2009年10月24日

塩の道が運ぶ農山村文化圏


どうやら悪い周期に入ったらしい

外に出て空を見上げたが星が見えない。
おまけに中日が前日に引き続いて巨人に逆転負け。
明日のために仕込みをしなければと想を練っていても空回り
こんなときは、気分一新。人を肴に飲み明かすのが良薬だが
酒の肴にも断られてしまった。
どうやら悪い周期に入ったらしい。



塩の道が運ぶ農山村文化圏


民俗有形文化財に指定されている六所神社の農村舞台。
左右に太夫座のある本格的な地歌舞伎の舞台で、舞台下手下に見える遺構は廻り舞台の出入口と思われるが、残念ながら舞台を張り替えてしまっため、廻り舞台については推測するしかない。



塩の道が運ぶ農山村文化圏

愚痴が長くなってしまったが、農村舞台について少し補足したい。前回述べたように農村舞台とは、農山村や漁村にある近世の芸能舞台で、営業用でない舞台の総称で、近松研究叢書「農村舞台探訪」によると、全国に2,280舞台の舞台があり、644舞台が廃絶。1,636舞台が現存しているとのこと。


塩の道が運ぶ農山村文化圏


写真は、農村舞台のコラボレーション・現代美術展「共感する悪所」(1991年)から。「共感する悪所」は豊田文化デザイン会議のキューレターとして招かれた茂登山清文(名古屋大学准教授)さんが企画したもので、現代が喪失した猥雑な記憶の手がかりを求めて、8人の作家が農村舞台の異空間に挑んだ。私は金沢のセシル・アンドリューさんとペアで城見町神明社農村舞台挑んだが、コラボレーションの難しさを実感。お付き合いいただいたセシルさんに感謝。


前述した数字は、近松研究叢書「農村舞台探訪」をもとに集計したもので、その後の舞台の劣化、社会情勢の急激な変化などを総合的に判断すると、地域に根付いた幸運な舞台を除いて、既にかなりの舞台が廃絶したものと考えていいのではないか。ちなみに豊田市の場合も80近い舞台が確認されているが、文化財に指定されている舞台を除いて廃絶の危機に瀕していることは、前回のブログで記したとおりである。


塩の道が運ぶ農山村文化圏


私は城見町神明社の境内から鎮守の森に
「カラッポ」を設置した。



参考までに、都道府県別に多い順番に記すと①兵庫県②岐阜県③徳島県④長野県⑤愛知県の順で、中でも愛知県の三河山間地域、長野県の南信地域、岐阜県の飛騨、東濃地域に全国の1/3弱の舞台が集中。多くの舞台に共通する拝殿兼用の農村舞台群から、塩の道が運ぶ農山村文化圏の姿を思い描くのは私一人ではないのではないか。(今後の調査の課題)


塩の道が運ぶ農山村文化圏


市内最古の棟札がある城見町神明社の農村舞台に
無言のメッセージを遺したセシルアンドリューさん。












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Posted by かとうさとる at 01:42 | Comments(0) | 農村舞台
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