2013年04月28日

茶人の美意識に学ぶ












花/山藤
器/ガラス皿


京都で雨が降ると
壁に水を打つ茶会が流行った理由


時は6月下旬。
小堀遠州の京都伏見屋敷に三人の数寄者が遠州を訪ねた。
遠州は早速三人を茶席に迎え入れたが
席入が済んだところで、急に夕立が降ってきた。

通り雨で中立の頃には雨もあがり
後入で席入りした三人は、床を拝見して首をかしげた。
床には花入れのみで花はなく
代わりに床の壁にさっと水が打たれていたからである。

中立で雨に洗われた木々の美しさを見た目には
どんな花を活けても敵わない。
壁の水によって雨に洗われた外の景色を思い起こさせようという
遠州の作為で、現代美術のアートシーンも真っ青。

この逸話にはオチがあって
この後、京都では遠州の作為に倣って
雨が降ると壁に水を打つ茶会が流行ったというから
話が上手く出来過ぎているが
遠州の美意識に学ぶものは多い。

  


Posted by かとうさとる at 19:36 | Comments(1) | 花日記