2021年09月23日

ぶんかの秋を彩る農村舞台アートプロジェクト



市内東部から北部の中山間地に展開する国内有数の農村舞台群を地域の文化資源として活用するアートイベント・農村舞台アートプロジェクト2021が和紙のふるさと小原地区の4会場ではじまった。

会期/9月25日(土)迄
時間/日の出から日没まで可







農村舞台アートプロジェクトを報じた中日新聞





農村舞台アートプロジェクトを報じた矢作新報


出品者は、バリのウブドと日本を往復。バリのバナナの幹を漉いたバナナ紙のコラージュ作家として活躍している坂田純さん(横浜)が農村舞台に初登場

地元からは小原和紙のunitとして活躍するかのうともみひさしさんが

建築士として建築と美術のジャンルを横断して活躍する青木崇さん(大阪)

気鋭のデザイナーとして活躍する河合進さん(大阪)の計4組のアーティストが素材としての「紙」に挑戦



舞台とアーティスト(順路順に)


大坂町熊野神社農村舞台
河合進さん(大阪府)








河合進さんのプランは、娯楽の場として親しまれてきた農村舞台の往時の華やかさを、アートで蘇らせようという企みで、こんな手があったのかと目から鱗。

地元の人たちの笑顔を約2メートル四方の布に描いた大首絵に、その人の好きなものなどを、歌舞伎の隈取のようにカラフルな紙でかたどって重ねた農村舞台初見参のインスタレーション。



小原町賀茂原神社農村舞台
青木崇さん(大阪府)








「四季桜の夢」と題した青木崇さんのインスタレーション。

賀茂原神社農村舞台は、小原地区最大規模の農村舞台で、10月9日より中京テレビ・日本テレビ・BS日テレほかにて放送が始まるアニメ「シキザクラ」の重要な場所のロケ地となっていることが判明。

放映後はアニメの聖地となることは必至で、まさかこんな展開になるとは青木さんもびっくり(笑)。



永太郎町神明神社農村舞台
小原和紙unitかのうともみひさし(豊田市)








小原和紙unitかのうともみひさしさんは、父で、ローマ教皇の聖書の台紙を漉くなど世界の絵本作家から世界で最も美しい「紙」と称えられた故加納俊治先生の薫陶を受けたunitとして活躍。誠実な人柄で工房は訪れる人が絶えない。

今回かのうともみひさしさんは、子どもの頃体験した亡くなった子どもたちを土葬した上に、生きた証として置かれた「泥だんご」に想をえたインスタレーションで、鎮魂の思いと、今に続く豊穣の秋の感謝を表現した。



小原田代町八幡神社農村舞台
坂田純さん(神奈川県)







小原田代町八幡神社農村舞台は、岐阜県瑞浪市と土岐市に接する県境の集落で、それはそれはのどかな山里だが、小原地区の人は別にしてほとんどの人は知らないのではないか。

坂田さんは柿渋と墨でドローイングした約800畳の巨大な和紙のインスタレーションに挑戦。夜の帳が下りると幻想的な世界が現れます。少~し怖いけど(笑)、宜しければ夜の舞台もお薦めです。



問合せ
豊田市文化振興財団☎0565-31-8804

  


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2021年08月27日

K-TEN その時アートが動いた




月イチで地元紙の矢作新報で連載している
「ぶんかの定点観測」


127回目を迎えた今回は

アートの実験工房として小林美術研究所を主宰する小林豊・後藤嘉寿美さん夫妻が卒業生と共に立ち上げたアートの実験工房「K―TEN」を紹介





彫刻家で美術教育のエキスパートとして活躍する小林豊さん(左)
同じく日本画家で豊田市文化財保護審議会副会長を務める
後藤嘉寿美さん(右)

小林夫妻とのお付き合いは
夫妻が豊田市に移住した頃に遡るから
40年近くになるが、近年はなんとなく疎遠になっていて
開口一番「(笑いながら)なんで僕の処に」とキツイ一言
まっ人生いろいろ(笑)





宜しければ本文も

高度成長時代、モータリーゼーションの発展とともに、『ああ子育て戦争』(学陽書房)でベストセラー作家となった連句のジャンヌダルク、矢崎藍さん。時代は少し下るが小林美術研究所を主宰する小林豊・後藤嘉寿美夫妻など、多くの才ある人たちが豊田市に移り住んだ。

文化は外部刺激によって化学反応するというが、公募団体のヒエラルキーによって秩序が保たれていた当地の美術界にとって、小林夫妻、わけても彫刻家の小林豊さんの移住は、突然異分子が紛れ込んだようなもので、新旧の文化摩擦があったことは想像に難くない。

ちなみに小林豊さんは1955年福島県に生まれる。愛知県立芸術大学大学院を卒業後、故斎藤勝弘さんの豊田市芸術文化センターのレリーフ制作のアシスタントとして豊田市に来るようになったが、「まさか豊田市に住むようになるとは(笑)」と、小林さん。

前置きが長くなってしまったが、NHKの歴史ドキュメンタリー番組として人気を博した「その時歴史が動いた」に倣えば。

小林夫妻の豊田市移住は、入選を競う技芸中心の美術から、自らをアーティストとしてセルフプロデュースする新たな時代の幕開けを告げるもので、その狼煙(のろし)となったのが、1994年アートの実験工房として小林夫妻が卒業生とともに立ち上げたK―TENである。

ちなみにK―TENの「K」は、スキージャンプのK点(限界)と小林美術研究所の頭文字のKを現し、既に500名を超える卒業生が二つのK点を超え、社会の第一線で活躍する数多のアーティストやデザイナー、クリエイターを輩出。奇跡というほかない。

そのK―TEN27が豊田市美術館ギャラリーで開催されるというから、こんなチャンスを逃したらもったいない。



■会期≠8月31(火)~9月5日(日)
■会場≠豊田市市美術館ギャラリー
■問合せ≠☎0565-33-7931(小林)

  


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2021年06月23日

豐田国際紙フォーラム開催決まる





月イチで地元紙の矢作新報に連載している「ぶんかの定点観測」。125回目の今月は、昨年延期された豊田国際紙フォーラム(実行委員会豊田彬子会長)が、開催方法を変更。『会場とオンラインを併用するイベントとして実施』というホットニュースを紹介。










メディアなどでこの人が出ていると安心するという徳のある人がいるが、「武士の家計簿」の著者でNHKBSプレミアム「英雄たちの選択」でお馴染みの歴史学者、磯田道史もそんな一人に挙げてもいいのではないか。

その磯田道史が歴史に学んだコトとして『踏みとどまりをもたない人間ほど、組織のなかで偉くなることが多い。でも何人かが「良心の踏みとどまり」を持っていることで、社会がとんでもない方向に行くか行かないかの分かれ目になる』。そんな意味の話をしているのを、何かの雑誌で読んだことがある。ナニとは言わないがこんな時代である。胸に手を当ててみる価値はあると思うがどうか。



さて、新型コロナウィルスの影響で「豐田おいでんまつり」の中止が決まるなど、コロナ疲れもそろそろ限界で心配だが、朗報も。

昨年延期された豊田国際紙フォーラム(実行委員会豊田彬子会長)が、開催方法を変更。『会場とオンラインを併用するイベントとして実施』というニュースである。



「国際紙フォーラム」は世界36カ国、約500名で構成する国際的な紙の関係者団体「IAPMA(ヤプマ)」が隔年開催しているもので、日本では1995年の京都市に次いで豊田市が2回目。


ちなみに『会場とオンラインの併用』は、現下のコロナ禍で海外からの参加者の渡航が難しいため、IAPMA側から提案されたものだが、雨降って地固まる。成功すればポストコロナの国際展のモデルとなることは想像に難くない。


余談に逸れたが、内容はIAPMA主催の国際会議やシンポジウム。「IAPMA展」、「日本の紙と世界の紙展」「和紙の遺伝子展」、「小原ゆかりの作家展」など「知」と「アート」の両輪で構成。生活に彩りを与える紙から未来系の新素材として注目を集める紙まで、知れば知るほど「紙」の世界は奥が深い。


問合せ/豊田国際紙フォーラム実行委員会事務局(豊田市役所地域振興部小原支所内)
TEL.0565-65-2001(代表)  


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2021年04月18日

歴史ミステリー いにしにえの郡衙(ぐんが)を探せ






月イチで地元紙の矢作新報に連載している「ぶんかの定点観測」。123回目の今月は、歴史ミステリー いにしにえの郡衙(ぐんが)を探せ






「郡衙(ぐんが)」とはなにか


「郷土を知る会」より嬉しい便りが届いた。猿投山南山麓に展開した古代文化を楽しみながら学ぶ令和3年度歴史ミステリー「ふるさとカフェ」の案内である。

さて、「郡衙(ぐんが)」とはなにか。天皇が国家の頂点に立ち、太政官の下に政務を担当する8省が設置され、地方に国・郡・里(後に郷)が設置された古代国家の時代に遡る。

豊田市地域は、碧海郡に属した旧上郷・旧高岡地区を除いて三河国賀茂郡に属し、郡の下に拳母、高橋、伊保、信茂、賀茂、山田、仙陀、加祢の八郷がおかれていた。

「郡衙」とは、役場のことで、朝廷の制度に倣えば政務をとる政庁と郡内の各郷より徴収した稲などの穀物を納める正倉のほか郡司の館、役人の官舎が並んでいたはずである。

「はず」と記したのは、新修豊田市史をもってしても未だ郡衙の場所が特定されてないからで、不思議と言えば不思議だが、ここからが謎解きの面白さである。


郡衙の有力候補は次の2カ所

「ふるさとカフェ」のネタバレになるため詳しい説明は省くが、郡衙の有力候補は次の2カ所。猿投神社の文書や地名から浮かび上がったのが郡の名を冠した賀茂郷。もう1カ所は朝廷に届けられた木簡から物部千麻呂の名が知れる高橋郷の2カ所で、具体的な場所も特定した。

残念ながら現段階では仮説に過ぎないが、賀茂郷には帰化人の秦氏が、高橋郷には同じく物部氏の関りが浮かび上がるなど、とよたの古代文化史は郡衙を巡ってバトルの様相を呈してきたから謎解きはやめられない(笑)。


続きは令和3年度郷土を知る会
歴史ミステリー「ふるさとカフェ」で


ざっと令和3年度歴史ミステリー「ふるさとカフェ」について記したが、興味のある方は、是非ご予定を。

■日時/5月30日(日)午後1時半~
■講師/元豊田市郷土資料館長安藤勇さん
■会場/豊田市視聴覚ライブラリー
■参加/自由(先着順30名)
■申込み/5月1日から
■市文化振興財団☎0565・31・8804
■問合せ「郷土を知る会」
☎0565・48・5947
  


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2021年03月25日

彫刻の時代を駆け抜けた斎藤勝弘さん




地元紙の矢作新報に月イチで連載しているコラム「ぶんかの定点観測」。122回目の今月は、豊田市民文化会館正面に設置されているモニュメント「青年像」の作者で、彫刻家として活躍した斎藤勝弘さんを偲んで。





    文化ゾーンのランドマークとして親しまれている
    彫刻家・斎藤勝弘さんの代表作「青年像」


彫刻の時代を駆け抜けた斎藤勝弘さん





    地元紙の矢作新報に月イチで連載しているコラム
    「ぶんかの定点観測



「最後にかわした言葉が心残りだった、ということにならないように」田部井淳子

朝日新聞に連載されている哲学者・鷲田清一のコラム「折々のことば」によると、女性として世界で初めて世界最高峰エベレストおよび七大陸最高峰への登頂に成功したことで知られる登山家の田部井淳子さんは、「家族がどこに出かけるときも、まさかの事故の時のため、その日の服装をしかと脳裏に焼き付けるようにしてきた」そうだ。

田部井淳子さんについて、鷲田清一はこうも記している。「見るのはもうこれが最後かもしれないと思うと、その姿がとても愛おしくなる。死を意識することは、人や生き物にていねいに向き合う態度を養ってくれるのだろう」と。

私もそうありたいと願っているが、言うは易く行うは難しで、彫刻家の斎藤勝弘さんが人知れず黄泉の国に旅立った。亡くなったのは一昨年の秋というから三年目の春にして届いた訃報である。

斎藤勝弘さんは1942年瓦職人の子として生まれる。粘土塑像の技術をもった瓦職人が彫刻家の道を歩むのは必然で、1964年日彫展初入選。翌65年日展初入選。時代は東海道新幹線の開業、東京オリンピックの開幕、名神高速道路の全面開通などなど、高度成長時代真っ盛り。斎藤勝弘さんは市内初の日展作家として一躍時の人となった。

以来、斎藤勝弘さんは作品集のタイトルに「街角の詩」と名付けたように、モニュメント彫刻のトップランナーとして活躍。東海三県を中心に数多くのモニュメントを手掛けているが、代表作として知られているのが豊田市民文化会館正面に設置されている「青年像」である。

芸術性と、豊田市の歴史性を内包した青年像を見上げると、どこからともなく「元気でやっとるかん」と、あの懐かしい声が…。なんだかあっちの方が楽しそうだな。(合掌)
  


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2021年02月22日

渡邉半蔵家徳川を支えた忠義の槍






地元紙の矢作新報に月イチで連載している「ぶんかの定点観測」が11年目を迎えた。




   『邊半蔵家-徳川を支えた忠義の槍』ポスター



今回取り上げたのは豊田市郷土資料館で開催されている『令和2年度特別展渡邊半蔵家-徳川を支えた忠義の槍』

「なんか難しそう」と、敬遠される方もいると思うが、百聞は一見に如かず。この機会に足を運んでみませんか。



豊田市郷土資料館特別展
『渡邊半蔵家-徳川を支えた忠義の槍』
の概要はこちらで↓





   ぶんかの定点観測#121


昔から寺部は茶処として有名で、どの家に行っても縁側でお抹茶が出ると評判だった。昭和初期の名古屋美術倶楽部の出品目録を見たことがあるが、寺部ゆかりの道具類は秋田の佐竹家に匹敵する名品ぞろいで、膝が震えたことを覚えている。

秋田の佐竹家はオーバーだが、それもそのはずである。時の寺部藩主は幕末を代表する武家茶人十代渡邉半蔵規綱(又日庵。1792~1871)。裏千家中興の祖、裏千家十一代家元・玄々斎宗室は規綱の末弟という土地柄である。






   『渡邊半蔵家-徳川を支えた忠義の槍』展の概要



渡邉家はエピソードに事欠かないため余談に逸れたが、江戸時代の寺部を治めた渡邉半蔵家。初代守綱(1542~1620)は、徳川家康から「槍の半蔵」の名を賜る武功と信頼を得て「徳川十六将」の一人として活躍。晩年には尾張徳川家初代義直を補佐するように家康から命じられた名家である。

以後、歴代当主は一万石以上の知行地をもつ「万石以上年寄」として、幕末まで尾張藩の要職にあって尾張徳川家を支えた。

令和2年度特別展「渡邉半蔵家徳川を支えた忠義の槍」は、令和2年度が守綱没後400年の節目にあたることから豊田市郷土資料館が企画したもの。





   会場外に展示された長篠合戦図屏風のディスプレイ
   手前が守綱が持っていた長さ4・2㍍の長槍のレプリカ


家康から拝領したと伝わる「南蛮胴具足」や市指定「長篠・長久手合戦図屏風」。市指定守綱寺障壁画「松に禽鳥図」、渡邉家に伝来した大身槍、加賀藩の武士の家計簿ならぬ渡邉家の様々な文書書留などなど、新発見を含む資料をもとに、渡邉家の実像や職務を紹介。

会場の外には守綱が持っていた長さ4・2㍍の長槍のレプリカに触れるコーナーも。私も試しに持ったが重~い(笑)。


ざっと渡邉半蔵家展を概観したが、市内最古の古代寺院址が往時の豊かさを語る高橋郷から渡邉家まで、寺部の暮らしと歴史が見事に連続した構成は見応え十分。

■会期は4月11日まで。
■問合せ☎0565・32・6561。
  


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2020年08月26日

小原に永眠する わが愛しの杉田久女







地元紙の矢作新報に月イチで連載しているコラム「ぶんかの定点観測#115」より、昭和初期に日本を代表する女性俳句の先駆者として活躍した杉田久女を紹介。






杉田久女は鹿児島に生まれる。旧小原村出身で旧制小倉中学図画教諭を務める杉田宇内と結婚し小倉に転居。小原の杉田家でも暮らし、小原に所縁の俳句を詠んている。写真は旧杉田家の長屋門。邸内には長女の石昌子さんが建立した句碑が建ち、久女と宇内は邸内の墓所に永眠。久女の聖地として全国各地から訪れる人も多い。







杉田久女の名は、小原地区の松名町に句碑があるため知っていたが、それ以上でもそれ以下でもなかった。

ある夏、そんな驕った認識が一変する事件が起こった。いけばな歳時記で蓮や睡蓮など水物の句を調べたが、みな類型的で面白くない。諦めかけたとき、衝撃的な句が目に飛び込んできた。「睡蓮や鬢に手あてて水鏡」。詠んだのは杉田久女。突如、艶やかな情景が立ち上がってきたからである。

杉田久女とは何者なのか。付け焼刃を承知で調べてみてまた目から鱗。師の高浜虚子はもちろんだが、松本清張、吉屋信子、田辺聖子らが競って小説に描き、渡辺美佐子、大地喜和子、樹木希林、高橋惠子などなど錚々たる女優たちが舞台やテレビドラマで久女を演じていたからである。

 問題はここからである。杉田久女は、昭和初期に活躍した日本を代表する女性俳句の先駆者として知られているが、なぜか師の高浜虚子から敵視され破門されたというのである。「常軌を逸して虚子を慕い、周囲を攻撃し、遂には心を病んで破滅した奇人」という久女伝説である。タメにならない流言飛語だが、久女の心をどれほど傷つけたか想像に難くない。

 経緯は省くが動いたのは作家の田辺聖子。久女伝説の虚構を正し、俳人としての真価、人間としての実像を描いた評伝小説『花衣ぬぐやまつわる…わが愛しの杉田久女』を上梓。田辺聖子が描いた久女の半生は、1988年3月、NHKドラマスペシャル「台所の聖女」として樹木希林が演じ、久女の復権に向けた流れが一気に加速したのは周知のとおりである。

今年も「おばら杉田久女俳句大会」の時期が近づいてきた。残念ながら現下のコロナ禍で募集句のみとのことだが、せっかくのチャンスである。みんなでNHKプレミアムカフェに「台所の聖女」再放送のリクエストをしたらどうか。私のお願いである。宜しく。

  


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2016年10月20日

写真家の石田真典さんを悼む

 









 去る9月17日(土)、写真家の石田真典さんが、入院先のトヨタ記念病院で逝去した。享年73歳。葬儀は石田さんが願っていた家族葬で営まれ、黄泉の国に旅立った。




  10月21日発行の矢作新報より転載


 石田さんは1944年豊田市に生れる。東京写真専門学校を卒業後、ヤマウチ写真場を経て、1974年フリーカメラマンとして独立。

 時代が人を作るのか、人が時代を作るのか知らないが、写真は長い記念写真の時代から表現としての写真の時代を迎えていた。満を持しての独立である。

 そんな石田さんがライフワークとしたのが、厳寒の釧路湿原やオホーツクの海を撮り続けた「北の詩景シリーズ」だった。





  風上に顔を向けて吹雪の止むのを待つタンチョウ
  (石田真典写真集「氷点下の世界」より)



過酷な自然と一体になって一瞬のシャッターチャンスを待つ。孤高な背中が写し撮ったシリーズはネイチャーフォトの到達点の一つとして高く評価され、2005年写真家として初の豊田芸術選奨を受賞した。

 普通はこれで落ち着くところだが、石田さんの活動はその芸術性にとどまらず、とよたのアーカイヴに光を当てた「とよた今昔写真展」「生活から見たとよたの文化50年」などなど、とよたの文化を主導。





 フォスコ・マライーニ写真展の図録 


 また山岳研究家の杉本誠さんが企画した「フォスコ・マライーニ写真展」「ウェストンの見た明治・大正の日本」「日本山岳写真80年」「今、地球を歩く水越武写真展」など、日本の写真史にエポックをしるした展覧会にテクニカルスタッフとして参画。成功裏に導くなど、多岐にわたる活躍は枚挙にいとまがない。

 現在とよたの写真は、石田さんの薫陶を受けた後進が写真家として巣立ち、石田さんが拓いた道をライフワークとするなど、大きな花を咲かせているが蓋棺事定。石田さんを失った喪失感は日ごとに深まるばかりだ。  


Posted by かとうさとる at 20:50 | Comments(0) | とよたの文化

2016年08月23日

豊田世界バレコンの舞台裏と楽しみ方












今週26日(金)
豊田市民文化会館大ホールで
第4回豊田世界バレエ&コンテンポラリー
コンペティションが開催される


このバレコンは
ベルリン国際バレエコンクールなど
世界各地のバレコンの審査員を歴任した
豊田シティバレエ団の諏訪等さんが
日本バレエ界の活性化と
将来を担うダンサーの発掘を目指して
立ち上げたもの








  審査員を務めたベルリン国際バレエコンクールで
  最優秀指導者賞を受賞した諏訪等さん


近年、フランスのローザンヌの結果が
トップニュースになるなど
バレコンに注目が集まっているが
国内ではブームに便乗したバレコンも多く
年間で200回を超えるというから
競うのは出場者だけでなく
コンクールも選ばれる時代






  2011年、豊田シティバレエ団のエルミタージュ劇場公演で
  目の肥えた本場のファンを魅了した「日本のまつり」
 




  背景の建物はウズベキスタンを代表する国立ボリショイ劇場
  通称「ナボイ劇場」。建物の壁面に〈日本人貢献〉の
  プレートがはめこまれている。

  このプレートは戦後旧ソ連の捕虜となり旧満州から
  ウズベキスタンに連行された約4000人の日本人抑留者が
  建設に携わったことを記したもの

  タシケント市内には日本人抑留者が眠る墓地もあり
  日本とウズベキスタンの友好のシンボルとして
  市民の手によって大切に手入れされている

  諏訪さんは1999年ウズベキスタン国立ボリショイバレエ団と
  豊田シティバレエ団の提携を発表
  来春には日本の支援で改装された「ナボイ劇場」で
  国立ボリショイバレエ団と豊田シティバレエ団の合同公演が
  予定されている 


ロシアのエルミタージュ劇場や
ウズベキスタンの国立ボリショイ劇場など
世界的な劇場やバレエ団との
ネットワークと知名度は
草刈民代も一目をおく諏訪さんだが

地方都市というハンディもあって
残念ながら一般的には無名に近く
ほとんど持ち出しで
孤軍奮闘を余儀なくされているというのが
現実だ


私も戦友の一人として
なんとか力になりたいと思っているが
言うは易しで簡単ではない







  諏訪等さんは
  1995年バレエの本場ロシアのサンクトペテルブルグの
  国立ワガノアバレエ学校のメソッドを導入した
  日本初の『豊田バレエ学校』を設立

  こうした諏訪さんのバレエに対する情熱は
  サンクトペテルブルグ市芸術家同盟を動かし
  1997年「チャイコフスキー記念」の称号の使用許可と
  エルミタージュ劇場の使用許可に結実した
  写真はエルミタージュ劇場の館長を表敬訪問する諏訪等さん


余談に逸れたが
正直な感想を言えば
バレコンは地味系で絵にならないが
明日のプリンシパルを夢見るダンサーの
熱い闘いはリオに負けていない


どうせなら
ただ見ているだけではもったいない
自分の好みで採点して
素敵なダンサーを応援するのも
バレコンの楽しみの一つ







  前回グランプリに輝いた韓国のノ・ソンミさん
  既に世界デビューを果たすなど注目の大型新人だ


今回も海外からの参加者20名を含む
78名がエントリー


近場でこんなチャンスを逃したら
もったいない!



豊田世界バレコンは↓

■日時/8月26日(金)12時半~20時半頃まで
 決戦は夕方頃から
■会場/豊田市民文化会館大ホール
■入場/1,000円
■問合せ/0565-52-1776(バレコン事務局)
  


Posted by かとうさとる at 21:35 | Comments(0) | とよたの文化

2016年06月20日

本邦初講演「漱石が対決した正三」










  恩真寺は寛永元年(1624)頃から
  正三が草庵を結んでいた場所に建てられた寺院で
  境内には正三の墓のほか正三が修行した史跡も多い



今週の日曜日(6月26日)
郷土の偉人で江戸時代初期に活躍した
仏教思想家、鈴木正三を顕彰する
豊田市鈴木正三顕彰会の総会が
正三所縁の市内山中町恩真寺で
開催される






  地元のオピニオン紙矢作新報に月イチで連載している
  コラム「ぶんかの定点観測」より転載(6月17日発行)



この総会は
正三の命日の6月25日にあわせて
毎年6月の第4日曜日に開催されるもので
総会の呼び物の一つが
全国の正三研究者による記念講演会




講師は
「蘇る自由の思想家鈴木正三」の著者
森和朗さん






講師は
「蘇る自由の思想家鈴木正三」の著者で
NHKジャーナルなど
数多くの報道番組を担当した
元NHK国際局チーフ・ディレクターの
森和朗さん


二度目となる今回は
没後100年で沸く時の人
文豪夏目漱石を通して正三を語るというから
さすが一級のジャーナリストは
目の付け所が違う




漱石ファンも
正三ファンも必見!






森さんのお話によると
読書家の漱石は
蔵書に膨大な書き込みをしているが
大部分は英語の書物への
英語による書き込みで
和書への日本語による書き込みは
それほど多くないとのこと

ところが
その和書への書き込みの大部分が
正三七部の書の
「驢鞍橋」(ろあんきょう)と
「麓草分」(ふもとのくさわけ)を
対象にしているというから目から鱗


漱石は著書の中なかでは
正三について何も言及していないが
漱石の思想形成に与えた正三の影響力など
本邦初講演になることは必至で
漱石ファンも
正三ファンも必見


当日は参加自由で
記念講演会は11時から


受付で森さんのサイン入り
「自由の思想家鈴木正三」
「漱石の黙示録」のほか
正三の関連書籍の頒布も


問合せは
豊田市鈴木正三顕彰会
0565-88-7038(濱本)まで
  


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2016年03月18日

平戸橋考「文化は市民の育てる力」









  3月18日発行の矢作新報より転載


「ぶんかの定点観測」は地元紙の
矢作新報に月イチで掲載しているコラム



待てば海路の日和あり

 


平戸橋について
江戸時代後期の漢学者永田蘭泉は
矢作川の名勝「波岩」を衣里八景に詠み
昭和初期には愛知県新十名所の一つに
選ばれているがただの景勝地ではない


詳しくはコラムに記しているため省くが
私は職を辞する前
この平戸橋一帯の理想形を
6つのゾーンに分けてプランニング


友人で平戸橋在住のデザイナー
吉田稔さんに31枚のイメージ画を依頼
置き土産にしたことがある






例によって(笑)
個人プレーで
日の目を見ることはなかったが
待てば海路の日和あり

この春、古陶磁研究家で
名誉市民の故本多静雄さんの旧邸が
「民芸の森」として整備され
公開されることになった


4月2日(土)・3日(日)には
イメージ画に描かれたように
狂言「井戸茶碗」も上演されるというから
正夢で楽しみ
  


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2015年11月30日

忙中閑あり明日から師走














ご褒美はベランダからの眺望

主夫は布団を干したり掃除洗濯炊事と
意外と多忙で大変(笑い)
そんなときのご褒美が
ベランダからの眺望






正面の 左が焙烙山
右が市指定の
六所神社農村舞台のある六所山

その六所山の麓一帯に広がるのが
司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズの
絶筆となった「濃尾三州記」に
描かれた松平郷







徳川の始祖となった松平氏は
正面の山並みを左から右へ
岩津~安城~岡崎と
三河平野に進出したが
目を凝らしていると
タイムスクープハンターになったような
気になるから楽しい




さて、余談に逸れたが
昨日は終日
全国地芝居サミットと
市民合唱団とバレエを堪能








全国地芝居サミット二日目は
午前10時から
深見町磯崎神社農村舞台で開幕(上)
写真は「萩野子ども歌舞伎」の上演





全国地芝居サミットは
最後の一番をパスしてコンサートホールへ







コンサートホールから
信州の雪山が見えるようになると
三河のとよたも初冬の証

恵那山を真ん中に右に南アルプス
左に木曽駒ケ岳など中央アルプスが
さらに北に目を転じると
御嶽の山頂が遠望できる







さて、合唱団のプログラムは

第一部「サンド・オブ・ミュージック」
第二部オペラ・アリアと合唱曲の花束
第三部「メリー・ウィドウ」ハイライト
と誰もが知っている名場面のいいとこどり

一般に合唱団の定演というとピアノ伴奏を
イメージする人も多いと思うが
伴奏は生のオーケストラで
指揮はベルリンフィルを指揮した竹本泰藏
ゲストも一流のソリストと半端じゃない


至福の時間は短いというが
第二部でプッチーニのオペラ
『トスカ』のアリアを歌った
二宮咲子さんに思わず落涙




夜は市民文化会館大ホールの
豊田シティバレエ団冬季特別公演
「くるみ割り人形」を堪能






  写真は前年の「くるみ割り人形」より転載


豊田シティバレエ団の
舞台美術とアンサンブルの見事さは
観た人の特権で説明は省くが
圧巻は長年、東京バレエ団の
トップダンサーとして活躍してきた
客演の高岸直樹さんと井脇幸江さん
中でも高岸直樹さんは異次元レベルで絶句
  


Posted by かとうさとる at 18:42 | Comments(0) | とよたの文化

2015年11月27日

週末のお薦めガイド










11月29日(日)は
地歌舞伎と合唱とバレエの日
とつけた理由






地元紙に月イチで連載しているコラム
「ぶんかの定点観測」に記しているように

11月29日(日)は
■「全国地芝居サミットinとよた」の地歌舞伎公演
■豊田市民合唱団の創立30周年定期演奏会
■豊田シティバレエ団の「くるみ割り人形」の3公演が重複

いずれも「とよたの文化団体」の到達点を
内外に発信する重要な催しもので
開演の時間差を利用すれば
1日で地歌舞伎と合唱とバレエを
愉しむことができることから
勝手に命名したもの


■全国地芝居サミットinとよた





(プログラム)
11月28日(土)/豊田市民文化会館
13:00 小原歌舞伎保存会「三番叟」
13:30 式典
14:00 石野歌舞伎保存会
    子ども歌舞伎「白波五人男稲瀬川勢揃いの場」
14:30 対談「地芝居の楽しみ」安田文吉、大澤寅雄
15:40 小原歌舞伎保存会
    子ども歌舞伎「稚児揃曽我の敷皮由比ヶ浜」
11月29日(日)/深見町磯崎神社農村舞台
10:10 萩野子供歌舞伎
    子ども歌舞伎「白波五人男稲瀬川勢揃いの場」
11:00 藤岡歌舞伎「一の谷ふたば軍記流しの枝」
13:00 旭歌舞伎保存会「御所桜堀川夜討弁慶上使」    
問合せ/市文化振興財団☎31-8804



■創立30周年記念
豊田市民合唱団定期演奏会


日時/11月29日(日)14時開演
会場/豊田市コンサートホール
入場/2000円






市民合唱団は

昭和61年豊田市で初の第九演奏会に出演した
第九合唱団を母体に結成

以来15回に及ぶ第九演奏会の開催
豊田ジョイントコンサートなど
豊田の音楽シーンは市民合唱団を抜きに語れない

この間、平成18年度愛知県藝術文化選奨文化賞を
受賞するなど実力は折り紙付き

30周年を記念した今回のプログラムは
ミュージカルの名曲集、オペラ・アリアと合唱曲のコラボ
オペレッタ「メリーろウィドウ」など
誰もが知っている音楽シーンのスペシャルバージョン





ゲストもイタリアのプッチーニ財団の「蝶々夫人」で
世界デビューした二宮咲子さんなど多彩
これで2千円というからタダみたいなもの

問合せ/市民合唱団☎32-7013(都築)



■豊田シティバレエ団冬季特別公演
るみ割り人形全2幕


日時/11月29日(日)18時開演
会場/豊田市民文化会館大ホール
入場/3000円








くるみ割り人形は

クリスマスイヴの夜
プレゼントにもらった「くるみ割り人形」を
抱いたまま眠ってしまった少女クララが観た
夢の世界を描いたファンタジー

ゲストもバレエの本場、ロシアのサハ共和国国立バレエ学校
(王子)高岸直樹(東京バレエ団特別団員)
(金平糖の精)井脇幸江(元東京バレエプリンシパル)と贅沢

問合せ/豊田シティバレエ団☎54-0881  


Posted by かとうさとる at 22:27 | Comments(0) | とよたの文化

2015年10月28日

証言記録「藤井達吉の遺したもの」は







語り部による
貴重なアーカイヴ



昨日は
加納俊治先生の追悼の中でも触れた
小原和紙の黎明期を語り部で記録する
「映像証言記録」の対応について協議






もとはと言えば
私は「小原和紙三人展」など
仕掛け人の一人で
昔の仕事仲間に駆り出されたものだが
高見さんの枝豆と柿の手土産に
思わず「いいよ」と2つ返事で安請け合い
ホントに懲りていないよナ(苦笑)

余談に逸れたが
収録した映像リストを見せていただいたが
プロジェクトがスタートして
あしかけ20年近くになるため
取材をした人の中には
既に亡くなった方もいるなど
みな貴重なアーカイヴばかり


問題はこのコンテンツを
いかに学術レベルの映像記録に
編集するか否かだが
ここから先は
無責任なことは言えないため
後日にするが
活字と映像は両輪






  「藤井達吉の全貌」は近年の藤井達吉研究の成果を問う
  意欲的な企画展として話題を集めた(岡崎市美術博物館)




近年、碧南市藤井達吉現代美術館の
木本文平館長らの研究によって
小原和紙を主導した藤井達吉の全体像が
明らかになってきたが
これらはみな活字媒体で
映像による関係者の証言記録は手つかず

というよりも
関係者や当時を知る人はみな高齢化で
既に逝去した人も多く手おくれ

「なんでも鑑定団」風にいえば
「いゃ~、大変貴重なものですから
お大事にしてください」と
天の声が聞こえてくるようで
責任重大
  


Posted by かとうさとる at 19:48 | Comments(0) | とよたの文化

2015年06月08日

豊田市文化振興財団交流会で受賞者が合コン






東海地方が梅雨入り





名古屋地方気象台が東海地方の梅雨入りを発表した
カキツバタも名残のひと花になってしまったが
梅雨入りを見届けたから
もういいかな


昨夜は年に一度の
豊田市文化振興財団交流会







  公益財団法人豊田市文化振興財団交流会で紹介された
  平成27年度文化表彰者(名鉄トヨタホテル)



交流会は
豊田市文化振興財の文化表彰受賞者を中心に
各界の代表者や文化関係者約400人が一堂に会し
文部科学副大臣もサプライズ参加

表彰者は
文化賞にトヨタ自動車「MIRAI」開発プロジェクトチーム
芸術選奨に洋画家の森木明さんほか5部門で15個人1団体

受賞者を代表して「ミライ」のプロジェクトリーダーが
開発秘話をサラリと語ったあと
マイクにゴツンと頭をぶっつけて笑いをとるなど
みんな役者


こちらは映像部門で
財団功労賞を受賞した
高見悦子さん↓






  「ブログにアップするけどいいかな?」と私
  「ふんっ!どうせ悪口しか書かないでしょっ」と高見さん

  「わかった、わかった、悪いようにはしないから」と私
  「(機嫌を直して)じゃ、楽しみにしているからね」と高見さん
  


悪ガキの頃、高見さんは私の一級下の噂のマドンナだったが
古希を過ぎればみんなジジとババでお友だち

高見さんがお世話になった先生や職場時代の幼稚園長仲間
映像部会の仲間がテーブルを囲んで
昔話に花が咲いた

各テーブルも受賞者の仲間がかけつけて
みんなで祝杯をあげたり
写真を撮り合ったりして大盛会

みんな頑張ってきたから
こんなご褒美があってもいいよね  


Posted by かとうさとる at 23:46 | Comments(0) | とよたの文化

2015年01月08日

オペラと能、どちらがすごい?




一度で二度美味しい
~舞台芸術入門~



オペラと能、どちらがすごい?
と言われても

囲碁の本因坊と将棋の名人の
どちらが強いか?
決めるようなもので
笑っちゃう







ところが
そんな無茶振りにもかかわらず

東の花道から能の語り部
柳沢新治先生が

西の花道からオペラの語り部
都築正道先生が
土俵に上がったからびっくり!






初心者にはわかりやく
わかっている人にはより深く

初春らしく大喜利のような
楽しいバトルになることは請け合い

だれが
こんな達人を
組み合わせたのか知らないが

お年玉のようなもので
しかもタダというから太っ腹!



オペラと能、どちらがすごい?
■日時:1月10日(土)午後1時開演
■会場:豊田産業文化センター小ホール

問合せ
■豊田市文化振興財団☎0565-31-8804
■コンサートホール・能楽堂☎0565-35-8200
  


Posted by かとうさとる at 16:36 | Comments(0) | とよたの文化

2015年01月07日

61期かるた名人位に豊田市の春野健太郎5段が挑戦












松の内の明けは
競技かるたの名人・クイーン戦が
終わるまでお預け






今日は松の内が明け
七草粥を食べた人もいると思うが
私は近江神宮で行われる
競技かるたの名人・クイーン戦が
終わるまでお預け


競技かるたとの関わりは省くが
特に今年は
春野健太郎5段が挑戦者ということで
目が離せない


春野健太郎さんは
東大かるた会所属となっているが
トヨタの社員で豊田市在住
みんなで応援しよう




61期名人・59期クイーン戦は↓

■とき:1月10日(土)
■会場:近江神宮(滋賀県大津市)




  


Posted by かとうさとる at 20:51 | Comments(0) | とよたの文化

2014年10月23日

古橋源六郎暉皃と古橋懐古館

















安倍総理が所信表明で
地方創生のケーススタディとして紹介した
古橋源六郎暉皃




コメントは省くが
地方創生は
第二次安倍改造内閣の
重要課題の一つ

この地方創生の理念について
安倍総理は先月末の所信表明で
豊田市の旧稲武町の名家
古橋家の六代目当主
古橋源六郎暉皃(1813~92)の
言葉を引用した

ちなみに現当主は
元総務庁事務次官の古橋源六郎氏

余談に逸れたが
小泉総理が引用した「米百俵」と違って
暉皃は全国的には無名で
国会記者も慌てたのではないか






昨日の朝日新聞が
この暉皃について詳しく報じた






少し補足すると
暉皃は林業など産業を興して
村を発展させるとともに
江戸に上って
国学者平田鉄胤の門に入り勉学







パンフレットの懐古館は
暉皃から三代にわたって蒐集した
幕末から明治を駆け抜けた偉人や
儒学者のコレクションを展示する
知る人ぞ知る全国でも一級の
歴史民俗博物館


政治の話は抜きにして
古橋家と懐古館のことが
正当に評価され
全国に知れるのは
地元の一人として嬉しいもの



この秋は古橋懐古館に
立ち寄ってみてはいかが






香嵐渓と並ぶ紅葉の名勝大井平公園は
暉皃が植林した山を整備したもの

大井平公園と懐古館は1~2キロほどの距離
この秋は古橋懐古館に
立ち寄ってみてはいかが

  


Posted by かとうさとる at 12:14 | Comments(0) | とよたの文化

2014年10月07日

バレエを敬して遠ざけている人に









大人も子どもも
バレエを観たことのない人も
みんな一緒に楽しめる
バレエファンタジー

くるみ割り人形が
今年も 
とよたに帰ってきた









物語の舞台はドイツ
クリスマス・イヴの夜
プレゼントされたくるみ割り人形を
抱いて眠ってしまった少女クララが観た
不思議な夢の世界を描いた
バレエファンタジー






地元の坊主より遠くの坊主というように
とかく地元は軽視されることが多いが
豊田シティバレエ団が苦戦しているのも
こうした偏見によることが多いのではないか

バレエを敬して遠ざけている人も
グランドバレエをまだ観たことのない人も
百聞は一見にしかず

近場で値段も3000円とお値打ち
この機会にお友達を誘って
お出かけになりませんか






出演は↓
NPO法人豊田シティバレエ団
エトワールバレエ団
ロシアサハ共和国ヤクーツク国立バレエ学校

演奏は↓
愛知学泉大学オーケストラ

  



  サハ共和国はロシア最大の共和国
  近年はダイヤヤモンドや石油、天然ガスなど
  世界有数の地下資源を巡って
  日本政府は「戦略的重要国」として位置付けて
  資源外交外を展開

  
  南極を除いて世界で最も寒い国として知られ
  愛知万博で話題になった「マンモス」は
  サハ共和国の永久凍土から出土したもの

  






■上演:10月11日(土)18:00開演
■会場:豊田市民文化会館大ホール
■入場:3,000円
■問合せ:☎0565-54-0081






  


Posted by かとうさとる at 21:13 | Comments(0) | とよたの文化

2014年06月08日

今年も恩真寺で鈴木正三記念講演会







「松のことは松に聞け」というが
鈴木正三とはどんな人物だったのか
正三が生まれ育った地元
足助の研究者に聞くが一番



郷土の偉人で江戸初期に活躍した
仏教思想家鈴木正三を顕彰する
顕彰会総会が今年も正三ゆかりの
恩真寺で計画されている

総会の楽しみは
鈴木正三について
研究者が様々な角度から語る
記念講演会

本年度は郷土史家で
鈴木正三研究家の鈴木昭彦氏
講演は「心月院について」

鈴木昭彦氏は父で鈴木正三研究の
端緒をひらいた博覧強記の郷土史家
鈴木茂夫氏の薫陶を受けた
正三研究の第一人者



会場は鈴木正三ゆかりの 恩真寺↓





■日時⇒6月22日(日)11時~12時
■会場⇒恩真寺(豊田市山中町)
■参加⇒自由
■問合せ⇒鈴木正三顕彰会事務局
那須邦子☎0565-42-1700



初めて鈴木正三の名を聞く人に
お薦めしたい正三入門書↓






          発行所⇒PHP研究所
          定価⇒762円+税



鈴木正三とは
どんな時代に生きた人物で
どんなことをして
現代の日本にどんな
影響を与えたのか

鈴木正三研究会会長の
神谷満雄先生が
初めての人にもわかりやすく
書き下ろした鈴木正三入門書






          発行所⇒鳥影社
          定価⇒1,800円+税



本書は
元NHK国際局チーフディレクターとして
激動する世界経済の変遷をリアルタイムで
見続けてきた森和朗氏が
グローバルスタンダードと言う
欧米主導の経済の仕組みの限界と処方箋を
鈴木正三の思想をテキストに
解き明かした渾身の一書

鈴木正三を知らない人でも
一気に読める目から鱗の
鈴木正三入門書










  


Posted by かとうさとる at 22:54 | Comments(0) | とよたの文化