2010年09月29日

農村舞台プロジェクト(23)本番はこれから


農村舞台アートプロジェクトが終わった





月曜日から始めた作品の撤収も終わった。
最後に舞台の掃除をして神社にお礼のご挨拶をしたが
ある意味で本番はこれから。
  


Posted by かとうさとる at 22:10 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月23日

雨あがる


まもなく妻の4回目の月命日がやってくるが
未だ夢を見ているようでその境目がわからない。

いま進行している農村舞台アートプロジェクトも
夢の続きを見ているようでわからない。

幸い雨もあがったようで
明日はススキを活けてみようと思う。





美術館のテラスから北の空を見る






美術館のテラスから西の空を見る
  


Posted by かとうさとる at 22:01 | Comments(0) | らくがき帖

2010年09月21日

農村舞台プロジェクト(22)最後の公開制作


農村舞台アートプロジェクトも
いよいよラストウィーク


8月29日(日)のオープニング前夜祭で開幕した農村舞台アートプロジェクトも、19日(日)には最後の公開制作が行われ、いよいよラストウイーク。





19日(日)、旧小原地区の大坂町熊野神社農村舞台で開催中の加納恒さんと登茂美さんの「風のギャラリー」に立ち寄ると、地元の人たちがお汁粉でおもてなし。うどん粉(小麦粉)の玉が入った懐かしい味に思わず「お代わり」と私。「もう一杯どうだん」とオバサン連。「ありがとう」と応えると、以心伝心でみんな大笑い。


加納恒さんと登茂美さんの
風のギャラリー閉幕


 



文化11年に建てられた大坂町熊野神社農村舞台に挑んだのは
小原和紙の加納恒さんと登茂美さんのご夫妻。





年代物の美濃和紙と手漉きの小原和紙で空間をドローイング





芙蓉の花を散華した「風のギャラリー」は
この日、陽が傾くと静かに幕を閉じたそうです。
お汁粉ご馳走様でした。


ライブプロジェクト
最後の公開制作は
いけばなの鈴木真幸登さん






寛政10年に建てられた西広瀬町の八釼神社農村舞台に挑んだのは、華道連盟理事長の鈴木真幸登さん。連盟の役員さんがお手伝いにかけつけたり、地元の人がお茶を運んだりと賑やか。





ちなみに鈴木さんは真言宗のお寺の住職で、話を聞くと「ここはみんな僕のお客さんだもん」と胸をはったが、背中は正直。





農村舞台でお月見はいかが

大阪から友人の松井清志さんもかけつけて「献華|祝月」の完成
会期もお彼岸の入りから明けまでお彼岸ウイーク
もしかしたらお月見のお団子の用意をしているかも…
  


Posted by かとうさとる at 21:16 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月19日

あいちトリエンナーレ見て歩き(1)予告編







あいちトリエンナーレに足を運んだ


瀬戸内国際芸術祭に話題が集中しているようだが、いま名古屋で日本最大規模の国際展「あいちトリエンナーレ」が開催されている。「都市の祝祭」をテーマにしたこのトリエンナーレは、先端的な現代美術展に、演劇、オペラ、身体表現などのパフォーミングアートを加えた複合トリエンナーレが特徴で、24の国・地域から131組が参加。

都市の祝祭を標榜しているように、愛知文化芸術センター、名古屋市美術館、繊維問屋街の長者町会場、堀川沿いの納屋橋会場の四カ所を主会場に、開府400年で沸く名古屋城、オアシス21、大須商店街、マニアックな演劇ファンが支える七ツ寺共同スタジオなど、文字通り名古屋をアートで祝祭化しようというもの。加えて市内のコンテンポラリー系のギャラリーが競っているため、アートファンは見て歩くだけでも大変。

そんなわけで、足を運んだといっても農村舞台の合間に様子見をした程度で、見たうちに入らないが、先ずはその印象を予告代わりに。

祭神になった草間弥生ブランド





ポスター、チラシと あいちトリエンナーレは草間弥生一色





「まち歩きマップ」はトリエンナーレが終わったあとも使えるため
余分にもらった方がお得。





チケットはフリーパスがお薦め



あれもこれも目移りして大変!





街の中でこんな乗り物を見つけた。
ベロタクシーというそうだが会場移動に乗ってみるのもいいかも。





草間弥生祭神説を象徴するのがメイン会場の愛知芸術文化センター2F正面こ安置されたこのプリウス。ベロタクシーと同じで、会場移動のアクセスとして予約すれば、誰でも乗車ができるとのこと。





笑ってしまったのがこの街宣車。
河村たかし市長が主導する市議会のリコール運動らしいが
中を覗くと大音量のテープがエンドレスで回っているだけで無人。
吉本新喜劇よりもリアルで面白いが、これでいいのかな。





こちらは「国連生きもの地球会議(COP10)」の開催をPRする屋台村
中身は農産物の市で、もうなんでもあり。





名古屋のランドマークの一つが、水を張った大屋根「水の宇宙船」が話題のオアシス21。こんな名物空間を支配できるのはやはり草間ブランドの威力。よく見ると動いているようで子どもたちが喜んでいた。年をとると子どもに還るというが、カーニバルだからまあいいか。


やっぱりアートは理屈がないのがいい

メーン会場の愛知芸術文化センターの吹き抜けの空間に設置された
松井紫朗の巨大なオブジェ。タイトルは「CHANNEL」(水路、経路の意)。
ポリエステルの生地を風船状に張り合わせたもので、
アートは精神の解放で理屈ではないと、納得。












今回の見て歩きはここまで

まだ農村舞台が残っているため本格的な見て歩きは10月に入ってからになるが、愛知県美術館の展示も大胆なレイアウトで目から鱗。中でも蔡国強は、ある程度は想像していたが、予測を超えるスケールと存在感で圧巻。

あいちトリエンナーレについては私も雑音を発したが、まさに百聞は一見にしかずで、反省。アートはどこまで、なぜ巨大化するのか。次回はそんな視点で歩いてみようと思っているが、先ずは予告編としてご容赦を。

あいちトリエンナーレは
10月31日(日)まで


  


Posted by かとうさとる at 02:10 | Comments(0) | トリエンナーレ

2010年09月17日

甦る自由の思想家 鈴木正三


鈴木正三と恩真寺

私は幸運にも仕事をとおして多くのことを学ぶことができた。
郷土の偉人で、江戸時代初期に活躍した日本の近代思想の扉をひらいた仏教思想家鈴木正三の顕彰・研究活動もその一つ。鈴木正三研究会の常任理事の末席を汚したが、当時(財)豊田市文化振興財団文化部長の職にあったため、普及活動のマネージメントを委ねられたもので、学ぶ機会を与えられた職に今も感謝している。




2004年3月 恩真寺に白梅を活ける

鈴木正三について、亡くなった作家の山本七平は
「正三は日本の近代化に最も大きな影響を与えた思想家であり、その点では、日本の近代化による世界への影響を通じて、世界に最も大きな影響を与えた日本人ということができる。」と述べている。

この鈴木正三が開いたのが市内山中町の恩真寺で、境内には正三の墓のほか見事な梅林があり、早春の恩真寺は全山匂う盛りだ。写真の白梅は作品集のため恩真寺に活けたもので、見届けた人はバイオリストの遠藤和さんと写真家の石田真典さんの二人。白梅は数時間で消滅した。


鈴木正三と仮名草子作家





恩真寺は、別冊太陽「禅」(昭和56年発行)で<勇猛果敢な仁王禅を唱えた恩真寺>として紹介されているが、発行当時、正三の全体像を知る人は地元はもとより、亡くなった哲学者で文化勲章を受章した中村元先生、仏教学者古田紹欽先生など研究者を除いて稀というのが実情だった。




恩真寺参道(石平山山中)に遺る正三座禅石

当時の事情について、正三研究の集大成となる
「鈴木正三全集(上下二巻)」を著した神谷満雄先生は
<鈴木正三は、従来、仮名草子作家として、文学史上にその名を残してきた。しかしこれは正三の残した仕事のごく一部の評価であって、正三に仮名草子作家という肩書をつけることは、正三像をミスリードする危険が大きい>と指摘。正三の行業が文学、宗教、「天草の乱」後の天草復興など多岐にわたっているため、全体像の把握が困難だったことを原因の一つに挙げた。


鈴木正三入門のお薦め選書





PHP文庫鈴木正三(定価762円)

本書は鈴木正三研究会長として鈴木正三研究を主導した神谷満雄先生が、いつでも、だれでも、気軽に読むことができる鈴木正三入門書として著したもので、お薦め。

著者の神谷満雄先生は東海銀行取締役調査部長。日本拓殖大学教授を経て、同大客員員教授、経済博士。鈴木正三研究が「鈴木正三全集(上下二巻)」として結実したのも神谷先生の博識と徳のなせるもので、神谷先生の薫陶を受けた幸運を感謝。





今日9月17日初版の新刊(鳥影社)
甦る自由の思想家鈴木正三(定価1800円)


鈴木正三研究で特筆すべきことは、正三が日本で初めて職業倫理を記述したことから、アナリストをはじめ研究者のジャンルが多岐にわたることで、本書の著者もその一人。

著者の森和朗氏は、NHKで「NC9(ニュースセンター9時)」、「ニュース展望」、「NHKジャーナル」など報道番組の制作を担当。国際局チーフディレクターを経て、日本大学芸術学部文芸学科講師。

著者の経歴が示すように、本書はアメリカのサブプライムローンに象徴されるヨーロッパ的自由と現実をリアルタイムで見届けてきた著者が、
真の自由とは何か、鈴木正三の思想をテキストに解き明かしたもので、
参考までに目次を記すと

はじめに いまなぜ正三なのか
第一章 正三とは何者なのか
第二章 正三にとって自由とは何であったのか
    Ⅰ日本人にとっての自由
    Ⅱ正三にとっての自由
第三章 自由をどのように実践するか
第四章 キリシタンとの対決
第五章 仁王禅と死への自由
第六章 正三の自由はなぜ忘れられたか
第七章 ヨーロッパ的自由を超えて 

と、時宣を得たもの。
展開も茶の間でNHKジャーナルを聴いているように簡潔で
正三を知っている人にはより深く
初めて知る人にはわかりやすく
神谷満雄先生のPHP文庫とセットでお薦め。

  


Posted by かとうさとる at 00:21 | Comments(0) | とよたの文化

2010年09月14日

農村舞台プロジェクト(21)第三クルー公開中


週末は三河路の散策を兼ねて
是非お出かけを


矢作川の各ヤナでは落鮎のシーズンに入り、塩焼きに舌鼓を打つ人も多く、三河路にもようやく秋の気配が漂い始めた。8月末に幕開けした農村舞台アートプロジェクトも第三クルーに突入。週末にはジャズライブと恵那文楽の上演の予定もあり、三河路の散策を兼ねて是非お出かけください。みなさまとお会いできることを楽しみにしています。


<公開中のアートプロジェクト>

加納恒と登茂美の風のギャラリー






小原和紙に新たな世界を拓く加納恒さんと登茂美さんによるユニークな空間展示。14日にはミュージシャンによるライブも行われた。
期間/9月19日(日)夜明けから日没まで
会場/大坂町熊野神社農村舞台(旧小原地区)


中根栄二×中根理「つながりの間」






過去と現在と未来をつなぐ記憶の回廊(?)を設置した
中根栄二さんと中根理さん。夜のとばりがおりた
「つながりの間」を見てみたい気もするが、少し怖そう。
期間/9月26日(日)夜明けから日没まで
会場/細田町細田神社農村舞台(旧足助地区)


伊丹靖夫と野入の人たち



野入の人たちと協働制作



元気印のラウンドマークのようなインスタレーション

期間/9月26日(日)夜明けから日没まで(予定)
会場/野入町神明神社農村舞台(旧稲武地区)


かとうさとる|農村舞台で豊年祀り






菰200枚と荒縄によるインスタレーション

期間/9月26日(日)夜明けから日没まで
会場/深見町磯崎神社農村舞台(旧藤岡地区)


<週末予定のライブプロジェクト>

夢渡野ジャズライブ

名古屋で活動するジャズメンによる地域おこしのライブ
近くにヤナや笹戸温泉もあり秋の味覚とライブをセットでお薦め
期間/9月18日(土)18時開演
入場/無料
会場/小渡町神明神社農村舞台(旧旭地区)


恵那文楽上演



岐阜県無形文化財の恵那文楽の上演

期間/9月19日(日)18時半開演
入場/前売1,000円(当日1,300円)
会場/小原町賀茂原神社農村舞台(旧小原地区)

<問合せ>
財団法人豊田市文化振興財団文化部℡0565-31-8804












  


Posted by かとうさとる at 19:28 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月13日

農村舞台プロジェクト(20)ひと足早く公開制作


子どもたちの驚く顔が楽しみ

「阿蔵の舞台が祭礼道具の倉庫代わりになっていて
子どもたちでは無理」とのことで、昨日は終日、
阿蔵の須賀神社で石川泰弘先生の手伝い。





雨戸(?)を外すのにも一難儀
祭礼道具も重くて動かすのに大変





天井に吊るされているのは
市指定の「阿蔵念仏踊り」で使用する締太鼓
「誰が天井にあがるだん」と鈴木クン
「そんなの決まっとるじゃん!
さとるさんに責任をとってもらわな」と石川先生
オイオイ私を殺す気かよ!

子どもたちの驚く顔が楽しみ





子どもたちと協働制作した布のドローイングが
石川先生の手でユニークな空間造形に変身。
私の手伝いはここまで。
帰路、民家の軒先で「新米あります」の看板を見つけて寄り道
まだ精米してないが楽しみ。

この作品は、当初「石川泰弘先生の課外授業」として予定されていたが
こんな事情で「石川先生と子どもたちの協働」に変更。
最終クルーの次週公開されるが子どもたちの驚く顔が楽しみ。




  


Posted by かとうさとる at 02:12 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月12日

身体の芯に力が入らない


今日はヒヤリハットの連続

元NHK国際局チーフディレクターの森和朗さんから
<甦るよ自由の思想家 鈴木正三>の贈呈。

残念ながら今は身体の芯に力が入らないため、
内容については後日ということで、ご容赦を。





身体がだるく農村舞台回りを中止
道路の脇に車を止めたが今日はヒヤリハットの連続
写真は旧旭町池島地区の矢作川





夕焼け小焼けで日が暮れて  


Posted by かとうさとる at 03:39 | Comments(0) | らくがき帖

2010年09月09日

農村舞台プロジェクト(19)公開作品の安全確認


風で菰が数枚落ちていたが
大過なく一安心


関東甲信で記録的大雨とのことで憚られるが、
台風9号は東海地方に恵みの雨をもたらしたようだ。
それでも作品が心配になって公開中の舞台を見てまわった。





先ずは近場の私の作品
風で菰が数枚落ちていたが大過なく一安心


公開作品の安全確認のため
雨の飯田街道を北上


むかし、私たちは主要道をみんな○○街道とよんでいた。
古い町名と同じで、街道名を聞けば道路の役割がひと目でわかった。
国道153号線は、尾張と三河と信州をむすぶことから
飯田街道(信州では三州街道)とよんでいた。
古くは、この道を通って三河湾の塩が中馬の背で運ばれたことから
塩の道、中馬街道、また信濃の善光寺に通じることから
善光寺街道ともよばれ、親しまれてきた。
農村舞台の多くもこうした道の文化の一つとして発展したもの。
飯田街道は農山村の民俗文化の宝庫で興味は尽きない。




地図は柄澤照文さんの「塩の道旅日記」より転載



柄澤さんは塩の道や江戸時代の先人の足跡を訪ねて
スケッチ旅をしたり、全国各地の町並みや農山村風景などを
描いているペン画家。発行は樹林舎で、
塩の道の副読本としてお薦め。





余談に逸れたが、伊勢神トンネル付近は靄で視界がゼロ
トンネルを抜けると足助側の靄が嘘のように視界良好
写真は小田木あたりから見た稲武の集落





作家には申し訳ないが
今日(8日)は時間の縛りがないため飯田街道を散策しながら北上





地蔵峠の旧道
この峠を越えると今回の舞台の一つの野入
神社に着くと伊丹靖夫さんが作品のメンテを終えたところ
「もう大丈夫」とのことでひと安心。





ここまで来て引き返す手はない。
長野県境近くで杣路峠の遺跡案内板を見つけた





杣路峠に向かう中馬街道





長野県境の大野瀬付近の飯田街道(国道153号線)





旧道を発見してまた寄り道





台風9号で増水した矢作川(根羽川)
まさに恵みの雨(長野県境は数キロ上流)

Uターンして
足助の細田神社の農村舞台へ


雨戸が閉められていて舞台の条件の隔たりに言葉を失う。
阿蔵の須賀神社も同様の問題で作家を悩ましているが
プロデューサーとして迂闊。(次回の反省)




  


Posted by かとうさとる at 02:23 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月08日

ナラ枯れ前線東進中









今日は白露

白露は二十四節季の一つで、草花に朝露がつくようになることから
名づけられそうだが、昔の人の観察力に脱帽!

そこで脱帽ニ題

脱帽と言えば、「-高齢化社会を迎え、社会は老いと障害の現実に直面することになる。しかしながらアートの現実は相変わらず自己中心的な表現に止まっている-」と「日々是美術批評」に記した美術評論家の鈴木敏春(NPO法人愛知アートコレクティブ代表)さんに脱帽。

ナラ枯れ前線東進中





北岡明彦さんの説明を聞いて
眼から鱗


もう一つ脱帽したのが上の写真の「ナラ枯れ」を調査しているという豊田市森林課の北岡明彦さん。「ナラ枯れ」というのは、ミズナラ、コナラ、アベマキなどの里山の樹木が紅葉したように枯れていく現象で、私は全国各地で松を枯らしたマツクイムシを思い出して心配していたが、北岡明彦さんの説明を聞いて眼から鱗。

(以下は矢作新報の取材記事から転載)
「ナラ枯れを大きな問題とは考えていません。逆に順調に植生遷移が進んでいると言えると思います。森の800年の歴史の中でマツが枯れ、ナラ類が枯れていくのは自然現象の一つなんです。カシノナガキクイムシ(ナラ枯れの犯人)の防除方法も開発されていますが、人間が自然現象に立ち向かっても止められるものでもないし、多額の税金を投入して駆除すべきものではないと思います」と北岡さん。

「地域づくりで里山整備に汗を流している人たちにしてみれば大問題」と突っ込む記者に対して、「それで薬剤散布をするのは本末転倒だと思います。カシノナガキクイムシは、もともと日本にいた虫で、生態系の中に位置づけられているんですから」と平然。

まだまだ私は甘い


  


Posted by かとうさとる at 03:24 | Comments(0) | らくがき帖

2010年09月07日

初めてリニモに乗った


名鉄豊田新線が開通するまで
豊田市は陸の孤島だった


数十年前まで、豊田市から名古屋に出かける方法は、名鉄三河線知立駅で名鉄本線に乗り換えるしかなく、所要時間も最短で1時間余と大変だった。特に三河線は単線の各駅停車でトヨタ自動車に就職した都会の学生が、イメージとの落差に落涙したというエピソードも。

そんなわけで、市民の長年の夢は名古屋の地下鉄を豊田市まで延伸させることで、1979年地下鉄と相互乗換の豊田新線が開通したときは、みんな小躍りしたことを覚えている。

愛知万博の置き土産

もうひとつの悲願は地下鉄東山線の豊田市北部への延伸で、こちらは夢のまた夢と誰もがあきらめていた。そんなとき名古屋の東部丘陵地帯で愛知万博の開催が決定。そのアクセスとして地下鉄東山線の終点藤が丘駅と豊田市の愛環八草駅間8.9㎞を約17分で結ぶという新線構想が浮上。しかも日本初の常電導磁気浮上式リニアモーターカーという夢のような話。

愛知万博で豊田市は東海環状道路が開通。インターも6カ所になり、市内のどこからも高速に入れるというハイウェーネットワークを手にした。その上にリニアモーターカーの乗り入れと、万博特需に沸いた。

あれから6年が過ぎた。いま愛知はポスト万博の「あいちトリエンナーレ」が開催され、また夢の続きを追っている。





ちなみに八草駅は私の家から車で15分ほど。パークアイランド方式で駅の構内には無料の駐車場もあって利用しない手はない-はずなのに、私はリニモに乗ったことがない。今日(6日)そのリニモに初めて乗った。


リニモを足助まで延伸すれば
一石二鳥以上の効果間違いなし!






リニモはリニアモーターカーの略で、2005年愛知万博の開幕にあわせて開業。ご覧のようにレールがない。自動運転のため運転手もいない。浮上して走行するため、騒音や振動が小さく快適。しかも高架上を走行するため眺めは最高。2005年グッドデザイン賞、2006年ローレル賞日本鉄道技術賞を受賞しているように、鉄道車両としても折り紙つき。





車両のシートも最高!
問題は乗客が少ないこと。

初めて乗った私が言っても説得力がないが、
初春の中馬のお雛様、春のカタクリの花と桜、夏のたんころりん、秋の紅葉と観光客の絶えることのない足助の香嵐渓まで延伸すれば、赤字解消、渋滞解消、限界集落の解消と一石二鳥以上の効果は間違いない。





リニモは未来への贈り物で、東部丘陵はいまも緑がいっぱい。





車窓から見た愛・地球博記念公園


名古屋の用件は疲れただけで割愛
この日の収穫はリニモの初体験
それだけで十分







  


Posted by かとうさとる at 02:01 | Comments(0) | らくがき帖

2010年09月06日

農村舞台プロジェクト(18)至福な宵に感謝!


今日から第二クルー

農村舞台アートプロジェクトも今日から第二クルー。
そんなわけで昨日(5日)は、名古屋テレビの取材に同行。
公開制作の現場を見て回った。

それにしても豊田市は広い。
行けども行けども山、また山。その山と山の間を川のように流れていく国道153号線を北に向かってひたすら走ること小1時間。長野県境にあるお目当ての旧稲武地区の野入町に到着。


協働制作
伊丹靖夫と野入の人たち






集落には「子どもが一人もいない」と聞いていたが
野入のオジサンたちはみんな元気がいい。
「もっと沢山いたけど、あんたらア遅いから、
みんな帰っちゃったよ」と伊丹靖夫さん。





名古屋テレビの取材を受ける伊丹靖夫さん(右)
野入の農村舞台は拝殿兼用型というよりも社務所兼用型のユニークな舞台で仕事は難しそう。伊丹さんはこれを逆手にとって雨戸を閉めたまま、二つのぞき窓を取り付けた。後は見てのお楽しみ。





元気印のラウンドマークのようなインスタレーション


公開制作
中根栄二×中根理「つながりの間」






旧足助地区の細田町は17世帯ほどの小さな集落で
時間が止まっているよう。アートが舞台と集落の人たちを
どのような記憶の糸でつなぐか楽しみ。


ストリーテリング

ストリーテリング二日目は
貞観杉で知られる旭地区杉本の神明神社





国の天然記念物貞観杉





泉鏡花の「夜叉ヶ池」を
趙博さんとのコラボレーションで語る古屋和子さん。
至福な宵に感謝!



  


Posted by かとうさとる at 03:37 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月05日

農村舞台プロジェクト(17)ライブ部門の概要


プロジェクトは地域密着の芸術祭





オープニング前夜祭を報じる地元の論壇紙



9月7日(火)18時17分頃から
名古屋テレビUP!で放映






名古屋テレビの取材を受ける深見町の人たち



ライブプロジェクトはじまる

西中山町八柱神社農村舞台のストリーテリングを皮切りに、
9月26日(日)まで、毎週週末ライブプロジェクトを予定。





ストリーテリングでひとり語りをする古屋和子さん(写真参考)






岐阜県無形民俗文化財恵那文楽(写真参考)



ライブプロジェクトの予定

ストリーテリング
世界各地のストリーテリングフェスティバルで活躍する「ひとり語り」の古屋和子さんがプロデュースするストリーテリング。
公演日時/9月4日(土)18時半開演
出演/古屋和子(ひとり語り)、趙博(シンガーソングライター)
会場/西中山町八柱神社農村舞台(旧藤岡地区)
入場/1,000円(当日券1,300円)

ストリーテリング
公演日時/公演日時/9月5日(日)18時開演
出演/古屋和子(ひとり語り)、趙博(シンガーソングライター)
会場/西中山町八柱神社農村舞台(旧藤岡地区) 
入場/1,000円(当日券1,300円)

ストリーテリング
公演日時/9月11日(土)18時開演
出演/古屋和子(ひとり語り)、あんみ通(津軽三味線のユニット)
会場/明川町熊野神社農村舞台(旧足助地区)
入場/1,000円(当日券1,300円)

ストリーテリング
公演日時/9月12日(日)18時開演
出演/古屋和子(ひとり語り)、あんみ通(津軽三味線のユニット)
会場/桑原町熊野神社農村舞台(旧稲武地区)
入場/1,000円(当日券1,300円)

夢渡野ジャズライブ
まちおこしグループ夢渡野会のまちおこしライブ
公演日時/9月18日(土)18時開演
出演/名古屋を中心に活躍するジャズメン
会場/小渡町神明神社農村舞台(旧旭地区)
入場/無料

恵那文楽
岐阜県無形民俗文化財の恵那文楽の上演
公演日時/9月19日(日)18時開演
出演/恵那文楽保存会(中津川)
会場/小原町賀茂原神社農村舞台(旧小原地区)
入場/1,000円(当日券1,300円)

日韓パーカッション
七海了太郎とコドによるユニークな日韓パーカッション
公演日時/9月25日(土)14時半開演
出演/七海了太郎とコド
会場/和合町神明神社農村舞台(旧下山地区)
入場/500円(当日券600円)

とよた吟舞夢一座公演
詩吟の実力者が座を組んだ夢の舞台
公演日時/9月26日(日)17時45分開演
出演/とよた吟舞夢一座、三河すもう甚句会
会場/中金町岩倉神社農村舞台(旧石野地区)
入場/500円(当日券700円)



  


Posted by かとうさとる at 03:50 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月03日

農村舞台プロジェクト(16)経緯とアート部門の概要


豊田市は農山村型の顔をもった
自動車生産都市


平成17年の市町村合併で、豊田市は足助町、旭町、稲武町、藤岡町、小原村、下山村の4町2村を編入合併した。岐阜県、長野県と県境を接し、面積918平方キロメートルで県内最大。内7割が森林という農山村型の顔をもった自動車生産都市に生れ変わった。





豊田市の北部から南部を大きく蛇行して流れる矢作川
下流に見えるのは旧足助町と旧藤岡町を分ける加茂橋



78棟の農村舞台が判明

農山村型都市を象徴する一つが、旧町村を中心に現存する農村舞台の存在で、昨年からの調査によると78棟を数えることが判明した。中には文化5年(1808年)に建てられた中金町の市有形民俗文化財の岩倉神社農村舞台のように、回り舞台のある本格的な舞台もあるが、ほとんどは忘れ去られ、消滅の危機に瀕している実態も浮かびあがってきた。

農村舞台というのは、農山村や漁村にある近世芸能舞台で営業用でない舞台の総称で、北は秋田から南は宮崎、鹿児島まで日本各地に分布。この内、岐阜県の飛騨・東濃地域、長野県の南信州地域、豊田市の東~北部地域に約1/3の舞台が密集し、拝殿型農村舞台文化圏を形成していることも明らかになってきた。





有志で農村舞台を調査。背景の舞台は嘉永5年(1852年)に
建てられた明川町熊野神社農村舞台(旧足助地区)


伝統を継承する
農村歌舞伎保存会


豊年を祈願する春祭り、実りの秋を祝う秋祭りに、余興行事の農村演芸を行う場として、神社境内に舞台が建てられたのは江戸時代も後半になった頃。娯楽の乏しかった農山村にあって、一年の最大行事である氏子の祭礼に奉納される農村舞台は、華やかで文字通りの桧舞台になったことは想像に難くない。





平成18年8月27日(日)豊田スタジアムで上演した
第2回とよた市民野外劇で口上を述べる農村歌舞伎連


ちなみに農村舞台で演じられたのは、アマチュアの村人が役者を演じた地芝居と、旅回りのプロの役者を招いて上演した買芝居の二種類が中心だった。一般に農村歌舞伎といわれるのは地芝居を重ねる内に、村々の出し物に特色が生れ、座を形づくったもので、市内においても伝統の小原歌舞伎をはじめ、旭歌舞伎、石野歌舞伎、藤岡歌舞伎などがよく知られている。

農村舞台は絶滅危惧種

ざっと豊田市と農村舞台の関係について記したが、前述したように農村歌舞伎保存会の活動はあるものの、現存するほとんどの舞台は忘れ去られ、今では農村舞台と知る人も少なくなった。


農村舞台アートプロジェクトを
立ち上げる


こうした農村舞台の再評価に向けて火をつけたのは、当時豊田市議会議長をしていた八木哲也さんで、同氏の働きかけで、市内の芸術家有志がテーブルについたのは昨年10月。旧町村の各支所、豊田市文化振興財団が有志を支える形で実行委員会を組織。一年を待たずして農村舞台のマップを作成。農村舞台アートプロジェクトを立ち上げた。





農村舞台のマップはB2版4折で5千部を印刷。
既に各支所を通して配布済みで残部数は少なくなったが
希望者は文化振興財団文化部℡0565-31-8804まで照会。


農村舞台アートプロジェクトの目的は
1 農村舞台を知ってもらう
2 農村舞台を使って可能性を探る


農村舞台アートプロジェクトの目的は、平成23年の市制60周年の本格的な事業展開を前に、先ず「農村舞台を知ってもらおうう」「農村舞台を試験的に使ってみよう」という二点。前者はマップの作成。後者は旧町村を中心に第一部アート、第二部ライブに分けて、農村舞台の可能性を探るもので、プログラムは次のとおり。

第一部アートプロジェクト

現代のアートの第一線で活躍する市内のアーティストが農村舞台の空間に挑む個展形式のプロジェクト。




かとうさとる
農村舞台で豊年祀り(公開中)

農山村の必需品の菰200枚と荒縄によるインスタレーション。
9月3日(金)午後半世紀ぶりに回り舞台を回す予定あり。
期間:9月26日(日)まで
会場:深見町磯崎神社農村舞台(旧藤岡地区)




市川明徳
書と灯りのアート展(公開中)

近づくとセンサーが作動(見ての楽しみ)
期間:9月12日(日)まで
会場:榊野町野見神社農村舞台(旧旭地区)





伊丹靖夫と野入の人たち(公開制作中)
豊田芸術選奨を受賞した伊丹靖夫さんと
野入の人たちが協働制作に挑む。
期間:9月6日(月)~12日(日)
会場:野入町神明神社(旧稲武地区)





中根栄二と理と農村舞台(制作準備中)
次代を担う俊英作家が農村舞台にユニットで挑む。
期間:9月6日(月)~12日(日)
会場:細田町神明神社農村舞台(旧足助区)





加納恒・茂登美の
風のギャラリー(制作準備中)

小原和紙の新たな世界にチャレンジする加納恒さんと茂登美が
ユニットで農村舞台にチャレンジ。
期間:9月13日(月)~19日(日)
会場:大坂町熊野神社農村舞台(旧小原地区)





鈴木真幸登|秋を彩る(制作準備中)
豊田市華道連盟理事長の鈴木真幸登さんが
農村舞台を秋色に染める。
期間:9月20日(月)~26日(日)
会場:西広瀬町八釼神社農村舞台(旧石野地区)





石川泰弘先生の課外授業(制作準備中)
美術教育のエキスパートでモダンアート協会の石川泰弘さんが
子供たちを美術大好き人間に導くプロジェクト。
期間:9月20日(月)~26日(日)
会場:阿蔵町須賀神社農村舞台(旧下山地区)

ライブプロジェクトは作成中  


Posted by かとうさとる at 02:23 | Comments(0) | 農村舞台

2010年09月01日

農村舞台プロジェクト(15)メディアに感謝


今は理屈抜き!
プロデュースに本腰を入れなければ
みんなに申し訳けない。


「二足の草鞋を履く」という言葉があるが、今回のプロジェクトで私はプロデューサーと作家という二足の草鞋を履いた。





8月31日付け朝日新聞


構想から一年もたつていない試行ということから、先ずは自分が「テストドライバーの役割を引き受けよう」とオープニングを買って出たが、結果として自分のプレゼンをしたようなもの。(反省)





8月31日付け読売新聞


プロジェクトはスタートしたばかりなのに、なんだか燃え尽き症候群のような気だるさは二足の草鞋の弊害だが、今は理屈抜き。プロデュースに本腰を入れなければみんなに申し訳けない。


  


Posted by かとうさとる at 02:31 | Comments(1) | 農村舞台