2011年12月26日

奥三河の「花祭り」考(2)










今年一番の寒波






明日の朝(26日)は一面銀世界になりそう
新聞配達の人はどうするのだろうか(感謝)




新たに島根県の「佐陀神能」と
広島県の「壬生の花田植」が
ユネスコの世界無形文化遺産に



さて、一カ月ほど前になるが
インドネシアのバリで開催されたユネスコ政府間委員会で
2011年世界無形文化遺産が発表され
日本からは
■「佐陀神能」(島根県)
■「壬生の花田植」(広島県)
の2件が登録された

政府は登録された2件のほか
■「男鹿のナマハゲ」(秋田県)
■「秩父祭りの屋台行事と神楽」(埼玉県)
■「本美濃和紙」(岐阜県)
■「高山祭りの屋台行事」(岐阜県)
の4件を提案していたが、既に登録済みの無形文化遺産と
類似しているとの理由でさし戻されため
情報を追加し再度申請するとのこと


世界無形文化遺産とは





新たに世界無形文化遺産に登録された「佐陀神能」(産経新聞配信コピー)


世界文化遺産が
歴史的な建造物や自然環境を対象としているのに対して
世界無形文化遺産は
人から人に伝えられる文化の保護を目的にした条約で06年に発効

今回の2件を加え国内の無形文化遺産は次の20件
■能楽(社団法人日本能楽協会)
■人形浄瑠璃文楽(人形浄瑠璃文楽座)
■歌舞伎(伝統的な演技演出様式によって上演される歌舞伎)
■雅楽(宮内庁式部職楽部)
■小千谷縮・越後上布(新潟県)
■石州半紙(島根県)
■日立風流物(茨城県)
■京都祇園祭の山鉾行事(京都府)
■甑島のトシドン(鹿児島県)
■奥能登あえのこと(石川県)
■早池峰神楽(岩手県)
■秋保の田植踊(宮城県)
■チャッキラコ(神奈川県)
■大日堂舞楽(秋田県)
■題目立(奈良県)
■アイヌ古式舞踊(北海道)
■組踊(沖縄県)
■結城紬(茨城県・栃木県)
■「佐陀神能」(島根県)
■「壬生の花田植」(広島県)


世界無形文化遺産に向けて
動き出した花祭り



では登録の手順はどうなっているのか
政府がユネスコに申請した事例をネットで検索してみると
文化財保護法で指定された「重要無形文化財」「重要民俗文化財」
「選定保存技術」の内から指定年度の古い順に申請しているようだ






世界文化遺産に向けた動きを報じた朝日新聞(2010年9月26日)


ちなみに、花祭りは制定初年度の昭和51年(1976)に指定を受けている
既に同期(?)に指定された神楽4件の内
早池峰神楽(岩手県)と佐陀神能(島根県)の2件が登録され
残るは鷲宮催馬楽神楽(埼玉)と花祭りの2件のみ
この慣例に従えば数年先には朗報が期待できるのではないか






花祭りのシンポジウムを報じた朝日新聞(2011年1月22日)






花祭り存続の危機を訴えた中日新聞(ニュースを問う」(2011年3月6日)


問題は過疎化による後継者不足など
世界無形文化遺産で解決できないことが多いこと
しかもだれもその処方箋をもっていないこと(残念ながら私も)

無形文化遺産の登録方法は「代表リスト」と
存続が危ぶまれる「緊急リスト」の二つに分けられいているが
政府は代表リストのみで緊急リストはあげていない

見て見ぬふりを決めているが
花祭りは代表リストではなく緊急リストにあげて
処方箋を急ぐべきではないか
  


Posted by かとうさとる at 02:10 | Comments(0) | らくがき帖