2010年12月14日

ガレリア・フィナルテで青木千絵展を見た


漆芸の未来をひらく青木千絵

いただいたDMの半具象のフォルムと質感が気になって
確かめるため名古屋のガレリア・フィナルテに足を運んだ。





通いなれたフィナルテの白い空間に足を踏み入れると、風を膨らませたような滑らかなフォルムのオブジェが目に飛び込んできた。ギリシャ神話に出てくる半身半獣のケンタウロスを彷彿させるフォルムと液状化した樹脂系の質感がなんとも瑞々しい。






作家は金沢在住の青木千絵さん。父君は元豊田市美術館副館長でカリスマキューレターの青木正弘さん。フィナルテのオーナーから説明を受けて驚いたが、このオブジェが興福寺の阿修羅像と同じ乾漆造と聞いて目が点になってしまった。







NHKのドキュメンタリー番組で、加山又造は天竜寺の雲龍図をエアーブラシで描いたことについて、「いつの時代も最も新しい科学や技法を用いて新しい世界を拓いていくのが画家で、もし中世にエアーブラシがあれば彼らも使ったはず」と解説した。青木さんが乾漆の心に工業製品のスタイロフォームを用いたのも、今に生きる作家の証で拍手。



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Posted by かとうさとる at 03:00 | Comments(0) | アートの現在