2013年01月13日

豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる















美は感動!
光背をさす黒田辰秋と
田中信行の宇宙





豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


1月12日(土)豊田市美術館で
「黒田辰秋・田中信行|漆という力」がはじまった

この企画展は
アントワープ王立美術館所蔵ジェームスアンソール展/4月14日-6月17日
■カルペ・ディエム展/6月30日-9月23日
■小沢剛-夏休み子どものプログラム/7月14日-8月15日
■青木野枝展/10月13日-12月24日
に次ぐ第4弾で

普通の感覚であれば大型企画展が続いたあとで
ここは流してもいいところ




豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


そんな先入観もあって軽い感じで足を運んだが
どうしてどうして半端な企画展ではない




豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


上の作品群はチラシに紹介されているものだが
もし海外の美術館でこのチラシを手にしたらどうか
手仕事という日本美術の完成度と美しさに
みんな声を失うであろうことは想像に難くない

それにしても慣れというのは恐ろしいもの
私はこのチラシを何度も見ているはずなのに
目に入っていなかった

正直に白状すれば
私は空間フリーク(インスタレーション)で
漆⇒工芸美術⇒手仕事⇒用の美⇒用の丈にあったスケールetc
と偏狭な先入観から展示展8の大空間に作品がどのように
存在するのか想像できなかったからである




豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


「漆という力」の白眉は黒澤明が想を練ったこの家具(一部)


前置きが長くなったが
展8に足を踏み入れた瞬間
静謐な空気感とスケール感に
思わず居住まいを正してしまった


豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


同上の家具に座ってくつろぐ黒澤明(黒澤明生誕100年特集/河出書房)


美は感動というが
何よりも一つ一つの作品がが美しい
用の美という確かな造形力が光背をさすように
空間を包みこんでいたからである

最高の美は「モノ」ではなく
人間の精神に宿るというが納得




豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


抽象的な印象しか語れないのが残念だが
アートとは何か、人間とは何か、私とは何か

何かを探している人 
心が折れかかっている人
きっと何かが見つかるはず



私も青いというか…
笑ってしまう





豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


田中信行のトーク風景
右が田中信行さん
左がチーフキューレターの天野一夫さん

トークや座談会は作品のキーワードになる言葉が断片的に
飛び出すため油断もスキもない

私の近くの席の女性(ライターかも)がメモをとっていたが
メモ帖は必須のアイテムと気がついたが後の祭り

余談に逸れるがトークを聞いていて
「やってやろうじゃないか!」と自分に腹がたってきたから
私も青いというか…
笑ってしまう



今回も
コレクション展が面白い





豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


説明するのも面倒のため省くが
とにかく今回も面白い
「今回はいつも出していないものも出したから」と吉田俊英館長

よく美術館は「どんな基準でコレクションを決めているのか」という
声(批判的なトーンで)を聞くことがある

私も作家?のハシくれで悔しいが
コレクション群をみれば一目瞭然
みんな質がいい

余談に逸れたが
下のランドセルは村上隆のランドセルプロジェクト
20年ほど前、名古屋のギャラリーセラ―で
初めてこの作品を見たときの衝撃と戸惑いを想い出した




こんなテーマ展示も




豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


こちらは説明不要


黒田辰秋・田中信行
|漆という力



豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる


■会期⇒4月7日(日)まで
■会場⇒豊田市美術館
■休館日⇒月曜日(ただし1月14日、2月11日は開館)
■主催⇒豊田市美術館
■共催⇒朝日新聞社
■観覧料⇒一般500円/高校・大学生400円/中学生以下無料
■問合せ⇒豊田市美術館
〒471-0034愛知県豊田市小坂本町8-5-1
tel0565-34-6610
http://www.museum.toyota.aichi.jp


同じカテゴリー(美術・博物館+ギャラリー)の記事画像
豊田市美術館そのすべてが美しい美術館づくりの名手、谷口吉生の傑作
今季イチオシは豊田市美術館「蜘蛛の糸」で決まり
山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー
異才の書家安藤豊邨さんを知るチャンス
マリー・ローランサン展に足を運ぶ
間もなく豊田市美術館に春のことぶれ
同じカテゴリー(美術・博物館+ギャラリー)の記事
 豊田市美術館そのすべてが美しい美術館づくりの名手、谷口吉生の傑作 (2021-05-28 03:32)
 今季イチオシは豊田市美術館「蜘蛛の糸」で決まり (2016-11-12 20:02)
 山本富章展と衝撃の蔵ギャラリー (2016-11-02 04:42)
 異才の書家安藤豊邨さんを知るチャンス (2016-06-03 14:03)
 マリー・ローランサン展に足を運ぶ (2016-03-05 01:45)
 間もなく豊田市美術館に春のことぶれ (2016-02-22 00:21)

Posted by かとうさとる at 14:55 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
豊田市美で黒田辰秋・田中信行|漆という力始まる
    コメント(0)