2009年01月16日

作品ライブラリー(14)花は戦い


作品ライブラリー(14)花は戦い


竹、玉石|豊田市民文化会館(1986年)


華工房のこと

この作品は、「華工房」という私が関わったグループ展で発表したもの。「華工房」については、別の機会に述べるため割愛するが、毎回現代いけばなの第一線で活躍する旬の作家やジャンルを越境したゲストを招いたイベントを展開。このときも彫刻家の今井謹郎さんをゲストに招いた。

ライバルは勅使河原宏と決めた

一見して分かるようにこの作品は、「竹」の弾力を意図したもので、笑われるかも知れないがライバルは勅使河原宏と決めた。当時草月流家元の勅使河原宏が大規模な竹のインスタレーションを展開。竹=勅使河原宏=草月ブランドとしてガウディの「サクラダファミリア」のように聳えていたからである。言い訳をするなら「竹」をやるなと、自分に言い聞かせた。

中川幸夫は「生きる証である」と、「華・中川幸夫作品集」に記したが、当時の私にとって「花は戦い」だった。この竹は凶器で、事故がなくてよかったが、一歩誤ると大惨事になるところだった。当然管理者は強固に変更を要求したが、前回のライブラリー(13)で白状したように、聞く耳をもたずに強行した。竹の弾力だけで、際どい均衡が勝負を分けると決めていたからである。もちろん今ではこんな無謀な企みはしないが、このとき、私の中で「空間」が確かな形となって立ち上がってくるのを感じた。


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Posted by かとうさとる at 03:05 | Comments(0) | 作品ライブラリー
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