手づくりのプライベート通信で
このニューヨーク同時多発テロについて
触れているのを思い出した


地球は小さくなって
誰でも壊せることを
白日の下に晒したのが
ニューヨーク同時多発テロだった


あれから15年
何が変わって
何が変わらなかったのか
自省の意味を込めて再掲した







人類は絶滅危惧種

全ての生物は種の保存という
本能によって生かされている
人間も例外ではない

はるかな旅をした鮭が
生まれた河川に回帰するのも
種の保存という
本能に導かれたもので
生命の神秘は
ゲノムの解読をもってしても
解くことができない


しかし種の保存は
だれにでも平等に与えられるものではない
闘争に勝ったもののみに与えられる
残酷なものだ


それでも私たちは
こうした自然界のドラマを美しいと思う
そこには勝者も敗者もない
生命を生き抜いたもののみがもつ
清々しい輝きがあるからだ


私たちが
芸術やスポーツに感動するのも
こうした種の起源に
深くかかわっているからにほかならない


顧みていまの人間はどうだ
驕り高ぶり弱者へのいたわりもなく
勝ことが正義と思いこんでいるのではないか


生物の中で最も闘争心が強く
絶滅危惧種の人間に与えられた
理性と言う名の制御装置を
無為にしようとしているのではないか


頻発する理由のない殺人事件
最低なモラルハザード
極め付きはニューヨークで起きた
同時多発テロ事件だ


こどもたちの心のケアが
社会問題になっているが
何よりも歪んだ大人たちの心のケアを
急ぐべきではないか


パンドラの箱をあけてしまったいま
臆病といわれてもいい
挑発にのるな


こどもたちへの最大のケアは
大人たちが真の叡智と勇気を
行動で示すこと以外にない

(2001.10.1)  


Posted by かとうさとる at 02:15 | Comments(0) | いけばなから