2009年05月11日

作品ライブラリー(19)祈るようにして籾殻を散華





籾殻の燻炭、赤い毛糸|産業貿易センター台東館(浅草)1987年



私の籾殻シリーズは散華からはじまった

私が小さい頃は、冬から春先にかけてどの家の庭先でも籾殻を燻していた。畑の肥料にするためだが、煙に独特のアンモニア臭があり、悪ガキの私もさすがに避けて遊んだ。楽しみは焼き芋で、籾殻で焼いた薩摩芋は格別にうまかった。私の好んで使う素材はそんな風にしてどこかで原体験と重なっている。籾殻が作品になるという確信はなかったが、公募展に出品するため籾殻をリュックに詰めて新幹線に乗った。私の籾殻シリーズの端緒で、87年12月、私は祈るようにして籾殻を散華した。



テキスト|行為から空間造形へ





籾殻の燻炭、コンパネ、足場丸太、和紙|豊田市美術館(豊田)1999年





籾殻の燻炭、コンパネ|Jpan2001(ロンドン)2001年







  


Posted by かとうさとる at 02:34 | Comments(0) | 作品ライブラリー