2013年06月03日

地元にいて日本史レベルの謎を見逃す手はない













県指定「池田1号墳」





古墳時代と呼ばれるのは
古墳が一般的につくられた4世紀から7世紀頃
最初は豪族の墓としてつくられたが
次第に地方の有力者も競って造るようになった






市内にも数多くの古墳が現存するが
最大規模の石室をもつのが愛知県指定史跡「池田1号墳」
(概要は写真の史跡案内を参照)





「池田1号墳」の場所は
東海環状の藤岡インターに抜ける近道に史跡の看板があるため
知っていたが、足を踏み入れたのは初めて







石室は文化財の本で何度も見ているが
百聞は一見に如かずで
無言の圧力はただごとではない
古墳は「お墓」ということに気がついたが
あとの祭りで早々に退散



こちらは藤山一号墳







東山古墳群四基のなかで最大規模の一号墳

「池田1号墳」から西に2000mほど
乙部丘陵の東の突端にあるのが東山古墳群
多くの副葬品がみつかっているが割愛




国指定「舞木廃寺塔址」





「池田1号墳」から南に1500mほど丘陵地(現在は畑)に
あるのが国指定「舞木廃寺塔址」










史跡名の舞木廃寺は寺名がわからないため
部落名から名づけられたもので
瓦などの出土品から国分寺が建てられた
奈良時代のものと言われている







全体の規模は指定地域の周辺が開発されて不明だが
塔の心礎の大きさ、その周囲の柱座から
この地方最大の寺院の址と推定されている



話は飛躍するが
史跡巡りの楽しみ方


猿投神社を中心に
籠川の河岸段丘の5キロほどのエリアの中に
「池田1号墳」「藤山古墳群」「舞木廃寺塔址」
廃仏毀釈で取り壊された「白鳳寺」が点在することは
古くからこの地域に富をもった有力者がいた証

籠川が矢作川と合流する荒井の洲には
延喜式に記されている焼き物の神を祀る灰宝神社
賀茂族(出雲)ゆかりの神を祀る兵主神社
籠川の支流伊保川の上流には「みのもんたの日本ミステリー」で
海人族の痕跡を証明する史跡として紹介された射穂神社もある

話は飛躍するが史跡巡りの楽しみは
こうした物証をジグソーパズルのように組み合わせて
想像力を巧みにすることで
絵師の写楽を探すようなもの

たかが近場の史跡めぐりで遊びのようなものだが
このエリアに日本の焼き物のルーツといわれる
「猿投古窯」の端緒の謎
「猿投古窯」の物流の謎

につながる手懸りがあるはずと思っているからで
地元にいてこんな日本史レベルの謎を見逃す手はない



  


Posted by かとうさとる at 12:29 | Comments(0) | とよた風土記