2013年04月30日

伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村









信州で2番目に山奥の村



伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村

大鹿騒動記のサイン入りポスター(ビガ―ランド観光協会)


原田芳雄の遺作となった話題の映画
「大鹿村騒動記」の舞台となった南アルプスと歌舞伎の里
大鹿村は中央自動車道松川インターから車で約40分ほど。



伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村


伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村

大鹿歌舞伎パンフレットより転載


信州で2番目に山奥の村の楽しみは
大鹿村騒動記で全国に知られた
国選別無形民俗文化財大鹿歌舞伎。

大鹿歌舞伎は、300余年前から
大鹿村の各集落の神社の舞台で演じられてきた村歌舞伎。
盛期には村内の13箇所に芝居専用の舞台があったというから
話を聞くだけでもその熱狂ぶりが目に浮かんでくる。

天保の改革の禁止令や明治の警察による圧力など
村歌舞伎や人形浄瑠璃が受けた迫害の歴史は
こうした民衆の熱気を畏れたもので
いつの時代も為政者の考えることは同じ。



伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村

「大鹿村騒動記」で大鹿歌舞伎が上演された大磧神社
鳥居の後方に二本の御柱が立っているが見えるかな


デジカメの電池が切れたため写真に撮ってないが
鳥居をくぐると御柱が結界のように立っていた。

御柱と言えば諏訪大社の御柱祭が良く知られているが
伊那谷と諏訪地方が一つの文化圏として繋がっている証で
興味は尽きないが、これはまたの機会にして省略。



伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村

大鹿歌舞伎春公演が上演される大磧神社農村舞台


大磧神社の舞台は間口6間(10.8m)、奥行き4間(7.2m)
回り舞台があり、上手に太夫座、下手には花道がついている。

私なりに各地の農村舞台を見てきたが
気負いのない身の丈を伺わせる佇まいは生きている証で
「大鹿村騒動記」の舞台になったのも納得。


伝統は未来につなぐ力


余談に逸れるが
豊橋で発行している三遠南信の応援誌「叢」の「アート点描」で
美術評論家の鈴木敏春さんの取材を受けたことがある。



伊那谷探訪(下)映画「大鹿村騒動記」の村

黒田人形浄瑠璃保存会からお土産にいただいた地元のお酒「喜久水」
飯田で一番多く飲まれている定番酒で、軽くて飲み飽きない酒通のお酒とのこと


予てから「叢」のレベルの高さに注目していた私は
撮影のため同行した写真家の山本典義さんに
「叢」を支える豊橋の民度に敬意を払っていることを伝えたが
山本さんから返ってきた言葉は意外なものだった。

「かとうさん!一度、飯田に行ってくるといいよ」と山本さん。
話を聞くと、飯田の文化の高さに衝撃をうけて
「叢」をはじめたとのこと。

その時は「叢」のレベルを知っているだけに
半信半疑というのが正直な感想だったが
まさに百聞は一見に如かず。

私たちは「伊那谷は芸能の宝庫」と一口に言うが
伝統とは播いた種を育てて未来につなぐ力で
前衛の連続ということを見落としていたのではないか。

今年も農村舞台アートプロジェクト2013を予定しているが
私の飯田詣でははじまったばかり。


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Posted by かとうさとる at 21:19 | Comments(0) | 農村舞台
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