2012年10月06日
今夜は小田木のお祭りで三番叟を飾る
人形にまつわる伝説
ある年のことだった。村祭りが近づいたので
三番叟に衣装を付け、竹を通して踊らせる稽古を行った。
ところが、稽古をすませて竹を抜こうとしたが
どうしても抜けない。
これはブクの者がいて触れたからだというので、
小田木川の清流で身を清め、
おそれかしこんで抜いたところ、やっとのことで抜けたという。
また、ある年の祭りに郷倉の二階で
ブクの男が酒に酔った勢いで三番叟を持ちあげたところ、
いきなり下まで転げ落ちたということである。
このようなことがあってから、
祭りには三番叟を飾る習わしになったが、
ある年、どうしたわけか、ついに祀ることを忘れてしまった。
すると、祭典の最中、急にあたりが暗くなり、雷鳴が激しくなって、
人々は生きた心地がなかったとのことである。(「小田木人形座」より)

こちらがその三番叟
(注釈)三番叟は昭和61年に修復

祭礼の準備のため飾られた三番叟と「文七」
夜のとばりが降りると山車が境内に引き入れられ
小田木は五穀豊穣を感謝する祭礼一色になるとのこと
みんなで飾り付け


「かとうさん、屋根が急だで、垂らすだけでいいよねえ」と山田さん
「いいよ」と私

「かとうさん、これでいいよね」と後藤さん
(注釈)
後藤さんは小田木人形座の家元をつとめた
馬宿「門屋」の現当主

「お祭りでこんなことしてバチがあたやへんかなぁ」
「いいじゃない、三番叟もよろこんどるぞ」
と祭礼の世話役
(何かあっても)みんなでやったから私は知らない
人形の公演は雨で流れてしまったが
反対をしていた地元に人形の復活に向けた流れが少しづつ
出てきたようで先ずは良しとしよう
Posted by かとうさとる at 20:47 | Comments(0) | 農村舞台