2009年09月15日
イタリアの職人の風を運ぶ 切り絵師・瞬寛
池坊展の最終日に足を運ぶ
天皇陛下御即位20年、天皇皇后両陛下御結婚満50周年を記念した池坊展の最終日に足を運んだが、芋を洗う混雑に早々に退散。足が止まったのは二代目池坊専好の立花の再現を競った役員席で、伝統の強みを実感。同時に親しくさせていただいてきた先達の「花」の老いに、わが身の明日を重ねて複雑系の寂しさも。

池坊というと伝統の継承というイメージがあるが、いけばな界で最も革新的な展開をしているのが池坊で、好き嫌いは抜きにしてまさに一人勝ち。写真は鏡面ガラスでディスプレーした華道家元四十五世池坊専永の大作。
切り絵師・俊寛展
-イタリアの風景と職人たち-
会期:9月30日(水)~10月6日(火)
会場:銀座松坂屋別館4階美術画廊
切り絵師・俊寛が、銀座松坂屋で個展を開催する。俊寛との出会いは、8年ほど前、フィレンツェでイタリアンワインのソムリエとして活躍している亀山絵美さんの家に招かれたとき、紹介されたのが最初で、翌日「僕の絵を見て欲しい」と作品を持参した。
正直に白状すると、切り絵という先入観と年齢が若いことなど、少し見くびっていたが、一目見て絶句。気の遠くなるような作業と超絶技巧、イタリアの職人たちによせる暖かい眼差し。思わず俊寛の顔を見てしまった。フィレンツェの名家コルシー二家の宮殿で毎年5月に開かれている職人展で優勝するなど、新進切り絵師として実力は折り紙つき。他に比類のない俊寛の世界を是非お薦めしたい。

「フィレンツェの風景 シニョーリア広場」 500×1000mm

「オーバーホール」 600×800mm

「最後の儀式」 800×600mm

名古屋の個展を紹介した朝日新聞記事(参考)

名古屋の個展を紹介した朝日新聞記事(参考)
Posted by かとうさとる at 04:36 | Comments(0) | インフォメーション