2008年11月24日

作品ライブラリー(9)いけばなの著作権を考える









セイダカアワダチソウを思いっきり手元に引き付けるため、逸る心を制して伐るのは搬入日の早朝と決めた。その日の朝、目が覚めると外は大雪で真白に積っていた・・・。



セイダカアワダチソウ

説明は省くがムシロフェンスの次はセイダカアワダチソウと決めていた。ところがやっかいな問題がもちあがった。横浜の坂田純さん(現在はバリ島に活動拠点を移し、バナナで漉いた紙のドローイングで国際的に活躍)が、個展でセイダカアワダチソウシリーズを始めたからである。

いけばなは様式(手法)を著作権フリーにすることで発展してきたが、個をベースにした現代いけばなに著作権フリーはないからだ。手法は論外としても問題は素材だ。現代いけばなにとって素材の選択は表現の核心にふれる重要な意味をもっているからだ。

むろん自然の草木には著作権がない。最終的には「良心の問題」であり、「知っていても影響されていない」という確信が背中を押した。西武時代の松坂は当時オリックスのイチローを抑えて「自信が確信に変わった」とコメントしたが、ギアチェンジという意味でいえば、このとき私の中で初めて「現代いけばな」という確かな意識が生まれた。



大雪というハプニングでスタートしたセイダカアワダチソウの正月個展
素材:セイダカアワダチソウ、和紙|七州画廊(豊田)1985年


  


Posted by かとうさとる at 01:55 | Comments(0) | 作品ライブラリー