2013年07月02日
玄関に赤いカンナの花
誕生日の花のこと
「ラジオ深夜便誕生日の花と短歌365日」より転載
誕生日の花は必ずしも一つだけではなく
調べ上げていくと同じ誕生日なのに違った花が
紹介されていて戸惑う人も多いのではないか
花の種類は違っていても誕生日の頃
最も輝いている旬の花が選ばれているため
余り難しいことは考えずに
花の歳時記として楽しめばいいじゃないかな
玄関に赤いカンナの花
歌は世につれ世は歌につれというが
「赤いカンナが咲いていた」という
青春歌謡が流行ったことを覚えている
歌っていたのは安達明
YouTubeで聴いたが
もう半世紀近く前というから
月日の立つのは早いもの
安達明は2年ほど前に亡くなったそうだ
2013年07月02日
杉田久女とは何者なのか
蓮は俳句の七不思議
2013年7月1日越戸町観音院の境内で写す
日本人の蓮好きは疑いがないところ
そこで、俳人たちは蓮をどのように詠んでいるのだろうか
気になって本棚から芭蕉と蕪村の句集を取り出した
ところが、あれほど数多くの名句を詠んでいる俳聖にしては
腑に落ちる句が少ない、というよも絶対数が少ない
試しに、ネットで検索したが推して知るべし
なぜか美術批評の対象にならない
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」と同じで
俳句の七不思議に入れてもいいのではないか
杉田久女とは何者なのか
実は、今日の話はここからが本番
蓮を詠んだ俳句を検索していて
とんでもないものが引っかかってきた
睡蓮や鬢に手あてて水鏡
蓮ではなく睡蓮を詠んだものだが
詠んだのは杉田久女(1890-1946)
杉田久女の名は旧小原村の松名町にお墓があるため
郷土に所縁のある俳人の一人程度の認識だったが
触れれば血が流れるような(どきっ)
こんな句を詠む俳人はただ者ではない
杉田久女とは何者なのか
付け焼刃だが調べてみて二重の驚き
松本清張、吉屋信子、田辺聖子らが競って小説にし
渡辺美佐子、大地喜和子、樹木希林、高橋恵子などなど
錚々たる女優たちが舞台やテレビドラマで久女を演じている
師の高浜虚子にホトトギス同人を除名され
晩年は精神を病み
俳句界に受け入れられないまま死を迎えたというが
久女がひらいた斬新な女流俳句の流れは
水原秋桜子に引き継がれ
黛まどかは久女に影響を受けて句作をはじめたというから
不明を恥じるしかない
今度小原に行くときは
句碑もあるため杉田久女の墓に立ち寄ってみようかな