2012年09月12日

23時39分「浄心」行き最終電車間もなく発車












亡くなった陶芸家の木村孝さんは
創刊当時の矢作新報のコラムで
初めて三河線で降りた豊田市の印象を
「小便の臭いがした」という書き出しではじめた







駅舎の豊ビルの一階がバス停になっていて
その南側にトイレがあった
木村さんが降りたのは多分梅雨の頃だったのではないか

長雨が続くと排水が悪いのか
漏らす酔っ払いが多いのか知らないが
カビ臭いすえた臭気が漂っていた












23時39分「浄心」行き最終電車間もなく発車


いま、木村さんがこの駅に降りたら何と言うだろうか
あの木村さんのことだから
ボサボサの髪をかきあげながら
「ボクは小便臭いあの頃のが好きです」と
苦笑する姿が目に浮かんでくるようだ

あの人に
この人に
あの人に
この人
あの頃に戻って
もう一度会ってみたいな
  


Posted by かとうさとる at 13:29 | Comments(0) | らくがき帖