2016年11月02日

山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー




過日、碧南市藤井達吉現代美術館で
開催中の山本富章展に足を運んだ



碧南の地名も美術館の由来も度々記しているため省くが
海のない三河内陸部の私たちの世代にとっては
碧南は臨海学校のあった聖地の一つ

残念ながら海水浴場のあった玉津浦一帯は
臨海工業地帯に代わってしまったが
どこか懐かしい匂いがするから不思議だ

予定より早く着いたため
セピア色の記憶を頼りに「てらまち」界隈をぶらりぶらり散策




山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


美術館のある大浜地区は矢作川の河口と
衣浦湾が交差する半島に位置することから
古くは三河五湊の一つに数えられ
江戸廻船の基地として栄えた

そんな往時の面影を現在に伝えるのが
蓮如上人所縁の「てらまち」と醸造の蔵元
写真(上)は「てらまち」のランドマーク?西方寺
写真(中)九重味醂の本社



山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー

  
黒塗りの板塀が美しい九重味醂本社の路地



山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


子どもの頃、電車が土橋の駅に停まると
カンコ(ブリキ缶)を背負った行商のオバちゃんたちが
ゾロゾロ降りてきた光景を今も鮮やかに覚えている

先に「どこか懐かしい匂いがする」と記したが
オバちゃんたちは大浜から来たと言っていたから
みんな湊で水揚げされた魚を仕入れたあと
この路地を通って大浜の駅に向かったに違いない



山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


現在の大浜湊
対岸に見えるのは知多の半田
ついでに釣り場も回ってきたが「投げ」で
イワシのようなハゼが釣れていたから嘘っそみたい



頃合いを見て
碧南市藤井達吉現代美術館へ


碧南市藤井達吉現代美術館は
日本の近代美術工芸史に大きな足跡を記した
碧南市出身の孤高の芸術家藤井達吉(1881-1964)の
調査研究を基本に掲げながら
同時代の美術の枠組みの再構築も狙っているというから
規模は小さいが志は国立レベル

館長は愛知県美術館副館長から招かれた
藤井達吉研究家の木本文平さん

木本さんは
❶藤井達吉の再評価に向けた取り組みを全国展開するほか
❷体力の弱い地方美術館をネットワークした連携企画展や
❸「本当は愛知県美術館がやる仕事」と言いながら
地元愛知所縁のアーテストを積極的に全国発信するなどやり手

中でも❸の仕事は地方美術館の大きな役割の一つだが
生々しくて一歩誤ると批判の矢面に立たされるため
どの地方美術館も避けてきたカテゴリーで
火中の栗を拾った?木本さんの美術館人としての誇りと
勇気に万雷の拍手を贈りたい


で、今回白羽の矢が立ったのが
愛知県立芸術大学名誉教授で
アーティストの山本富章さんという訳




山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


  山本富章展のパンフレットより転載


山本富章さんのプロフィール等は省くが
鮮やかな色斑(ドット)による作品で
国際的にも高く評価されているのは周知のとおり

今回その山本さんの初期の作品からドット表現による作品の誕生まで
山本芸術の展開を時系列で紹介されるというから
こんなチャンスを逃す手はない
  


山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


  山本富章展の展示スナップ


挨拶のため館長室に木本さんを訪ねると
「かとうさん、運河沿いにある古い蔵でもやっているから
是非見ていってよ」と木本さん


衝撃の藏ギャラリー


山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


湊橋界隈の往時の繁栄を今に伝える商家と倉庫
現在は空き家になっているため市が借り受け
山本富章展に合わせてギャリーとしてオープンしたもの



山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


  山本富章展のパンフレットより転載



山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー


この一作で納得!


山本富章展は12月4日(日)まで
問合せは碧南市藤井達吉現代美術館
☎0566-48-6602


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Posted by かとうさとる at 04:42 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー
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