作品ライブラリー(10)バレエから想を得る

かとうさとる

2008年12月09日 03:21









グラン・パ・ド・ドゥ(1982年)


グラン・パ・ド・ドゥ

次の作品に進む前に時計の針を少し戻したい。

この作品は「作品ライブラリー5」でとりあげた「和紙と木彫・陶と華四人展」で発表したもので、私が好んで使う色彩の「鉛丹」の端緒となった作品である。

想の元となったのは、1978年、上野の東京文化会館で観た「世界バレエ・フェスティバル」だった。私が30年も前に観た舞台の年を覚えているのは、同じ日、お茶の水の主婦の友ビルに「いけばなイベント」の企画書をもって工藤昌伸先生を訪ねているからで、前しか見えなかった眩しい日々の記憶と重なるからである。

バレエ・フェスティバルはその日の夜観たもので、1組のダンサーが演じたグラン・パ・ド・ドゥに鳥肌がたってしまった。この作品はこのときの衝撃を表したものである。

■素材:工事用建材、塗料/寸法径30㌢×長さ210㌢×7本
豊田市民文化会館(豊田)/1982年

関連記事