2012年07月06日
豊田市美術館でカルペ・ディエム
希望という未来に漕ぎだす
カルペ・ディエム
-花として今日を生きる-
豊田市美術館で
カルペ・ディエム-花として今日を生きる-が開催されている
タイトルの説明は付け焼刃になるため簡単にすると
古代ローマの詩人ホ―ラティウスの有名な句「カルペ・ディエム」から
「限りある今日の一日を花を摘むように真摯に生きよ」という意味
日本語で言えば「一期一会」だが、「カルペ・ディエム」とすることで
人間の「生」の世界がゆるやかに広がっていくように感じるから
言葉(イメージ)は不思議だ
日経新聞、テレビ朝日、テレビ愛知などメディアのバックアップも万全
展覧会がはじまったばかりというのに
新日曜美術館のアートシーンでとりあげられるなど話題沸騰

女優の坂井真紀をモデルにしたこの作品は
「理想の死について深く考えることは、自分の理想の生き方を考えることにつながる」
という伊島薫のメッセージ
本展では小原の四季桜に包まれて浮遊するスーパーモデルなど
寺山修司の世界を連想させる巨大な作品も
カルペ・ディエム
-花として今日を生きる-
花をモチーフにした現代作家12名の
絵画、写真、映像、インスタレーションを
1章「プロローグ カルペ・ディエム」
2章「花を摘む」
3章「枯れゆく花を見つめる」
4章「エピローグ 今日を生きる」
に分けて構成
12人の作家が「花」を切り口に「命」を見つめる展観は
先の東日本大震災の現実と重なり
次第に足取りが重くなるが「カルペ・ディエム」
「今を生きよう」と人間讃歌の気持ちが沸いてくるから不思議
世阿弥は能の奥義を花にたとえて「風姿花伝」を著したが
花は人、いまアートは何ができて、何をすべきか
全国のアートファン必見の企画展でお薦め!

展覧会の正面を飾ったクリムトの《オゲイニア・プリマフェージの肖像》
意表をつく導入で一瞬とまどったが、波乱のカルペ・ディエムを予感させるに十分
余談にそれるがクリムト作品はオーストリア政府が国外持ち出しを禁止しているため
日本で観られるのは豊田市美術館の《オゲイニア・プリマフェージの肖像》と
愛知県美術館の《人生は戦いなり(黄金の騎士)》の2点のみ
■出品作家
荒木経惟/イケムラレイコ/伊島 薫/河原 温/鬼頭健吾/栗田宏一
福田美蘭/福永恵美/中川幸夫/宮島達男/渡辺 豪/ノット・ヴィタル
■会期
2012年9月23日(日)まで
■アクセスと問合せはこちら


Posted by かとうさとる at 21:35 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー