古民家に命を甦らした「奴奈川姫の家」

かとうさとる

2012年09月20日 01:10












集落の人にお礼のご挨拶






芝峠温泉の近くから見た蓬平集落
写真中央白い横断幕が小さく見える杉木立の中が
蓬平いけばなの家

「お世話になりました」と集落の人にお礼のご挨拶
朝採りの野菜を手土産にいただいて
妻有に新しい親戚ができたみたい
その足で室野集落の古民家「奴奈川姫の家」へ




古民家の構造美に
言葉を失う






「奴奈川姫の家」は私のワークショップに参加いただいた
十日町の岩田重信さん、金由起さんご夫妻が
元は茅葺きだった築140年の古民家を5年をかけて改修した別宅








一階の部分
見事な梁と洗練された空間構造に絶句
思わず「内部は直されたのですか」と私
「いいえ、元の形に戻すために改修したもので
140年前のままです」と岩田さん

「大地の芸術祭がはじまる前まで
古民家は価値のない建物といわれて見向きもされませんでした
私たちの願いはこの家が次の人に受け継がれていくことです」と
岩田さん








こちらが二階
峠の「脱皮する家」は彫り込むことで
古民家に新たな生命を与えたが
「奴奈川姫の家」は元の構造を露わにすることで
古民家に生命を甦らした

「失礼ですけど岩田さんは何をされている方ですか」と私
「十日町で草木染めの伝統工芸士をしています」と岩田さん
「ふるさとの宝物を発掘保存する会の会長もしています」と奥さん

柱や梁の質感は草木染め染料で岩田さんが
一筆ひと筆塗ったとのことで最高の贅沢
これで疑問は解けたが世の中は広い

最後に積雪について尋ねたところ
「玄関の庇まで雪で埋まります
冬の妻有もいいですよ
今度は冬に遊びにいらっしゃつてください」と奥さん


居間で「十日町でトコロテンっておかしいでしょう
でも私は好き」と奥さんにトロテンを奨められたが美味
いただいたお茶も美味しく
全てが贅沢








ご夫妻からいただいた案内








こちらは「ふるさとの宝物を発掘保存する会」のお仕事


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