2014年01月08日

新春の豊田市美術館はリアリズム一色
















リアリズム一色
といっても重い意味はなく
コレクションを中心に多様なリアリズムを
概観しようというもので
アートでランチを食べるようなもの

百聞は一見にしかず
先ずは豊田市美術館に足を運んでみよう








    金子潤の「だんご」(高橋節郎記念館北)



描くことの意味を根本から問いかける
企画展「愛・知のリアリズム」






宮脇晴(1902-85)は
愛知が生んだ代表的な洋画家の一人
豊田市美術館は宮脇の作品をまとめて収蔵し
常設展示している



本展はこの宮脇晴の所蔵作品に加えて
宮脇の出発点で大きな影響を与えた岸田劉生らの「草土社」や
「草土社」に刺激を受けて地元で結成された「愛美社」の
代表作家の作品を一堂に展示し
宮脇晴の画業の全体像を明らかにしようというもの





構成は大きく二つにわけ
第一部は「知のリアリズム」
宮脇を含む愛美社の若い画家たちが
その青春の全てをかけて挑んだ写実絵画の成果を展観

ガラスケースに入っているため
残念ながら見開きのページしか読めなかったが
宮脇晴の日記も資料展示されている

これらの資料は
芸術が青春の証であっ証言記録で
是非図録に収めてほしい





余談に逸れたが
第ニ部は「愛のリアリズム」
細密描写を離れ、自己の表現追及へ変化する
1930年代以降の宮脇作品を紹介



タイトルの「愛・知」は
地元の愛知の「愛知」と前述した
第一部「知のリアリズム」
第ニ部「愛のリアリズム」
の二つをかけあわせて命名したもの

リアリズムなどと難しい話は抜きにして
深い眼差しが支配する作品群は
私たちが忘れていた「描くこと」の意味を
静かに問いかけている




リアリズムの基本を学んだあとは
テーマ展「手探りのリアリズム」で
表現としてのリアリズムを体験しよう







    村岡三郎(1928-2013)
    溶断-17,500mm×1,380°C/1995年/鉄、熱、煉瓦



村岡三郎(1928-2013)は
鉄を用いた彫刻の日本でのパイオニアで
私が畏敬するアーティストの一人


惜しまれなから昨年逝去の報に接したが
「手探りのリアリズム」はその村岡三郎の追悼とあわせて
所蔵作品をもとに表現としてのリアリズムを概観しようというもの




    手前の彫刻は若林奮、奥の平面はアンぜルム・キーファー
    そのほかヨーゼフ・ボイス、アルベルト・プッリ、トニ―・クラッグ
    イヴ・クライン、フランシス・ベーコン、アルベルト・プッリ
    コンスターティン・プランク―シ、高松次郎、エゴン・シ―レなど



豊田市美術館の総合力に拍手





長くなるため説明は省くが
リアリズムを切り口に全館をアートのワンダーランドにした
豊田市美術館の総合力に拍手


展覧会は4月6日(日)まで
問合せは豊田市美術館☎0565-34-6610










  


Posted by かとうさとる at 14:15 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー