2010年02月27日

みんな頑張った女子フィギア


上村愛子のスキーフリースタイルモーグルで開幕したバンクーバーオリンピック。誰が競技日程を組んだのかしらないが、中盤にスピードスケート、終盤の山場に女子フィギアと、日本のために組んでくれたようなもの。残念ながらチームとしては波に乗れなかったが、終わりよければすべて良し。浅田真央、安藤美姫、鈴木明子の見事な演技で、茶の間に柔らかい春の光が射し込んできた。


バンクーバーオリンピックは
キム・ヨナのためにあったようなもの



フィギアについては、男子フィギァで銀メダルになった前回トリノオリンピックの覇者エフゲニー・ブルシェンコが、「四回転を成功した自分が、四回転にチャレンジしなかったライサチェクに負けたのはおかしい」と審査結果に異議をとなえていたように、フィギアの流れが、表現力とコンビネーションにウエイトが移っているのは明白。

こうした流れを決定的にしたのがキム・ヨナの出現で、悔しいが今回のオリンピックはキム・ヨナのためにあったようなもの。「西施の顰に倣う」(春秋時代の越の伝説上の美女)という諺があるが、キム・ヨナの目力はバンクーバーの伝説として語り継がれるのではないか。


みんな頑張った女子フィギア
浅田真央に万雷の拍手





2月26日中日新聞夕刊より転載


二度のトリプルアクセルを成功させるなど自己ベストの点数で銀メダルを獲得した浅田真央。「長かったようで、あっという間でした」と涙を流した浅田真央。キム・ヨナに敗れた涙ではなく、わずかなミスに対するアスリートとしての誇りが流した悔し涙で、どんな言葉も不要。


最も厳しい採点をされた
安藤美姫





2月26日中日新聞夕刊より転載


今回のフィギアの採点の中で、ショートプログラムでジャンプが回転不足と採点されるなど、最も厳しい採点をされたのが安藤美姫ではないか。フリーでもほぼ完ぺきな演技をしたのに、思ったほど点数がのびなかった。メダルをとってもおかしくなかったが、「今の自分のもっているものは全て出たので満足している。ただスピードが少したりなかったと思う」と安藤美姫。

安藤美姫が語っているように、採点が伸びなかったのはスピード感=キレがいま一つ欠けたためで、ジャンプの安藤から表現の安藤に移行したのは間違いではないが、安藤美姫本来のキレ=輝きを失ったのも事実。今回の選択はコーチの強い進言で決まったとのことだが、角を矯めて牛を殺したようなもの。もう一度スケールの大きい安藤美姫を見たいと思うのは、私一人ではないと思うが、どうか。



病とたたかう子どもたちに
勇気を与えた鈴木明子





2月26日中日新聞夕刊より転載

摂食障害を克服してオリンピックの舞台にたった鈴木明子。
それだけで十分なのにベストの演技で入賞。(説明不要)


  


Posted by かとうさとる at 01:48 | Comments(0) | らくがき帖