2009年09月10日

妻有ギャラリー(7)衝撃の向井山朋子


向井山朋子とは何者か

今回私が最も衝撃を受けたのが向井山朋子「Wasted」。五感に高圧電流が流れたような衝撃に言葉を失った。アントニー・ゴームリ―の作品もそうだが、衝撃的作品に限って写真が上手く撮れていない。そもそも学校の体育館を埋め尽くしたインスタレーションをデジカメで撮ろうと思うのが無謀な試みで、諦めるしかないようだ。

向井山朋子とは何者か。ガイドブックを開くと「オランダを拠点に世界で活躍するコンサートピアニスト」とある。「ピアニスト?」、頭が混乱して理解不能。そんな訳でインターネットで検索。私が知らないだけで、とんでもないアーティストということがわかった。興味のある方はネット検索をお薦め。






満天の星座のように吊り下げられた純白なドレスを見上げる



さて、余談に逸れたが向井山朋子「Wasted」は、純白のドレス12,000着を空間にインスタレーションしたもので、プロジェクトは会期終了後、インドネシア、オランダなど全5ヶ国を巡回するとのこと。「参加者は衣服を受け取り、月経のときにパフォーマンスをする。その体験が、作家にフィードバックされ、次のコンサートにつながる」というコンセプトは絶句。




月経の血で染めたのか、ドレスの塔に錆びた朱が滲んでいる。後日「吐き気がする」と、拒否した人もいたと聞いたが納得。



向井山朋子の胎内?それとも幻覚か。
  


Posted by かとうさとる at 01:08 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」

2009年09月10日

妻有ギャラリー(6)妻有にアーカイブが誕生


インターローカルアートネットワークセンター

硬質な輝きで異彩を放っていたのが清水・松代生涯学習センター(旧清水小学校)に設置したインターローカルアートネットワークセンターで、今回の大地の芸術祭の収穫の一つ。アーカイブの中心となっているのがディレクターの川俣正で、私は全体を川俣作品として見ているが、正確なところはわからない。いずれにしても大地の芸術祭を学術的に記録した資料室が誕生したことは、妻有の国際的なポジションを確立するビッグヒット。



インターローカルアートネットワークセンターの正面。お洒落で脱帽。



インターローカルアートネットワークセンターの展示。
大地の芸術祭を学びたい人は先ずここに。

リチャード・ディーコン「マウンテン」

この作品は前回の目玉作品の一つとして取り上げられていたが、私の好みではないため無視してきたが、桐山に向かう途中で偶然遭遇。黒姫山を背景に堂々としたリチャード・ディーコンを見て私の不明を反省。



リチャード・ディーコン「マウンテン」

クロード・レヴェック
「静寂あるいは喧騒の中で」


今年のヴェネチアビエンナーレのフランス代表作家。ガイドブックに「このアーティストに注目」と紹介され、人気スポトの一つとなっていた。建物の構造的問題から各部屋ごとに異なる作品を設置しながら建物を力技で支配したのはさすが。



建物の入口の暗い物置らしい部屋に設置された作品。



二階は三部屋にわかれ、異なる三つの作品が。各部屋ともオープンのため、三作品が関係しているのかも知れないが、理屈抜きで楽しめた。



ガイドブックに掲載されていた参考イメージの実作。


アントニー・ゴームリ―
「もうひとつの特異点」


クロード・レヴェックと並ぶ注目作家の一人。10数年前、名古屋市美術館のアントニー・ゴームリ―展を見た印象が強かったため、ガイドブックの作品の参考イメージを見てその変貌に驚いたが、十年一日のわが身を恥じるべきか。



建物の内部を補強して建物丸ごと「ゴームリ―美術館」に変貌させた完璧な仕事に脱帽。私のデジカメでは撮影不可のため、ポストカードを使用したが、内部の天井を見上げると大仏殿の天井を見上げるより雄大で無限の宇宙を見るよう。ポストカードがこの深さを現わしていないのは残念。



私がデジカメで撮ったアントニー・ゴームリ―。私の記憶に間違いがなければ、ゴームリ―の空間はこのデジカメの世界に近いように思っているが、正直なところはわからない。





  


Posted by かとうさとる at 00:58 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」