2013年03月20日

Fの会から見えた現代いけばなの現在




3月19日(火) 
「Fの会」の打合せのため
新幹線に乗った
「Fの会」は東京を中心に活動する現代いけばなの作家集団


Fの会から見えた現代いけばなの現在


手前、粕谷明弘さん(一葉式いけばな家元/公益財団法人日本いけばな芸術協会副理事長)
奥、下田尚利さん(大和花道家元)



この日の議題は二つ
■大地の芸術祭関連「蓬平いけばなの家」の常設化の最終結論
■書籍「(仮称)下田尚利と現代いけばなの時代」の刊行計画


結論のみ簡単に記すと

「蓬平いけばなの家」の常設化

「蓬平いけばなの家」の常設化に向けて
北川フラムさんと「Fの会」で協議を重ねてきたが
一旦白紙に戻すことで最終決定

二枚の写真の表情からこの決定が議論に議論を重ねた
苦渋の選択だったことを理解いただけるのではないか
(私はいつも「Fの会」の協議を小田原評定と揶揄してきたが前言撤回)

常設化については半ば私が主導してきたようなもので
空に浮かんだ大きな風船がパチンと音を立てて
破れたような寂しさが半分
いろんな意味で安堵感が半分で結論は複雑系



Fの会から見えた現代いけばなの現在


左から長井理一さん(古流松藤会)、早川尚洞さん(清風瓶華家元)
日向洋一さん(草月流)、大塚理司さん(古流かたばみ会家元)



書籍の刊行について

いけばなの歴史は伝統の改革の歴史で
「現代いけばな」は二代目池坊専好、大住院以信らが活躍した
江戸初期の立華爛熟期に匹敵する伝統の創造と確信しているが
残念ながらいけばな界にその認識はない

これは単にいけばな界の損失だけではなく日本文化の損失だが
声を大にしても「おかしいことを言っている」と無視されるのがオチ

有名人を価値観と勘違いしている社会では何を言っても無駄だが
現代いけばなを「史」として証明できるものを後世に残すのは
関わった人間の責任




Fの会から見えた現代いけばなの現在


越後妻有アートトリエンナーレ2006小白倉いけばな美術館より下田尚利「風の栖」


私が提案した「(仮称)下田尚利と現代いけばなの時代」は
戦後の前衛いけばなの時代から現代いけばなの時代の二つを
文化人としていけばな作家として牽引
いまなお第一線で活躍している下田尚利さんの世界をとおして
こうした現代いけばなの現在を検証しようというもの

蓬平いけばなの家の常設化が白紙に戻って安堵したと言ったのは
この仕事の重要性と大変さを痛感していたからだと思う

「いけばなの批評」編集同人の内
工藤昌伸、重森弘淹、北条明直は既に他界
山根有三、勅使河原宏、先代千羽理芳、中川幸夫も相次いで他界

編集方針については概ねのコンセンサスをえたが
具体的な内容についてはまだ不確定要素も多く
端緒についたばかりだが下田先生が健在のいまが最後のワンチャンス

私にとっても下田先生、工藤先生などお世話になった多くの人たちへ
恩返しができる最後のワンチャンス
ここはやるしかない












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Posted by かとうさとる at 15:44 | Comments(0) | いけばなから
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