2012年10月13日
豊田市美で青木野枝|ふりそそぐものたちはじまる
豊田市美と名古屋市美が
青木野枝展で連携企画に挑戦
今日から豊田市美術館で名古屋市美術館との連携企画展
青木野枝|ふりそそぐものたち
が名古屋市美術館に先駆けてはじまった
美術館の連携企画といえば
愛知県美術館と名古屋市美術館が共同開催した
環流日韓現代美術展の鮮烈な記憶を今も想い出す
残念ながら行政の垣根があるのかわからないが
環流以後、こうした刺激的な連携企画展の話を聞いたことがない
青木野枝展は
こうした行政の垣根を払しょくする試金石になるもので
話を聞くと、豊田市美術館と名古屋市美術館が共に青木野枝展の
構想を持っていたことから協議を重ね実現したものとのこと
名古屋市美術館に在籍したことのある
吉田俊英豊田市美術館長の柔軟な思考とリーダーシップが
主導したことは明白で吉田館長に拍手(パチパチパチ)
今回の見どころは
日本を代表する建築家の谷口吉生設計の豊田市美術館と
黒川紀章設計の名古屋市美術館
モダンとバロック、二つの空間に青木野枝が挑むというもので
作家にとつても力量が問われる賭けなようなもの
青木の勇気にも拍手(パチパチパチ)
青木野枝について
プレス用の資料を簡潔にすると青木野枝について
【青木野枝(1958年-)は今日の日本を代表する彫刻家です。
鉄板を溶断、溶接し、
円や丸などの基本となるかたちをつないで作られる作品は、
自然において循環する折々の水のすがたをあらわしています。
大気に立ちのぼる水を青木ほど主題とする作家は他になく、
彫刻の表現に新しい可能性をもたらしました。(後略)】
1958年 東京に生れる(2012年現在東京在住)
1983年 武蔵野美術大学大学院造形研究家(彫刻コース)終了
受賞歴、展覧会歴、パブリックコレクション多数
(以下省略)
谷口吉生の空間に
生命の場を得た青木野枝
パンフレットから転載した作品イメージ
青木野枝の凛とした立ち姿は谷口吉生の空間と共振し
作品の気に包まれていると
俳諧の世界に漂っているように思えるから不思議
もしかしたら青木の世界は見る世界ではなく
五感で感じる世界なのかも
一週遅れてはじまる
名古屋市美術館の展観が楽しみ
まだまだある豊田市美術館
余り豊田市美術館のことを褒めると一種の褒め殺し
贔屓の贔屓倒しになってしまうのではと心配になるが
ここは観たままを記すしかない
展8の「コレクション展」は
いい意味の想定外で衝撃
豊田文化フォーラムのゲストに招かれた
21世紀金沢美術館長は豊田市美術館のコレクションについて
「話に聞いていたが想像以上にモノがいいのに驚いた
もしこのコレクションがオークションに出たら
買えるかどうかわからないが私たちも買いたいものばかり」
という主旨の感想を述べた
まあ、社交辞令で話半分程度に聞いても
コレクションの充実度が理解いただけるのではないか
余談に逸れたがイタリアのアルテポーヴィラに加えて
ボイス、ブランクーシ、トニ―・クラック、草間弥生などなど
ビッグネームが見事な展示で展観
圧巻は田中敦子と中原浩大の展示で
その美しさに一瞬声を失ってしまった
高橋節郎館では「円環|現代美術と漆の饗宴
普通の美術館であれば目玉になる
ウイーン分離派のエゴン・シ―レや横山大観や速水御舟などなど
野外に目を転じるとリチャード・セラ、ヘンリー・ムーア
金子潤(写真)がさり気なく展示されるなど贅沢さはもう説明不要
ウイーン分離派のエゴン・シ―レや横山大観や速水御舟などなど
野外に目を転じるとリチャード・セラ、ヘンリー・ムーア
金子潤(写真)がさり気なく展示されるなど贅沢さはもう説明不要
展覧会で疲れた方はこんな癒やしの隠れスポットも
アクセスと問合せはこちら
豊田市美術館|10月13日(土)-12月24日(月・祝)
名古屋市美術館|10月20日(土)-12月16日(日)
Posted by かとうさとる at 23:19 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー