2016年11月30日

香嵐渓もみじまつり/小原四季桜まつり最終日









気が付けば
香嵐渓のもみじまつりも
小原の四季桜まつりも
今日で最終日






中央の赤い橋は
香嵐渓のランドマーク待月橋









今日もクラブツーリズムの
観光客がいっぱい(感謝)









今は木々も静かに
フェードアウトの支度をしているが
香積寺の山門は
香嵐渓のビューポイントの一つ
 


三河路はみな冬支度







紅葉は終わってしまったが
私は初雪がちらほら舞う中で眺める
名残りの四季桜がいい
     


Posted by かとうさとる at 18:01 | Comments(0) | フォト歳時記

2016年11月29日

もう一度出直さないと大変









昨夜BSプレミアムで
日伊国交150周年を記念し
鎌倉の鶴岡八幡宮で上演された
日伊合作によるモンテヴェルディの歌劇
「オルフェオ」を観た









バロック・オペラと
日本の伝統芸能がクロスオーバーした
摩訶不思議な世界に一気に
曳きこまれてしまった









中でもモンテヴェルディが
構想を持ちながらも書き残さなかったという
第5幕の「幻の結末」は
日伊合作のハイライト


残念ながら
こんな刺激的な舞台を観ても
今の私には遠くの景色に如かず
もう一度出直さないと大変
  


Posted by かとうさとる at 02:31 | Comments(0) | らくがき帖

2016年11月25日

まだ間に合う農村舞台アートプロジェクト









神戸に住む一人息子の夫婦が
亡くなった妻の遺品整理のため帰省


息子夫婦と入れ替わりに
今度はいけばな仲間の大塚さんが来豊


美術館の「蜘蛛の糸」と
農村舞台を案内したが
「三日見ぬまの紅葉かな」






  銀杏の散華で黄金色に輝く六所神社農村舞台
  背中は大塚理司さん


農村舞台アートプロジェクトも
残すところあと3日
未だの方は是非
  


Posted by かとうさとる at 15:17 | Comments(0) | 農村舞台

2016年11月20日

紅葉の松平郷で農村舞台「アート」開幕 2/2








農村舞台アートプロジェクト
「アート」に挑むのは


公募で選ばれた東京都の岩塚一恵さん
日進市の加藤恵利さん
地元豊田市の敦木愛子さんの3人








  (上)農村舞台アートプロジェクトのチラシ
  (下)私が地元紙矢作新報に月イチで連載しているコラム


組合せは
岩塚一恵さん×六所神社農村舞台
加藤恵利さん×九久平町神明宮農村舞台
敦木愛子さん×桂野町神明宮農村舞台


会期と時間は
11月19日(土)~27日(日)
時間は夜明けから日没まで




■市指定坂上町六所神社農村舞台
岩塚一恵さん「漂流する記憶」

私たちは何気なく
原体験とか原風景という言葉を使うが
農村舞台群など初めて来た場所や
初めて見る光景なのに
既に体験したような
不思議な感覚を経験したことが
一度や二度はあるのではないか

  
理由はわからないが
人間の深層に潜む遺伝子の琴線に
どこかで触れているのではないか
 
 
岩塚一恵さんは
こうした既視感・デジャヴを手がかりに
国内外のアートイベントの第一線で活躍
(東京都在住)






  六所神社「一の鳥居」から見た坂上町宮口集落
  大銀杏の見える所が市指定の六所神社農村舞台 
  背後の山は六所神社上宮が鎮座する松平郷の御山六所山















  

■九久平町新明宮農村舞台
加藤恵利さん「息吹く」

加藤恵利さんは
白州アートフェスティバル(山梨)
原発アート展受賞者展(ベルリン)
ファンデナゴヤ美術展(愛知)など
国内外のアートイベントで活躍
(日進市在住)





  九久平町は足助と岡崎を結ぶ
  七里街道の宿駅として栄えた旧松平町の中心地 
  写真はかって川湊のあった港橋から眺めた
  巴川と九久平町の町並み

  新明宮農村舞台は明治の中頃
  正面のこんもりした森の中に建てられた舞台で
  当初は廻り舞台もあったが昭和30年代に
  社殿東側の現在地に移築




 




  

■桂野町新明宮農村舞台
敦木愛子さん「ひらり、桂野。ご縁結び」
敦木愛子さんは
東北芸術工科大学を卒業後
山形県の旧小学校で芸術を取り入れた
イベントや展覧会など
コミュニケーションワークを展開

今回も地元桂野町の人たちと協働
子どもたちも制作に参加するなど
農村舞台の展開に新たな一石を投じた
(豊田市在住)






  桂野町は岡崎市と接する
  巴川の支流群界川に沿った小さな集落だが
  市内で最初に水利を利用した水車ガラ紡が行われるなど
  松平地区におけるガラ紡の中心的地域の一つとして有名

  写真の川の中央の堰堤は水車用に導水する堰堤の痕跡
  群界川の上流を遡ると中部電力で最も古い岩津発電所が
  今も稼働するなど、群界川筋は岩塚一恵さん風に言えば
  日本が発展する中で火垂るのような灯りを燈した
  既視感・デジャヴの聖地
  なにか忘れ物を探したい人は是非











ざっと農村舞台アートプロジェクト第2段
「アート」を紹介したが問題はアクセス

良く知った私でも
上手く説明でないからお手上げ






  ❽九久平神明宮農村舞台(九久平町宮ノ根)
  ❿桂野町神明宮農村舞台(桂野町中屋敷)
  ❻六所神社農村舞台(坂上町地蔵堂)









過ぎたるは及ばざるがごとし
情報過多で疲れた方もみえると思うが
ご容赦を
  


Posted by かとうさとる at 17:08 | Comments(0) | 農村舞台

2016年11月19日

紅葉の松平郷で農村舞台「アート」開幕 1/2







先月終了した「ライブ部門」に引き続いて
紅葉の松平地区で
農村舞台アートプロジェクト第2段
「アート部門」が始まった


松平地区はその名のとおり
徳川の始祖松平家発生の地で
初代親氏が松平氏の勢力拡大の礎を築き
その後、家康に天下統一が託されたことから
徳川源流の聖地として知られている








  松平東照宮







  徳川の始祖松平親氏が眠る松平家の菩提寺高月院


中でも松平親氏の館があった
山里の一帯は松平郷と呼ばれ
「松平氏遺跡」として国の史蹟に指定され
今も訪れる人が多い


この機会に農村舞台アートを肴に
松平氏ゆかりの史跡や
三河山間地の紅葉を訪ねる
小さな旅に出かけてみませんか



ちなみに農村舞台とは

娯楽の乏しかった
農山村や漁村を中心に建てられた
近世芸能舞台で営業用でない舞台の総称で
門田一郎編「農村舞台探訪」によると
北は秋田から南は鹿児島まで
日本各地に分布






  農村舞台群のガイドと一体になった絵地図


中でも豊田市の中山間地から
奥三河、岐阜県の飛騨・東濃地域
長野県の南信州地域にかけて
約1/3の舞台が集中

神社拝殿型という
農村舞台文化圏を形成していることが
判明している


現時点では目視調査のレベルだが
中馬街道や秋葉街道、岩村道など
三河と伊那谷や飛騨・東濃を結ぶ物流の道が
文化を運んだ証で
日本遺産の候補にあがってもおかしくない



農村舞台アートプロジェクトは

こうした農村舞台群を
今に生きる地域資源として活用
アートで地域の絆を繋ごうというもので
単なるアートイベントではない





  農村舞台で初のコラボレーションとなった「献華(1988年6月)
  舞台美術「献華」を私かとうが
  シャーマンをモダンダンスの野々村明子さんと
  現代フルートの真野利郎さんが演じた

  その後、農村舞台の試行は民俗芸能祭
  現代美術のコラボ「共感する悪所」に引き継がれ
  農村舞台アートプロジェクトに結実した




  農村舞台で初のオペラ上演となった「ライブ」には
  イタリアのプッチーニ財団の「蝶々夫人」で世界デビューした
  ソプラノの二宮咲子さんも出演
  写真は蝶々夫人のアリアを熱唱する二宮咲子さん
  (深見町磯崎神社農村舞台)


余談に逸れたがプロジェクトは
農村舞台を現代の劇場に見立てて
多様な舞台芸術で挑む「ライブ」


農村舞台の空間に
多様なジャンルのアーティストが
個展形式で挑む「アート」で構成






  アートの公募を報じた6月4日発行の中日新聞


7年目を迎えた本年度は「アート部門」を
実行委員会によるノミネート方式から
清新なアーティストの登龍門とするため
全国公募に切り替え
今日、その「アート部門」の初日を迎えた


※農村舞台「アート」開幕 2/2に続く   


Posted by かとうさとる at 21:21 | Comments(0) | 農村舞台

2016年11月17日

赤い実は晩秋のセレナーデ







農村舞台アートプロジェクトの第2弾
「アート」の公開制作がはじまった松平郷で
赤い実の草木を見つけた







植物図鑑によると
根〆の赤い実は蝮草(マムシクサ)
小枝は実葛(サネカズラ)


器は中島将大さんの高麗青磁
中島さんは仕事盛りで亡くなってしまったが
私の周りで一片またひとひら
仕事仲間が消えていくのは
淋しいもの
  


Posted by かとうさとる at 11:21 | Comments(0) | 花日記

2016年11月13日

大沢池の紅葉が見ごろ







今日はコラムの原稿を入稿したあと
酸欠のアタマを冷やすため
長野県境の茶臼山から南下した
紅葉前線を追って外出

大井平公園、香嵐渓、三河湖
小原の四季桜などなど
観光スポットはおばちゃんに任せてパス

近場で余り知られていない
紅葉スポットをぶらりぶらり






  大沢池の紅葉


こんな身勝手の条件でも
簡単に応えてくれるから
豊田市はドラえもんのポケットのようなもの

で、出かけたのが
旧藤岡町下川口の大沢池の紅葉






  交流館など公共施設でこんなパンフも
  出ているから便利



下川口は県道豊田明智線を
矢作川に沿って北上
広瀬~藤沢ダム湖の上流の集落で
中心市街地から車で30分ほど



集落のランドマークは
天神社の大銀杏↓






大銀杏といえば
旧旭町の時瀬、惣田もいいが
天神社の大銀杏も負けていない






この天神社の東にあるのが水汲遺跡
余り知られていないようだが
市指定の深鉢が出土した
縄文前期から後期にかけた縄文遺跡








こちらは
道路の拡幅工事で解体撤去された
天神社農村舞台の由来を記した記念碑

碑文によると
江戸時代の寛延2年(1749年)に
人形浄瑠璃、地狂言を
地元若者連中が奉納した

とある

私の記憶違いで無ければ
藤岡村誌の記述と異なるため
確認が必要だが
碑文が正しければ市内最古の農村舞台で
民民俗芸能史の書き直しは必至

天神社の裏山には
天正3年武田勝頼の三河侵攻によって
落城した川口城址があったというから
下川口は小さな集落だが
知れば知るほど底が深い



目の保養に
もう一度大沢池の紅葉を







大沢池の紅葉は木々も若く
余り知られていないが
天神社の大銀杏とあわせて
ライトアップされるため穴場かも
  


Posted by かとうさとる at 17:46 | Comments(0) | とよた風土記

2016年11月12日

今季イチオシは豊田市美術館「蜘蛛の糸」で決まり











豊田市美術館で開催されている
企画展「蜘蛛の糸」に足を運んだ






  「七州城図」は市制50周年特別展
  豊田市の城下町展/中世~江戸期の豊田図録より転載
  
  図の左上、白く見えるのは蓮池と呼ばれた濠で現在の駐車場
  蓮池右は美術館のランドマークになっている隅櫓
  


豊田市美術館が建っている場所は
尾張、美濃、信濃、伊勢、近江、伊賀、
三河の七か国を臨むことができたことから
七州城の名で親しまれた挙母藩の館跡で
史跡と建築と庭園の修景の美しさは
他に比類がない


あわてないあわてない
先ずは外周をゆっくり愛でてから






豊田市美術館は世界的な建築家
谷口吉生の代表建築


コレクションも
クリムトやシーレなど
ウイーン分離派をはじめ
イタリアのアルテ・ポーヴェラなど
国内外の同時代性の秀品を蒐集
日本を代表する美術館の一つに
挙げても異存はないと思うがどうか

残念ながら地元では「現代美術は難しい」と
敬して遠ざける人も多く
もったいない








和モダンのシンプルな構造美と
水の演出は谷口吉生建築の特徴







遠い異国の地で
何を思うかヘンリー・ムア
「座る女・細い首」の背中







茶室の紅葉も見頃
350円で美味しいお抹茶もいただけるから
嬉しい





ところで「蜘蛛の糸」と聞くと
芥川龍之介の「カンダタの蜘蛛の糸」
を思い浮かべる人が多いのではないか


釈迦がカンダタに与えたワンチャンス
一本の蜘蛛の糸を一心不乱に上り
もう少しで地獄を抜け出せそうな
高さに辿りつく


安堵したカンダタが何気なく下を向くと
無数の亡者たち


さて、どうした!カンダタ
というのがあらすじだが
豊田市美術館の「蜘蛛の糸」はどうか




今季の豊田市美術館は全館コラボで必見!





ポスターに
クモがつむぐ美の系譜江戸から現代へ
と記しているように

芥川龍之介から想を得た作品もあるが
本展は蜘蛛が編み出す繊細で美しい
糸の軌跡に魅せられた多様な表現を
江戸時代から現代まで約80名の作品で紹介
予想を遥かに超える展開で目から鱗








  塩田千春「夢のあと」


多様なジャンルのアーティストが
異種格闘技のようにぶつかり合いながら
蜘蛛の糸に絡められていく構成は
見事というほかはない

六本木の森美術館もいいが
今季のイチオシは
豊田市美術館「蜘蛛の糸」で決まり






同時開催の
髙橋節郎館テーマ展/漆と現代美術の饗宴
も贅沢!


■「蜘蛛の糸」⇒12月25日迄
■問合せ⇒☎0565-34-6610




余談に逸れるが

11月19日(土)~27日(日)
徳川の始祖が眠る松平郷では
農村舞台の空間に
公募で選ばれたアーティストが
個展形式で挑む
農村舞台アートプロジェクトの
第2弾が始まる






詳しくは別にアップするが
蜘蛛の糸×農村舞台
一度で二度美味しい
こんなチャンスを逃したらもったいない


県外の方で希望される方は
不肖私がツアーガイドします
連絡先は下記のメールに
ikebanakato@yahoo.co.jp

※都合の合わないときはご容赦を  


Posted by かとうさとる at 20:02 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー

2016年11月12日

大割烹だるまの花を活け替える







11月10日
大割烹だるまの花を活け替えた








  花材:柿、栁、松、南天、蔓梅擬
  フォックスフェイス、ストレチアほか



いけ終えたあとはサプライズ





「さとるさん!この帽子かぶりん」と若女将
「さとるさんの誕生祝をするから」と女将


大割烹だるまのファミリー全員が
テーブルに来てシャンパンで乾杯

トシは言わないが
美味しい料理とお酒をいただいて
竜宮城に招かれた浦島のようなもの


どうにか家に帰ったが
あとはよく覚えていない
やっぱり、トシ
  


Posted by かとうさとる at 03:00 | Comments(0) | 花日記

2016年11月08日

お薦め!いけばなイベント









第31回国民文化祭あいち開催中

現在、愛知県内54市町村を舞台に
文化の国体第31回国民文化祭あいちが
開催されている










  去る11月5日(土)
  愛知芸術文化センターで開催された
  いけばなシンポジウムの会場スナップ
  

文化の国体と称されるように
多彩なジャンルの文化団体が愛知に集結

当然のようにいけばなも参画
いけばなの祭典「華道フェスティバル」のほか
記念講演・シンポジウムを開催
時の話題となった

記念講演「琳派400年-花遊びの系譜-」
講演⇒細見良行(細見美術館長)
シンポジウム「いけばなの未来」
(パネリスト)
石田秀翠(石田流家元)
辻井ミカ(嵯峨御流華務長)
中山高昌(未生流中山文甫会副会長)
細見良行(細見美術館長)
三頭谷鷹史(美術評論家)
(司会)
庄司信州(嵯峨御流)

詳細は日本女性新聞新年号に
掲載予定のため後日






  「小倉百人一首競技かるた全国大会」の開催を報じた記事
  競技かるた唯一の全国都道府県別団体戦
  私の予想は、選手層の厚い福井県が優勝候補で
  春野健太郎を擁する愛知はダークホースあたりか


会期は12月3日(土)迄
詳しくは下記のパンフで↓





  プログラムは市内公共施設に置いてあるため
  興味のある方は是非!



余談に逸れたが
お薦め!いけばなイベント↓


今週は現代いけばなのカリスマ
松田隆作さんと谷口雅邦さんの個展が
同時開催でチャンス!








松田隆作個展
「山桜 オータムバージョン」

東京麻布十番「麻布十番ギャリー」で
11月14日(月)迄
☎03-5411-3900






谷口雅邦個展
-供華・捧げる花-
東京・銀座「巷房3階地下」で
11月19日(日)迄
☎03-3567-8727






いけばな小原流展
11月11日(金)~14日(月)
松坂屋名古屋店南館マツザカヤホール








梶井宮御流秋季華道展
11月12日(土)~14日(月)
京都大原「三千院門跡」内
円融房、客殿


お出かけの予定のある方は
是非お立ち寄りを
  


Posted by かとうさとる at 20:25 | Comments(0) | いけばなから

2016年11月07日

失った時間は戻ってこないが命は無限








今日は冬の始まりを意味する
二十四節気の一つ立冬


私もそろそろ冬支度をしなければ
試しに男性の平均寿命を節気で割ると
私の現在地は大雪から冬至の間


失った時間は戻ってこないが
命は無限






  花:カンナの葉
  器:ガラスボール


切なさ半分
どんな「人」と「花」に出会えるか
楽しみ


でも…
みんなは迷惑だろうな
  


Posted by かとうさとる at 14:22 | Comments(0) | 花日記

2016年11月05日

まだ間に合う巨大こけし「花子」さん






高さ12㍍の巨大こけし「花子」が
豊田市参合館に降臨して1週間


制作したのは岡本太郎賞を受賞した
大坂のアーティストユニット・Yotta(ヨタ)


最終日の6日には参合館1Fロビーで
Yotta(ヨタ)のアーティストトークも






内部にスピーカーがあり
歌ったり喋ったりできるというから
どんな声なのか聴いてみたいな








参合館の中央図書館5Fでは
民芸館所蔵の「こけし展」もやっているから
こんなチャンスを逃したらもったいない
  


Posted by かとうさとる at 01:47 | Comments(0) | らくがき帖

2016年11月02日

山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー




過日、碧南市藤井達吉現代美術館で
開催中の山本富章展に足を運んだ



碧南の地名も美術館の由来も度々記しているため省くが
海のない三河内陸部の私たちの世代にとっては
碧南は臨海学校のあった聖地の一つ

残念ながら海水浴場のあった玉津浦一帯は
臨海工業地帯に代わってしまったが
どこか懐かしい匂いがするから不思議だ

予定より早く着いたため
セピア色の記憶を頼りに「てらまち」界隈をぶらりぶらり散策








美術館のある大浜地区は矢作川の河口と
衣浦湾が交差する半島に位置することから
古くは三河五湊の一つに数えられ
江戸廻船の基地として栄えた

そんな往時の面影を現在に伝えるのが
蓮如上人所縁の「てらまち」と醸造の蔵元
写真(上)は「てらまち」のランドマーク?西方寺
写真(中)九重味醂の本社




  
黒塗りの板塀が美しい九重味醂本社の路地







子どもの頃、電車が土橋の駅に停まると
カンコ(ブリキ缶)を背負った行商のオバちゃんたちが
ゾロゾロ降りてきた光景を今も鮮やかに覚えている

先に「どこか懐かしい匂いがする」と記したが
オバちゃんたちは大浜から来たと言っていたから
みんな湊で水揚げされた魚を仕入れたあと
この路地を通って大浜の駅に向かったに違いない





現在の大浜湊
対岸に見えるのは知多の半田
ついでに釣り場も回ってきたが「投げ」で
イワシのようなハゼが釣れていたから嘘っそみたい



頃合いを見て
碧南市藤井達吉現代美術館へ


碧南市藤井達吉現代美術館は
日本の近代美術工芸史に大きな足跡を記した
碧南市出身の孤高の芸術家藤井達吉(1881-1964)の
調査研究を基本に掲げながら
同時代の美術の枠組みの再構築も狙っているというから
規模は小さいが志は国立レベル

館長は愛知県美術館副館長から招かれた
藤井達吉研究家の木本文平さん

木本さんは
❶藤井達吉の再評価に向けた取り組みを全国展開するほか
❷体力の弱い地方美術館をネットワークした連携企画展や
❸「本当は愛知県美術館がやる仕事」と言いながら
地元愛知所縁のアーテストを積極的に全国発信するなどやり手

中でも❸の仕事は地方美術館の大きな役割の一つだが
生々しくて一歩誤ると批判の矢面に立たされるため
どの地方美術館も避けてきたカテゴリーで
火中の栗を拾った?木本さんの美術館人としての誇りと
勇気に万雷の拍手を贈りたい


で、今回白羽の矢が立ったのが
愛知県立芸術大学名誉教授で
アーティストの山本富章さんという訳






  山本富章展のパンフレットより転載


山本富章さんのプロフィール等は省くが
鮮やかな色斑(ドット)による作品で
国際的にも高く評価されているのは周知のとおり

今回その山本さんの初期の作品からドット表現による作品の誕生まで
山本芸術の展開を時系列で紹介されるというから
こんなチャンスを逃す手はない
  






  山本富章展の展示スナップ


挨拶のため館長室に木本さんを訪ねると
「かとうさん、運河沿いにある古い蔵でもやっているから
是非見ていってよ」と木本さん


衝撃の藏ギャラリー




湊橋界隈の往時の繁栄を今に伝える商家と倉庫
現在は空き家になっているため市が借り受け
山本富章展に合わせてギャリーとしてオープンしたもの





  山本富章展のパンフレットより転載





この一作で納得!


山本富章展は12月4日(日)まで
問合せは碧南市藤井達吉現代美術館
☎0566-48-6602
  


Posted by かとうさとる at 04:42 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー