2013年05月26日
常滑の吉川正道さんの工房探訪
吉川正道展
■会期:6月12日(水)→18日(水)
■会場:日本橋高島屋6階美術画廊
名古屋芸術大学教授をつとめる吉川正道さんは
現代の陶芸界を代表する一人で
名古屋国際空港のランドマークとしてエントランスに設置した
青磁の陶壁や球体を制作した作者と言えば
納得していただけるのではないか。
吉川正道さんの工房探訪
吉川さんとは30年来のお付き合いで
25日(日)常滑市原松町にある吉川正道さんの工房を訪ねた(写真)
吉川さんの工房は千客万来で
この日も仙台の「風の沢ギャラリー」の人たちが
訪ねてきていた
お客さんが帰ったあとお茶でくつろぐ
吉川正道さん(右)と奥さんの吉川千香子さん(左)
千香子さんも人気陶芸家の一人で
作家としては理想的な関係で羨ましい
前置きはこのぐらいにして
吉川さんの工房を探索
駐車場の隅に放置?されていたジャンボな「だんご」
後ろの建物は、吉川さんが大きい作品の保管場所として借りているもの
「だんご」は一般的には「球体」とよばれているようだが
吉川さんも「だんご」で納得
この作品は焼成中に亀裂が入ったとのことだが
焼き物の神さまがくれたご褒美で
空気感は他に比類がなく絶妙
「だんご」置場の内部
常滑はレトロな焼き物の匂い
秘色焼きは草月、池坊、小原など
各流派の指定花器を扱うなど常滑を代表する窯元の一つ
先年惜しまれながら窯を閉じたが
良質で安価な花器を提供する窯元の廃業は残念
写真の建物は旧の秘色焼きの工場で
常滑市内にはこうした廃業した窯場や土管工場が多い
見方を変えれば景観を含めて全てが文化資源で
吉川正道さんが神奈川県の茅ヶ崎市から
千香子さんが北海道から常滑に移り住んだように
多くのアーティストやクリエイタ―たちが
常滑に魅せられるのも納得
あとでもう一つサプライズがあるが
工事中の吉川正道さんの新しい工房
広さに思わずポカーン
こちらは廃業した窯場を転用したSABAIというブティック
店内はこんな感じでオシャレ
左から二人目は東京の青山で名の通ったギャラリーの奥さんとのことで
紹介されたがみんな個性的でオンナの時代を痛感
えっ!山海にも工房があるの
ウソでしょう
知多半島山海海水浴場
山海の工房では窯焚きの最中で
聞かなかったが日本橋高島屋の作品ではないか
吉川正道さんと
千香子さんに感謝
「かとうさん、僕の夢はね
テイトモダンの大空間に作品を設置すること」と吉川さん
8m近い焼き物というから
実現すれば世界最大の焼き物になるはず
夢物語でも夢は楽しい
ごちそうになった寿司もネタが新鮮で
千香子さんから手土産にいただいたアサリは
ハマグリ並みの大きさで身もプチプチ
帰り際、庭に置かれていた青磁の盤を
「もの欲しげ」に見ていたら
「よかったら使ってよ」と吉川さん
欲しいときは素直に顔に出してみるもの(笑い)
余談に逸れるが
最後になる予感
越後妻有アートトリエンナーレ2012に出品した
私の作品「妻有で座敷ワラシ」
作品の撤去のため朝イチで新潟に走るが
独りで立ち向かうにはいろんな意味でそろそろ限界
三省ハウスや美味しい「へぎ蕎麦」に
亡くなった妻が喜んだ津南のカサブランカ
「越後妻有」もこれが最後になる予感
あとは事故のないように願うだけ
Posted by かとうさとる at 02:26 | Comments(0) | アートの現在