2013年04月22日

針の糸が通らない












子どもの頃
破れたズボンなどを繕う母親から
「針の糸が通らないから通して」と
よく頼まれた



針の糸が通らない

               絵本作家の中村広子さんの画



私が簡単に針に糸を通すと
母は「近頃目が悪くなった…」と
独り言を呟きながら
黙々と夜なべをしていた


多分私たちの世代であれば
そんな思い出の一つや二つは
みんな持っているのではないか



こんな昔のことを
思い出したのは
今日の話


いつも家で着慣れている
ズボンの裾がほつれたため
捨てようかどうしようか迷ったが
自分で繕うことにした




針の糸が通らない


「門前の小僧習わぬお経を読む」の喩で
簡単な繕いぐらいは私でもできると
押し入れの奥から
亡くなった妻が使っていた
裁縫箱を探しだした


針に糸を通そうと
何度試しても糸が通らない

針を翳して明かりに透かしてみたが
穴が小さくて神の手でもムリ


私の小さな挑戦は
部屋を散らかしただけで
徒労に終わったが
いつの頃から針の穴は
こんなにも
小さくなってしまったのだろうか


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Posted by かとうさとる at 23:35 | Comments(0) | らくがき帖
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