2014年06月07日

懐かしの妻有再訪






もう一度
出直ししなければ
恥ずかしい



先のブログで
中川幸夫-奇跡の花-について
〈第二のふるさと富山で
中川幸夫里帰り展〉と記したが
だれでも生まれ育った故郷とは別に
人生の親戚のような
懐かしい「場所」があるのではないか


私にとって
大地の芸術祭で通い続けた
新潟県の十日町市を中心とする
越後妻有がそうだ

過日、その十日町市の染色家の
岩田重信さん(伝統工芸士)夫妻から
「古民家で花展-野の花と遊ぶ-」の
ご案内があり
思い立って車を走らせた






   夏草や兵どもが夢の跡
   主を待つ無人の「蓬平いけばなの家」





   私がご挨拶をすると
   「覚えていて帰ってきてくれると嬉しいネ
   「(越後妻有アートトリエンナーレ2015が)来年あるけど
   やるよネ」と、蓬平の人も風景も時計の針が止まって
   みんな親戚のようなもの




奴奈川姫と「奴奈川姫の家」





   右がご案内いただいた岩田重信さん夫妻





   奴奈川姫の家は岩田重信さん夫妻が空き家になっていた   
   古民家を5年の歳月をかけて手入れした別宅


星峠の「脱皮する家」が
古民家を彫刻することで
建物に生命を与えたのに対して
奴奈川姫の家は建築当時の構造を
露わにすることで建物に生命を与えた





奴奈川姫の家は
普段はクローズしているそうだが
来年は越後妻有アートトリエンナーレの年

何かいいプランがないものだろうか
クローズするにはもったいない



ここで聞きなれない
「奴奈川姫」につて説明すると


岩田さん夫妻は古民家になぜ「奴奈川姫の家」と名付けたのか
そもそも「奴奈川姫」とは何者なのか気になっていたが
北陸道の「親不知ピアパーク」で、糸魚川市が「奴奈川姫」を
市の観光資源してPRしていることを知った

パンフレットによると「奴奈川姫」(ぬながわひめ)は
古事記や出雲風土記に登場する高志国(こしのくに)の姫で
出雲の大国主命(おおくにのぬしのみこと)と結婚

二人の間に生まれたのが建御名主命(たけみなかたのみこと)で
建御名主命は諏訪大社の主祭神として
奴奈川姫は安産、子宝の神さまとして祀られている

この奴奈川姫が産まれたと言われているのが
新潟県糸魚川市で妻有の松之山にも
奴奈川姫伝説が伝えられている

私が知らなかっただけで
彼の地では奴奈川姫は神話伝説のヒロインで
不明を恥じるしかない




前置きが長くなってしまったが
お目当ての「古民家で花展」は
身近な山野草を器に飾って
みんなで楽しむという「座」の集い



驚いたのは(失礼)
お客さんがひきもきらず
中には貸し切りバスで来たという
団体さんも
一体どうなっているのかな








岩田さん夫妻に請われて
簡単なレクチャーをしたが
みんな熱心

もしかしたら
妻有から地域に根付いた
「野のいけばな」が誕生するかも



美人林ではこんなコンサートも








美人林コンサートは
N響メンバーらによる
特別編成の美人林弦楽四重奏団と
「オペラ騎士団」のジョイントコンサート

残念ながら間に合わなかったが
メンバーに感想を伺うと
「見上げると白い雲が木立に揺れていて
歌っていて涙が出てきました」と
語ってくれた

私も
もう一度出直ししなければ
恥ずかしい
  


Posted by かとうさとる at 11:24 | Comments(0) | いけばなから