2013年03月25日
この国はどこに向かって行こうとしているのか
気になるニュース

2013年3月24日朝日新聞より転載
小林多喜ニの「蟹工船」と
「追い出し部屋」はどこが違うの?
家電大手が赤字から黒字に転じた手品の種が
人員整理による経費削減だったという話は枚挙にいとまがないが
一流企業が仕事を与えずに退職に追い込む
「追い出し部屋」のニュースは絶句
この「追い出し部屋」について争われたのがベネッセ訴訟で
昨年8月29日、東京地裁立川支部は人事権の裁量範囲を逸脱と判決
ベネッセは敗訴を認め和解しているため後追いはしないが
現代版「蟹工船」としか思えない「追い出し部屋」の実態について
厚労省も朝日を除く大手メディアも腰が引けているのは不思議
この国は
どこへ向かおうとしているのか
真偽のほどは知らないがニュースによれば
アベノミクスに浮かれている安倍政権の産業競争力会議で
再就職支援金を払えば原則自由に解雇できる制度をつくろう
と、民間委員が提案したというから狂っている
バルブの崩壊、アメリカのリ―マンショックによる金融破綻のとき
モラルハザードが原因と行き過ぎた市場経済主義を諫めたのは
昨日のこと
喉もと過ぎれば熱さ忘れるというが
「諫める」という最低限のブレーキを外したこの国は
どこへ向かおうとしているのか
職業倫理は絶滅種でいいのか

バルブの崩壊やリ―マンショックのとき
私たちの社会はモラルハザードを失敗学にする知恵や
鈴木正三や石田梅岩の職業倫理に
耳を傾ける謙虚さをもっていた
残念ながら「失われた20年」の反動から
職業倫理と言っても勝てば官軍が横行
未だ出口の見えないフクシマも根は同じ
もう一度、先賢の言葉に耳を傾けるべきではないか
Posted by かとうさとる at 20:40 | Comments(0) | らくがき帖