2012年08月21日

碧南市藤井達吉現代美術館で原裕治展








最大の文化資源は人材


昨日、碧南市藤井達吉現代美術館の原裕治展の
オープニングに足を運んだ

碧南市藤井達吉現代美術館は
その名のとおり碧南市出身の工芸家で
昭和の本阿弥光悦と称えられた藤井達吉の
調査研究を目的に設立された美術館として知られている

館長は藤井達吉研究者で
元愛知県美術館副館長の木本文平さん

もう一つの特徴は
全国の美術館をネットワークした美術館活動で
各館の所蔵品を活用した近・現代の美術史を検証する取り組みは
美術館の協働の時代をひらくものとして
注目を集めている

大地の芸術祭でわかるように
最大の文化資源は人材で
碧南市藤井達吉現代美術館の成功も
木本さんの構想力と人的ネットワークによるもので
説明は不要

さて、肝心の展覧会だが
原裕治さんの名前は知っていたが
「敬して遠ざける」という言葉があるように
アカデミックな作家という先入観から実作を見るのは初めて



夭折作家はみんな
自らの死期を知っていたのではないか



碧南市藤井達吉現代美術館で原裕治展


チラシのプロフィールを要約すると
《原裕治さんは1948年新潟市に生れ愛知県立芸術大学で彫刻を学び
大学院在学中に国画会の彫刻部門で新人賞を受賞
美大の講師や美大予備校の講師を経て美術研究所を設立
天才的ともいえる卓越した表現力で将来を嘱望されていたが
2007年、59年の生涯を終えた》とある




碧南市藤井達吉現代美術館で原裕治展


会場に足を踏み入れた瞬間
作家魂が凝縮したような密度の濃い手仕事に
「これはただごとではない」と思わず背筋が伸びてしまった

何の根拠もないが夭折作家はみんな
自らの死期を知っていたのではないか
そうとでも思わないと愚直なまでの一途さは理解不能

写真は図録から転載した『葉積82-1』と題した立体作品
樹木の落葉を重層させたものだが
幾重にも重ねた葉の重さが絶妙な歪みを生み出し
時間が化石化させたもの

ジュゼッぺ・ぺノ―ネ(イタリア)や古郡弘さんもそうだが
こうした仕事は本来であれば現代いけばなの領域のはずで残念!

同時開催の愛知県美術館サテライト展示
杉本健吉が描く「新平家物語」もお薦め



■会期は9月30日(日)まで

■美術館付近のマップはこちら

碧南市藤井達吉現代美術館で原裕治展



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碧南市藤井達吉現代美術館で原裕治展


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碧南市藤井達吉現代美術館で原裕治展





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Posted by かとうさとる at 23:54 | Comments(1) | 美術・博物館+ギャラリー
この記事へのコメント
加藤様

三河印刷のアドレスを送りますので、
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Posted by 三河印刷 稲葉 at 2012年08月24日 14:59
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