2013年06月20日
やっぱり六栁庵やそは妖怪だった
六栁庵やそ
卒業三部作のラスト公演
四国の伊予松山に刑部狸という狸の妖怪伝説があるが
人間も稀に「妖怪」になるという話を聞いたことがある
今私の周りで最も妖怪に近いのが
名古屋の三味線奏者六栁庵やそさん
5月の中頃そのやそさんから
六栁庵やそ〈三味線パフォーマンストリロジ―〉Vol3の
ご案内をいただいた
やそさんは3年前に癌がみつかり手術をへて復帰したが
「同情を買うような姿を表に出しくない。
あくまでダンディでいたい」(中日新聞)と区切りを決め
4月から月一回開いてきた「卒業三部作」のラスト公演
細棹三味線で洋楽や洋舞と共演してきた
キャリアの集大成となるもので
昨夜、雨の中名古屋の「ちくさ座」に急いだ
公演は撮影不可のためライブの感動を共有できないのが残念
プログラムは
歌舞伎舞踊の名曲「鷺娘」をフラメンコで演じた「鷺の精」
やそさんの三味線人生に大きな影響を与えた
琉球、韓国のネイティブな音楽と
江戸の粋を早変わりで魅せた琉・韓・江戸
カンテ、ギターラ、パルマの
絶妙なかけあいで魅せたマリサのアンソロジー
三味線とパーカッションとフラメンコのパルマが
江戸囃子のフレーズごとに絡み合う
セッションで場内を湧かせたコラボレーション
太鼓の曲の四部構成で
みんな六栁庵やそ祭りに酔いしれて
時のたつのを忘れた(至福)
それにしても妖気がただようような
あの粋とダンディズムはただごとではない
やっぱり六栁庵やそは妖怪だ
公演のあと出口でお客さんを見送るやそさんから
「そろそろ決めようね」と手を握られたが
冷や汗がタラリタラリ
やそさんが「決めようね」と言った意味は後日また
Posted by かとうさとる at 18:38 | Comments(0) | アートの現在