2016年11月12日

今季イチオシは豊田市美術館「蜘蛛の糸」で決まり











豊田市美術館で開催されている
企画展「蜘蛛の糸」に足を運んだ






  「七州城図」は市制50周年特別展
  豊田市の城下町展/中世~江戸期の豊田図録より転載
  
  図の左上、白く見えるのは蓮池と呼ばれた濠で現在の駐車場
  蓮池右は美術館のランドマークになっている隅櫓
  


豊田市美術館が建っている場所は
尾張、美濃、信濃、伊勢、近江、伊賀、
三河の七か国を臨むことができたことから
七州城の名で親しまれた挙母藩の館跡で
史跡と建築と庭園の修景の美しさは
他に比類がない


あわてないあわてない
先ずは外周をゆっくり愛でてから






豊田市美術館は世界的な建築家
谷口吉生の代表建築


コレクションも
クリムトやシーレなど
ウイーン分離派をはじめ
イタリアのアルテ・ポーヴェラなど
国内外の同時代性の秀品を蒐集
日本を代表する美術館の一つに
挙げても異存はないと思うがどうか

残念ながら地元では「現代美術は難しい」と
敬して遠ざける人も多く
もったいない








和モダンのシンプルな構造美と
水の演出は谷口吉生建築の特徴







遠い異国の地で
何を思うかヘンリー・ムア
「座る女・細い首」の背中







茶室の紅葉も見頃
350円で美味しいお抹茶もいただけるから
嬉しい





ところで「蜘蛛の糸」と聞くと
芥川龍之介の「カンダタの蜘蛛の糸」
を思い浮かべる人が多いのではないか


釈迦がカンダタに与えたワンチャンス
一本の蜘蛛の糸を一心不乱に上り
もう少しで地獄を抜け出せそうな
高さに辿りつく


安堵したカンダタが何気なく下を向くと
無数の亡者たち


さて、どうした!カンダタ
というのがあらすじだが
豊田市美術館の「蜘蛛の糸」はどうか




今季の豊田市美術館は全館コラボで必見!





ポスターに
クモがつむぐ美の系譜江戸から現代へ
と記しているように

芥川龍之介から想を得た作品もあるが
本展は蜘蛛が編み出す繊細で美しい
糸の軌跡に魅せられた多様な表現を
江戸時代から現代まで約80名の作品で紹介
予想を遥かに超える展開で目から鱗








  塩田千春「夢のあと」


多様なジャンルのアーティストが
異種格闘技のようにぶつかり合いながら
蜘蛛の糸に絡められていく構成は
見事というほかはない

六本木の森美術館もいいが
今季のイチオシは
豊田市美術館「蜘蛛の糸」で決まり






同時開催の
髙橋節郎館テーマ展/漆と現代美術の饗宴
も贅沢!


■「蜘蛛の糸」⇒12月25日迄
■問合せ⇒☎0565-34-6610




余談に逸れるが

11月19日(土)~27日(日)
徳川の始祖が眠る松平郷では
農村舞台の空間に
公募で選ばれたアーティストが
個展形式で挑む
農村舞台アートプロジェクトの
第2弾が始まる






詳しくは別にアップするが
蜘蛛の糸×農村舞台
一度で二度美味しい
こんなチャンスを逃したらもったいない


県外の方で希望される方は
不肖私がツアーガイドします
連絡先は下記のメールに
ikebanakato@yahoo.co.jp

※都合の合わないときはご容赦を  


Posted by かとうさとる at 20:02 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー

2016年11月12日

大割烹だるまの花を活け替える







11月10日
大割烹だるまの花を活け替えた








  花材:柿、栁、松、南天、蔓梅擬
  フォックスフェイス、ストレチアほか



いけ終えたあとはサプライズ





「さとるさん!この帽子かぶりん」と若女将
「さとるさんの誕生祝をするから」と女将


大割烹だるまのファミリー全員が
テーブルに来てシャンパンで乾杯

トシは言わないが
美味しい料理とお酒をいただいて
竜宮城に招かれた浦島のようなもの


どうにか家に帰ったが
あとはよく覚えていない
やっぱり、トシ
  


Posted by かとうさとる at 03:00 | Comments(0) | 花日記