2010年02月13日

あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


久しぶりに手ごたえのある展覧会を見た。一つは「あいちアートの森豊田プロジェクト」で、もう一つはトリエンナーレ方式による「とよた美術展2010」。一度に紹介するには分量が多いため二度にわけて紹介したい。


あいちトリエンナーレに向けた
アートキャラバン


あいちトリエンナーレ2010パートナーシップ事業「あいちアートの森=アートが開くあいちの未来」は、「文化庁の地域芸術振興プラン推進事業」を活用し、市町村、地域の文化施設、芸術系大学と連携。県内6カ所の会場で展観する県主導のアートプロジェクトで、冠名にあるように、この夏開催される「あいちトリエンナーレ2010」に向けたキャンペーンイベントとして話題を呼んでいる。


あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


会場と会期は次のとおり

●広小路プロジェクト(名古屋) 済み
●東栄町プロジェクト(北設楽郡東栄町) 済み
●堀川プロジェクト(名古屋)1月5日~3月7日
●常滑プロジェクト(常滑)2月6日~3月7日
●豊田プロジェクト(豊田)2月4日~3月14日
●佐久島プロジェクト(幡豆郡一色町)2月27日~3月14日
詳細は「あいちアートの森」で検索を。


豊田プロジェクトは
町屋建築の喜楽亭と美術館の
二会場で開催


さて、「あいちアートの森/豊田プロジェクト」は、(財)豊田市文化振興財団が主管する「とよたアートナウ」と豊田市美術館が主管する「知覚の扉Ⅱ」の二部構成で開催。会期は次のとおり。
●あいちアートの森豊田プロジェクト とよたアートナウ
~14日(日)まで。会期がないためまだの方は急いで。

●あいちアートの森豊田プロジェクト 知覚の扉Ⅱ
2月20日(土)~3月14日(日)

私が見たのは地元の作家を中心にした「とよたアートナウ」と、「知覚の扉Ⅱ」の美術館会場作品で、このあと、美術館がノミネートした作家が同じ町屋建築を舞台に、どのようなアプローチを見せるか楽しみ。


豊田市美術館会場
市川平「コンタクト・ドーム」
空っぽの快感


ヤノべケンジの「ジャイアント・トらやん」、「ウルトラ-黒い太陽」も凄かったが、市川平の「コンタクト・ドーム」は、中身が空っぽで、何もないことが凄い。こんな爽快な作品を見るとやっぱりアートは凄いと納得。


あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


市川平というアーティストの経歴は知らないが、リチャード・セラの「ダブル・コーンズ」が小さく見える。どうせやるならこのぐらのことをしなければ。


あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


越後妻有のジェームズ・タレルの「光の館」もいいが、ここからの星空も見てみたい。あいちアートの森はパフォーマンスやイベントも予定されているとのこと。難しい話はなしで「やればいい」のに、もったいない。



豊田プロジェクトとよたアートナウ
豊田の作家も本領発揮



あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


ほろ苦い思い出の残る喜楽亭

豊田プロジェクト「とよたアートナウ」の会場となった喜楽亭は、市内にあった大正末期から昭和初期にかけての代表的町屋建築を移築したもので、当初は伝統文化を中心に利用されていたが、近年は町屋建築の骨太の構造が食指を誘うのか、美術展会場としても注目を集めている。喜楽亭の元は老舗の料亭で、私が初めて酒の味と苦さを知ったのもこの喜楽亭で、鴨居の傷まで覚えている。


こんな時代だからこそ
愚直な仕事を見たい


余談に逸れたが、とよたアートナウの出品者は40万都市を代表する作家6名。一巡しての印象はさすがにみんな上手い。矛盾するようだが、先に『財団がノミネートした地元作家と、美術館がノミネートした作家が、同じ町屋建築を舞台に、どのようなアプローチを見せるか楽しみ。』と述べたのは、この上手さが気になったからである。

上手さは作家としての重要な資質ではあっても、アートの本質ではないと思っているからで、「また訳のわからんことを言っている」と思うかもしれないが、私にとってはどうしても譲れない一線で仕方がない。こんな時代だからこそ、愚直な仕事を見てみたい、して見たいと思うのは私一人ではないと思うがどうか。どんな答えが待っているのかわからないが、先ずは二次の「知覚の扉Ⅱ」を見てからの楽しみ。


あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


安藤尤光さんの篆書の部分。刻字の大家として活躍する安藤豊邨さんの子息で、清潔感が空間を支配して気持ちがいい。



あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


石川泰弘さんのインスタレーションの部分。豊田では三本の指に入る作家で久々に気持ちのいい仕事を見せてもらったが、ここまで決めるとケチの一つもいいたくなる。(御免)



あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


伊丹靖夫さんの室礼の部分。豊田では頭一つ抜けた洒落な画家でファンも多い。私は天の邪鬼だから、何でもできてしまうと、皮肉の一つも口に出そう。(悪い癖)



あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


新宅雄樹さんの室礼の部分。努力家で大成が楽しみ。



あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


杉浦イッコウさんのセラミックインスタレーションの部分。気負いがなく気持ちがいい。さすが。



あいちアートの森豊田プロジェクトが面白い


日展会員として活躍している橋本昇三さんの小原和紙。








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Posted by かとうさとる at 06:47 | Comments(0) | アートの現在
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