2011年12月28日

朝日の「ミニシアター窮地」を読んで








私たちが子どもの頃は
映画が最大の娯楽だった


祭りの余興行事の最大の楽しみは映画の上映会で
神社の境内で見た鞍馬天狗は誰もが憧れたスーパーヒーローだった
当然のように遊びもチャンバラごっこと決まっていた
鞍馬天狗の真似をしてみんな手ぬぐいの覆面を被ったが
たらした鼻が手ぬぐいにべたっとついてサイテイ
当時土門拳の「筑豊のこどもたち」はどこにもある光景だった

そんな昔のことを想い出したのは
一昨日の朝日新聞に掲載された「ミニシアター窮地」の記事のせいで
そう言えばこの頃スローライフという言葉を聞かなくなったが
どうしたのかな



ミニシアター窮地の先に見えるもの


この記事に目が停まったのは
職にあった当時視聴覚ライブラリーの役職を兼務していたことがあり
8㍉機材、16㍉機材の生産中止、ソニーのペーター方式の撤退
ビクターのVHS方式に規格統一されるAV機器の変遷を体験
雀百まで歌忘れずの類で一種の職業病のようなものかも






映画を復活させた大きな要因の一つが
デジタルデータのまま上映する大手シネコンの進出で
映画ファンは1カ所で好きな映画を選べる至福に酔った

その舞台裏で良質な映画を支えたミニシアターが
窮地にたつていることに思い及ばなかった
配信デジタル化による大手シネコンの寡占化は
ミニシアター側の心配するように、映画館の存亡だけではなく
映画作品自体に影響(変質)することは自明の理で迂闊

数年先には35㍉フィルムで撮影される映画もなくなるとのこと
当然のように映写機も生産中止になることが予測され
映画のアーカイブに影響が出ることは必至

人間が生み出した経済至上主義が人間の文化を破壊する
原発と根は同じで何かヘン!

  


Posted by かとうさとる at 03:56 | Comments(0) | らくがき帖