2008年11月09日

花と書の空間展

あとの祭り

10月25日(土)・26日(日)の両日、豊田市指定の有形文化財「六鹿邸」で開催した「花と書の空間展」の写真が出来上がってきた。紙焼きを何度見ても私の茶室のインスタレーション「陰翳礼讃」の写真がない。自分でも久々に納得した一点で、何かの手違いと思ったが話を聞いて愕然としてしまった。

撮影は私が最も信頼している写真家の石田真典さん。私が希望した空間を撮ることが物理的に難しいとのことで、何度もカメラテストを繰り返してカメラ位置を決めた。問題はそのあとで、「れんじ窓の外から撮れないか」と相談をした。れんじ窓の外からカメラを入れてテストしたが、希望通り撮るのは無理とのことで、私は「無理なら仕方がない。何か考えるからここはいい」と答えた。私としてはれんじ窓の撮影のことを言ったつもりだったが、石田さんは「茶室の中もいい」と受け取ったとのこと。プロの写真家でも難しい作品を私が撮れるはずがなく、私の作品は幻の一点となってしまった。

私の幻の作品「陰翳礼讃」(写真なし)
素材:裸電球、鉄盤、水、柳、「陰翳礼讃」の淡墨(物部浩子)
広さ:4畳半




私のサブ作品「すわらないで」
8畳余の麻のジャンボ座布団を茶室の客間にどーんと設置。
座布団の上を歩いた人は、麻の感触と座布団に詰めた籾殻の擦れる音を楽しんだ。
素材:麻、籾殻、柳/広さ:8畳2間/撮影:かとうさとる



花と書の空間展

とき:10月25日(土)・26日(日)
ところ:豊田市指定有形文化財「六鹿邸」
出品:ゲスト日向洋一/奥村清美・織田照子・尾山享子・かとうさとる・甲谷美智子・後藤翠香・鈴木真幸登・野畑光風・藤井水園・物部浩子
撮影:石田真典



六鹿邸の土間の天井から吊るした物部浩子さんの題字



花と書の空間展会場風景①
正面は織田照子さんの作品。花材:柿/花器:猪飼護(常滑)
右は物部浩子さんの作品。花材:天井から吊り下げた観葉茎、水/花器:猪飼護(常滑)
書は後藤翠香さん
墨のドローイングは物部浩子さん



花と書の空間展会場風景②
書は物部浩子さん




ゲストの日向洋一さんのインスタレーション
空間の読み方、人の使い方の巧さ、指示の的確さ、手際の良さに脱帽。食事会で「今日手伝ってくれた人はみんな手慣れていて巧いよね。僕は愚図の人は嫌い、結局わかってないんだよね」と日向さん。ヨイショ?の巧さにも脱帽。
花材:松、エゾ松の角材、脱色した中国柳、サンゴミズキ/広さ:8畳2間



鈴木真幸登さんの作品。花材:秋草/花器:青磁大水盤



野畑光風さんの作品。花材:南天、イチジク、ダン竹ほか/花器:常滑焼甕



尾山享子さんの作品。花材:鶏頭ほか/花器:伊藤雄志(常滑)
書は後藤翠香さん



甲谷美智子さんの作品。花材:孟宗竹、薄板、オンシジゥム


藤井水園さんの作品。花材:石榴、ジャンボ南瓜、藤蔓/花器:民具


奥村清美さんの作品。花材:サンゴミズキ、ダリア、菊ほか/花器:常滑焼甕























  


Posted by かとうさとる at 18:39 | Comments(0) | いけばなから