2015年06月27日

農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)












農村舞台の新たな可能性をひらく
アートインレジデンスの試行がスタート




農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


扉を開けるのは
舞踏家の今貂子さん



農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


  2009年3月7日京都新聞掲載記事より転載


詳細はまだ検討中だがワークショップや夜楽など
滞在型ならではの楽しい参加型のプログラムも予定
(現時点ではここまで)


アートインレジデンスとは

多様なジャンルのアーティストが宿泊滞在して
作品を制作することを「アートインレジデンス」と言い
世界各地のアートシーンの潮流となっているのは周知のとおり

農村舞台で「アートインレジデンス」と言うと
奇異に思われる方もいると思うが
芝居小屋などで旅役者が長期にわたって寝泊まりして
興行することと同じ

宿泊と稽古と興行が一つの建物(芝居小屋)で完結する
極めて合理的な合宿方式が「アートインレジデンス」と言えば
初めての方でも「な~んだ」そんなことかと
ご理解いただけるのではないか


怒田沢町諏訪神社の
農村舞台「宝栄座」(足助地区)



農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


紅葉の名勝「香嵐渓」から東北へ約7キロ
総人口38人、13世帯の山間の小さな集落の外れに
不思議な建物がある

隣接する奥三河の設楽町田峯観音農村舞台や
映画大鹿村騒動記で全国区になった大鹿村の農村舞台と同じように
楽屋が併設された廻り舞台のある本格的な地芝居の芝居小屋
怒田沢町諏訪神社農村舞台「宝栄座」である



農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


木村妙子著「怒田沢村物語」によると

建物は草葺き(昭和35年に屋根をトタンで覆う)入母屋造で
建てられたのは明治31年
大正11年に修理を加えて現在に至る

舞台を建てるにあたって
村役衆の「太くていい木を出した人は
いい役をつけるで出してくれ」という発案に
みんな競って家の山で一番いい太い木を寄付したというから
怒田沢町では古くから村芝居を興じる習わしがあって
本格的な地芝居ができる舞台の創建につながったのではないか

また「いい役はお金を沢山出せばやらしてもらえた」というから
好きこそものの上手なれ
怒田沢の人々の芝居好きは桁外れで豪快



農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


舞台の間口は10,92㍍、奥行7,35㍍
上手と下手に太夫座
舞台の両袖には幅2,7㍍、高さ1,84㍍の舞台面拡張の仕掛け
廻り舞台は独楽回し式で直径5,32㍍
花道は取り付け方式
地階には30畳敷の楽屋も



農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


舞台袖に掛けられた白い看板は
解散した名古屋の大須スーパー一座「ロック歌舞伎」のもの

「ロック歌舞伎」の若手の役者たちが「宝栄座」で合宿して
村人にお披露目の公演をしたというから
アートインレジテンスの先駆けで
さすがスーパー一座



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奈落と楽屋を結ぶ階段(舞台下手奥く)



農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


農村舞台アートプロジェクト2015の準備着々(3)


廻り舞台は大須スーパー一座「ロック歌舞伎」が使用して以来
動かしてないというがまだ十分使えそう

岐路にたつ「宝栄座」

ざっと怒田沢町諏訪神社農村舞台
「宝栄座」の成り立ちと舞台の概要を記したが
少子高齢化など時代の流れの中で
多くの農村舞台がその活動を停止したように
桁外れな芝居好きな人たちによって支えられた
「宝栄座」もまたその役割を終え
いま深い眠りにつこうとしているように見える

使わなければものは傷み力を失っていくのは自明の理で
農村舞台も例外ではない
大事に使えば力(パワースポット)もアップしていく

冒頭の見出しに
「アートインレジデンスの試行がスタート」と記したが
「試行」とあるように
舞台に限りない愛着と誇りをもつ
怒田沢の人たちの気持ちに沿いながら
手探りの中からのスタートである

決まっているのは
京都を拠点に国際的に活躍する舞踏家今貂子さんが
「宝栄座」に滞在して怒田沢の人たちや
地域のアーティストと交流しながら舞踏を制作し
お披露目するという枠組みだけ

「お金を沢山出せばいい役をやらしてもらえた」という
怒田沢の豪快な芝居好きのレジェンドが存命で
白塗りして舞台に上がったら奇跡だが
そんな楽しみは後日


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Posted by かとうさとる at 13:13 | Comments(0) | 農村舞台
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