2014年06月26日

能勢の鹿角座は人形浄瑠璃のスーパー歌舞伎
















小田木人形座準備会が宿泊研修


先週の21日(土)・22日(日)
江戸時代の中頃、稲武地区の小田木に伝えられ
明治の初めに途絶えた小田木人形座の復活に向けた
地域プロジェクト「小田木人形座準備会」の
宿泊研修があり私も参加した

準備会が研修先に選んだのは大阪のてっぺん
浄瑠璃の町おこしでサントリー地域文化賞を受賞した能勢町

能勢町の説明は省くが
全国各地の舞台芸術に詳しいジャーナリストの奈良部和美さんから
「勉強するなら能勢に行くべき」と薦められていたが
まさに百聞は一見にしかず
見ること聞くことすべてが新鮮で目からうろこ


参加したのは



稲武地区の市議会議員、商工会、観光協会
信用金庫支店長、交流館長、支所の職員など総勢18名


みんないい心臓している(笑い)





小田木人形座準備会のミーティング(?)に
能勢町の仕掛け人「浄るりシアター」の館長と黒衣隊が
飛び入りで歓迎のサプライズ

小田木は絵に描いた餅にもなっていないのに
言うにコト欠いて
「能勢と小田木で姉妹提携ができるといいね」と
みんないい心臓している(笑い)


私たちが能勢に学ぶ理由


パンフレットによると
能勢は古くから地域芸能として素浄瑠璃が語り継がれてきたそうだ

現在でも約200名の語り手が存在し
町内の各地区に太夫襲名の碑が100余も残っているというから
能勢の人たちがいかに浄瑠璃になじみ親しんできたか
わかろうというもの

この《能勢の浄瑠璃》に、人形・囃子を加えて
能勢人形浄瑠璃が誕生したのが1998年

ここまでは普通だが
浄瑠璃の伝統はあっても
人形遣いはいない、カシラはない、衣装はない、お金もない?
何をやっても本場大阪の文楽の歴史には追いつけない
という後発のハンディを逆手にとって
地場産業の伝統工芸技術をとりこんだ
能勢オリジナルといわれるスタイルを確立したから
驚き

さらに
能勢は人形浄瑠璃の立ち上げに苦労した体験を生かして
同じような悩みを抱える
全国の人形浄瑠璃と伝統芸能を応援する《黒衣隊》を立ち上げて
「まちの芸能活性化大作戦」を全国展開
能勢の名を全国ブランドにしてしまったから
やることが半端ではない


そんな地場産業の一つ
(株)谷尾の工場にお邪魔










社長の谷尾さんは《黒衣隊》のメンバーて浄瑠璃のお師匠さん
能勢の歴史や浄瑠璃の歴史、能勢人形浄瑠璃の裏話などなど
身振り手振りでレクチャーいただいたが
小田木が知りたいこと、聞きたいことばかり

こんなアツい人が両の手に余るというから
能勢は本物



伝統×オリジナル
鹿角座は人形浄瑠璃のスーパー歌舞伎











本番は撮影禁止ため写真をお見せできないのが残念だが
《能勢の人形浄瑠璃》は人形浄瑠璃の伝統に学びながら
演劇の手法を取り入れた斬新な演出でビジュアル化

一言で言えば
市川猿之助のスーパー歌舞伎の人形版というのが私の感想

当日のプログラムは
こども浄瑠璃が演じる「能勢三番叟」
牛若丸と弁慶の出会いを描いた
「鬼一法眼三略巻」より「五条の段」
最後は「壺阪観音霊験記」の三本

思わず「スーパー歌舞伎だ」と唸ってしまったのが
三本目の「壺阪観音霊験記」
残念ながら字数オーバーのため話はここまで






浄るりシアターの玄関で「壺阪観音霊験記」の
沢市(写真上)とお里(写真下)が見送ってくれたが
こんな小さな人形が舞台では等身大の人間に見えたから
不思議

詳しくは「浄るりシアター」
☎072-734-3241
またはネットで検索を

  


Posted by かとうさとる at 17:18 | Comments(0) | 農村舞台