2013年05月09日

豊田市美術館でカキツバタが満開







豊田市美術館のアプローチ





原風景と重なるカキツバタ



私にとってカキツバタは原風景の一つで
水をはった田んぼの水口に楚々と咲いていたカキツバタは
今も傾いた夕日と一緒に目に浮かんでくる。

当時はワルガキでポンツクのためタモをもって
塗ったばかりのあぜ道を走りまわり「このクソ坊主ッ」と
鍬を持った大人たちに追われて逃げたのも
懐かしい思い出の一つ。
(注釈)「ポンツク」は、三河弁?で「タモ網などの道具を使って魚を捕ること」。
北九州地方では「間が抜けなところがあるが、愛嬌があって憎めない人」という
意味があるようだが、私たちはポンツクキチガイと笑われていたから語源は同じかも。


長じて、といっても半世紀余になるが
いけばなを習いはじめて今度はカキツバタの花泥棒に
転じたから笑ってしまう。



カキツバタのハイブリッド種かも






私にとってカキツバタは原風景と重なるため
見間違えることはないと思うが…
豊田市美術館のカキツバタをみていると
自信がない。







園芸用に品種改良されたハイブリッド種なのか
咲き方は確かにカキツバタだが
アイリス系に見えてしまう
私の目の錯覚としたら…
そちらの方も心配。



いずれがアヤメかカキツバタ






カキツバタを楽しみにしている人には
出鼻をくじいてしまったかもしれないが
花の美しさは
いずれがアヤメかカキツバタ
目の保養にどうぞ。


  


Posted by かとうさとる at 01:55 | Comments(0) | フォト歳時記

2013年05月07日

猿投の果樹園で桃の摘実作業が盛り 














「今年はどう?」と私
「長い事やっているけど
冬の格好をしてやるのは初めて」と桃農家の林さん







「今年は実がつくときに冷えたため
いつもに比べて実が小さいけど
暖かくなれば大丈夫」と祈るように林さん

  


Posted by かとうさとる at 19:21 | Comments(0) | フォト歳時記

2013年05月07日

市内でカキツバタを見るなら百々貯木場…のはず















百々貯木場の
今むかし










矢作川と百々貯木場をつなぐ樋門
矢作川の河床が下がっているの一目でわかる


市指定「百々貯木場」は、矢作川の水運が盛んであった
大正時代の中頃から昭和初期に利用された近代産業遺産。





代々の当主が「善六」を名乗った百々の材木商
今井家が所有したことから「百善土場」の名で呼ばれた
大正7年頃の百々貯木場の賑わい。(目で見る豊田加茂の100年より転載)


矢作川上流で伐採された木材は
「管流し」や「筏流し」という方法で川に流され
百々貯木場に集められた。
集められた材木は筏に組み直し更に下流に流すものと
製材するものとに仕分けされた。






兵つわものどもが夢のあと 


地場産業を支えた「百々貯木場」も
交通の発達や上流のダム建設など社会変化により衰退。
長い間土砂に埋もれていたが、史跡公園として整備。
近年はカキツバタのかくれた名勝として
訪れる人も多い。



ところが
そのカキツバタが変






市内でカキツバタを見るなら百々貯木場と楽しみに来てみたが
茅や蒲などの野草に覆われて、カキツバタが咲いていない。






桟橋に降りて見つけたカキツバタ


カキツバタが変と言ったが
これが自然の生態系で
カキツバタも野におくのが一番。



こちらは製材所あと




人造石工法で造られた百々貯木場「製材所」の遺構


首都高や高速道路など近代土木は半永久的と信じられてきたが
笹子トンネルの天井板の落下事故など劣化が著しく
社会問題化しているのは周知のとおりだが
明治・大正時代に用いられた人造石工法は
百年経過してもびくともしない。

例によって余談に逸れるが
この人造石工法を日本で初めて導入したのが明治用水の旧堤。
現在の頭首工が完成したとき
当時の建設省がこの旧堤をダイナマイトで撤去しようとしたが
頑丈すぎて諦めたという話があるほど。

現在、旧堤が近代の産業遺産として残っているのは
けがの功名で、世の中何が幸いするのかわからない。



矢作川の船着場

百々貯木場「製材所」の脇を抜けたあたりが
矢作川の船着場があった場所のはず…
実は私も確認するのは初めて。






船着場に上り下りするため石に刻まれた階段






写真ではよくわからないが樋門は岩場の向う
樋門の位置から推定すると当時の矢作川は
岩場の真ん中より上あたりを流れていたのではないか。

(注釈)河川の河床が下がるのはダムなどの建設により
上流から川砂が流れなくなったためで全国共通。
河床が下がることによって橋脚のケーソンの露出
海岸線の砂浜の減少など大きな影響が出ている。








百々の船着場は写真左の岩場を利用していたのだろうか。
このあたりの瀬は鮎釣りの一級ポイントで
太公望が竿を立てるのももうすぐ。











  


Posted by かとうさとる at 00:35 | Comments(0) | とよた風土記

2013年05月05日

小堤西池のカキツバタ群落をラムサール条約に







カキツバタ群落のガイドパンフレット(現地でもらえる)


小堤西池のカキツバタ群落は
京都の太田の沢、鳥取県岩美町の唐川と並び
国の天然記念物に指定されている
日本三大カキツバタ自生地の一つ。

先のラムサール条約で豊田市の
矢並湿地、上高湿地及び恩真寺湿地を含む
「東海丘陵湧水湿地群」が登録されたが
「小堤西池のカキツバタ群落」が
候補にも挙がらなかったのは不思議。





カキツバタ群落の航空写真(ガイドパンフレットより転載)



場所はトヨタ自動車高岡工場の西
豊田市と刈谷市が接する刈谷市洲原公園の近く。
写真の手前の湿地が小堤西池(国の天然記念物)
背後の森は小堤西池の水源となる涵養林(県の自然環境保全地域)

こうして航空写真で見ると
小堤西池のカキツバタ群落が貴重な生態系として
周辺の開発から辛うじて保全されていることがよくわかる。




小堤西池のカキツバタ群落は
中旬から下旬が見頃















宵々の雨におとなし杜若(蕪村)
カキツバタはシトシトと降る雨がよく似合うため
中旬から下旬の雨の日がお薦め。

(アクセス)
刈谷市「洲原公園」駐車場の臨時駐車場に駐車
小堤西池のカキツバタ群落まで徒歩で約10分ほど
  


Posted by かとうさとる at 23:40 | Comments(0) | フォト歳時記

2013年05月04日

新聞拾い読み














あいちトリエンナーレ2013




2013年5月3日朝日新聞より転載


瀬戸内の島々で展開する
「瀬戸内国際芸術祭2013」が話題になっているが
この夏、私の地元の愛知でも都市を祝祭の劇場にした
国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」が
名古屋(サブ会場/岡崎)で予定されている。






世界の最先端のアート作品からオペラまで都市をアートで
祝祭の劇場にしようという気宇壮大なプロジェクトだが
浸透度が今ひとつと思うのは私一人ではないと思うがどうか。

愛知の県民性なのか知らないが
コンセンサスを作るのに時間をかけすぎて(小田原評定)
列車が出てからホームに並んでいるようなもの。

おまけにシャイでプレゼンが下手。
斬新なプログラムで3年に一度のチャンスなのに
もったいない。



道に迷ったら
もと来た道に戻れ


昨日、5月3日は憲法記念日。
各メディアが競って憲法を巡る様々な動きをとりあげたが
情報が多すぎて「実際のところはどうなのか」
よくわからないというのが感想。

山で道に迷ったとき
「道に迷ったらもと来た道に戻れ」という格言があるが
憲法の改憲論議も同じ。




4月29日の「天声人語」より転載


4月29日は安部政権が「主権回復」の式典を催した日。
天声人語は、戦争を知る世代がすくなったことから
学徒出陣で海軍に入り、復員後憲法学者になった
佐久間忠雄さんの言葉をとりあげた。

同僚の隊員が次々と沖縄の海に散っていったことが脳裏を離れず
後に「沖縄の戦跡に憶う」と題する詩を書いた佐久間さんは
先の大戦が「侵略戦争」だというなら
兵士らは「犬死」だったのか

という議論に対して
93年朝日新聞の「論壇」に寄稿。

「彼らは『日本国憲法』に化身して
平和日本の礎となった、と私は確信している」

と反論したそうだ。

忘れてはいけない日本国憲法の原点で
道に迷ったらもと来た道に戻れ。
憲法の改憲論議もシンプルにすればよくわかる。



加熱するヘイトスピーチ




3月16日朝日新聞より転載

世の中で起きている出来事は
地震のメカニズムと同じで
水面下で連動していることが多い。

「ヘイトスピーチ」が内包する
フラストレーションも同じで心配!













  


Posted by かとうさとる at 21:11 | Comments(0) | らくがき帖

2013年05月03日

和紙のふるさとで日本文化「伝統と現在」帰国展









和紙のふるさと「和紙展示館」は
小原工芸和紙の創始者藤井達吉翁の作品を中心に
人間国宝の山内一生氏、世界の絵本作家が世界で最も美しい紙と
称賛する加納俊治氏をはじめ、小原和紙工芸会の作家の作品を
展示する小原和紙美術館。







右の建物が和紙のふるさと「和紙展示館」
左奥に進むと手漉き和紙の体験ができる「和紙工芸館」があり
小原和紙に興味がある方は一度お出かけになって見ては。







この和紙のふるさと「展示館」ギャラリーで
日本文化「伝統と現在」帰国展が開催されているため
足を運んだ。







日本文化「伝統と現在」は昨年秋
芸術を通じた世界交流プロジェクトとして
ワインで有名なフランスのボルドー市の
サンレミ教会とアキテーヌ博物館で開催されたもで
県内を中心に20組のアーティストが参加。







コーディネーターを依頼された
小原和紙の加納恒さんと奥さんの登茂美さんは
「私たちに出来ることは限られているため
プロ、アマの関係なく、和紙、染色、着物、絵画、タペストリーなど
日本の仕事を丁寧にされている20組の方にお願いしました」と
謙遜したが、展示はいい意味のアマチュアリズムで爽やか。

藤岡の「ふじの回廊」も見頃で
「ふじの回廊」⇒「和紙のふるさと」と廻って
帰路は「石畳の足湯」に浸かる。
たまには三河の山里を巡って見てはいかが。

会期は今月の12日(日)まで。




  


Posted by かとうさとる at 12:40 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー

2013年05月03日

豊田市美術館市民ギャラリーで伊丹靖夫展









フォトギャラリー




豊田市美術館のカキツバタが見頃





お茶室の楓を愛でながらいただくお抹茶は贅沢



古寺の情景を
詩情豊かに描いた癒系







農村舞台メンバーの伊丹靖夫さんの個展が
豊田市美術館市民ギャラリーで開催されている。
会期が今週の日曜日5日までと短いため
近くにお出かけのご用のある方は是非!



こちらは展示のスナップ






縞模様のシャツを着ているのが伊丹さん(左)
何やら展示の方法でもめているみたい







笑う門に福来る
問題は解決したみたい

作品は奈良の古寺シリーズ
写真のポストカードでもわかるように
古寺の情景を詩情豊かに描いたもので癒系


会期は今週日曜日5日まで







  


Posted by かとうさとる at 12:38 | Comments(0) | 美術・博物館+ギャラリー

2013年05月03日

鯉のぼりは風の遊園地


小原和紙の展示館「和紙のふるさと」で開催中の
日本文化「伝統と現在」帰国展に行く途中
天空を泳ぐ鯉のぼりの群れを発見。






灯台もと暗し

世界的な中国人アーティスト蔡国強が今のようにブレイクする前
名古屋市美術館で作品を見たことがある。

既に名は知られていたが衝撃的なインタレーションで
言葉を失ったことを今も覚えている。

後にテレビの「中国大紀行」で
「回族」の民が激流の黄河を渡るのに
羊の皮で作った筏で渡って行くのを見て絶句!
蔡国強のインスタレーションを構成していたのが
この生活の道具とわかったからである。







蔡国強を例にあげたが灯台もと暗し。
民藝と同じで日常的に機能しているものは
洗練された美と力が備わっているものが多い。

鯉のぼりもそんな日本美の一つで
私たちには見慣れた光景だが
これほど軽やかに楽しく風を形にするアートは
他にないのではないか。

もし、ニューヨークやベルリンで
北野武か村上隆(知名度の利用は効果倍増)が
鯉のぼりのインタレーションをしたらどうか。

風の遊園地「コイノボリアート」の名で
ニュースが世界を巡るのは想像に難くない。


  


Posted by かとうさとる at 01:24 | Comments(0) | フォト歳時記

2013年05月01日

牡丹をいける










今まさに触れなば落ちん
百花の王










花/牡丹
器/ガラスボール  


Posted by かとうさとる at 21:29 | Comments(0) | 花日記