2009年01月10日

作品ライブラリー(13)栄NOVAに進出





名古屋で初めての個展はお洒落なファッションビル「栄NOVA」だった
寸角、段ボール、クヌギ、パワーライト(光源)|栄NOVA(名古屋)1986年



いけばなの領域

この作品は、個展「手さぐりの中から」シリーズの三作目として発表したもので、今から見れば完全にインスタレーションだが、当時は、まだインスタレーションという言葉さえ聞いたことがなかった。当然のように「活ける」という方法論しかなく、無限のキャンパスを前に武者震いする自分と、「いけばなの領域」との狭間で最後まで葛藤が続いた。自然への畏怖という素朴な民俗からはじまった私の「花」の矜持で、この葛藤はいまも私の中で連綿と途切れることがない。


私の悪い癖

ところで、私の悪い癖は、自分の作品のことになると、突っ走って周りが見えなくなることで、この作品も作品の一部が通路にはみ出している。「消防法違反で直すように」と指摘されたが強引に押し通してしまった。当然のように次からは出入り禁止で、そのことによって多くの人が迷惑を被ったと言う話を風の噂に聞いた。後に名古屋市民ギャラリーの所長から「かとうさんには注意するようにと言われていたが普通の人で安心した」と言われて、ブラックリストの存在を知ったが、関係者の間では有名だったらしい。恥ずかしい話だが、この悪い癖は今も治っていない。  


Posted by かとうさとる at 03:30 | Comments(0) | 作品ライブラリー