2021年04月18日
歴史ミステリー いにしにえの郡衙(ぐんが)を探せ
月イチで地元紙の矢作新報に連載している「ぶんかの定点観測」。123回目の今月は、歴史ミステリー いにしにえの郡衙(ぐんが)を探せ
「郡衙(ぐんが)」とはなにか
「郷土を知る会」より嬉しい便りが届いた。猿投山南山麓に展開した古代文化を楽しみながら学ぶ令和3年度歴史ミステリー「ふるさとカフェ」の案内である。
さて、「郡衙(ぐんが)」とはなにか。天皇が国家の頂点に立ち、太政官の下に政務を担当する8省が設置され、地方に国・郡・里(後に郷)が設置された古代国家の時代に遡る。
豊田市地域は、碧海郡に属した旧上郷・旧高岡地区を除いて三河国賀茂郡に属し、郡の下に拳母、高橋、伊保、信茂、賀茂、山田、仙陀、加祢の八郷がおかれていた。
「郡衙」とは、役場のことで、朝廷の制度に倣えば政務をとる政庁と郡内の各郷より徴収した稲などの穀物を納める正倉のほか郡司の館、役人の官舎が並んでいたはずである。
「はず」と記したのは、新修豊田市史をもってしても未だ郡衙の場所が特定されてないからで、不思議と言えば不思議だが、ここからが謎解きの面白さである。
郡衙の有力候補は次の2カ所
「ふるさとカフェ」のネタバレになるため詳しい説明は省くが、郡衙の有力候補は次の2カ所。猿投神社の文書や地名から浮かび上がったのが郡の名を冠した賀茂郷。もう1カ所は朝廷に届けられた木簡から物部千麻呂の名が知れる高橋郷の2カ所で、具体的な場所も特定した。
残念ながら現段階では仮説に過ぎないが、賀茂郷には帰化人の秦氏が、高橋郷には同じく物部氏の関りが浮かび上がるなど、とよたの古代文化史は郡衙を巡ってバトルの様相を呈してきたから謎解きはやめられない(笑)。
続きは令和3年度郷土を知る会
歴史ミステリー「ふるさとカフェ」で
ざっと令和3年度歴史ミステリー「ふるさとカフェ」について記したが、興味のある方は、是非ご予定を。
■日時/5月30日(日)午後1時半~
■講師/元豊田市郷土資料館長安藤勇さん
■会場/豊田市視聴覚ライブラリー
■参加/自由(先着順30名)
■申込み/5月1日から
■市文化振興財団☎0565・31・8804
■問合せ「郷土を知る会」
☎0565・48・5947
Posted by かとうさとる at 02:04 | Comments(0) | とよたの文化