2009年10月12日

フォーラム 白熱して課題はFの会に持ち越し



37万人を超える入場者を数えた大地の芸術祭
蓬平いけばなの家も1万人の大台にのる
いけばなの家は大地の芸術祭秋版として
11月23日(月・祝日)まで展示



10月10日(土)
新宿の大和花道会館で蓬平いけばなの家フォーラムが開催された。
このフォーラムは、越後妻有アート・トリエンナーレ2009「蓬平いけばなの家」の総括をするため、Fの会が主催したもので、アートフロントの水野真弓さんは、現在集計中と断った上で「大地の芸術祭の入場者は
約37万人、蓬平いけばなの家も1万人を超えるのではないか」と報告。また、Fの会同人で、北京在住の現代いけばなのカリスマ大坪光泉さん、真生流家元の山根由美さん、大阪の松井清志さんも参加。フォーラムに花を添えた。

フォーラムは、代表の下田尚利先生の蓬平いけばなの家の経緯と報告に続いて、作品のスライド上映とドキュメントビデオの上映。美術評論家の三頭鷹史さんの講評、フリートークと、予定の2時間を1時間オーバーする熱気で、50日間に及んだ蓬平いけばなの家を総括した。



蓬平いけばなの家の経緯の報告を交えて挨拶をする下田尚利先生



尾越健一さんが蓬平いけばなの家の
ドキュメントビデオを遺す


フォーラムで上映されたドキュメントビデオは、写真家の尾越健一さんが撮影したもので、尾越さんは下見から制作、週末のWeekendイベントとテント用具を持参して日参。メンバーも初めて見る映像で、見えなかった蓬平いけばなの家の実像を目の当たりにして声を失った。美術評論家の三頭谷さんも「今日は少し辛口の意見を言おうと出てきたが、こんな映像を見てしまうと考え方が変わった」と、切り口を急きょ変更するなど貴重な記録で、尾越さんに感謝。



蓬平いけばなの家の講評をする美術評論家の三頭谷鷹史さん

三頭谷さんは大地の芸術祭現象と言われる国際展の動向と美術の現在についての認識を述べたあと、蓬平いけばなの家から見えたいけばなの可能性と課題について指摘した。



北京から6年ぶりに帰国した大坪光泉さん
北京仰天最新情報に爆笑のカルチャーショック



白熱して課題はFの会に持ち越し

フリートークで会場から「蓬平いけばなの家の後をどのように考えているのか」という意味の質問があり、メンバーを交えてヒートアップ。詳細は割愛するが、「越後妻有に現代いけばなの橋頭堡を築きたい」という、作家としてより高みを求める意見と、「越後妻有の体験とパワーを現代いけばなの拡大につなげたい」という戦略的意見に要約できるのではないか。ともに現代いけばなの現在を象徴する切実な意見で、課題として持ち越したが、いずれにしても「作家個人の情熱と意志に支えられた放浪のジャンル」(三頭谷鷹史)の現代いけばなに残された時間はない。



白熱したフリートーク




フォーラムの合い間をぬって
いけばな龍生展を見た


フォーラムの合い間をぬって、上野の松坂屋で開催中の「いけばな龍生展」を見た。龍生派は、現代いけばなの流れを主導した先鋭的な流派で、リーダーの吉村華泉家元の高い見識とリーダーシップのもと、大坪光泉、谷口雅邦、古川知泉など国際的に活躍する多くの作家を輩出。最も注目をされる流派の一つとして知られている。



上野駅からアメ横を通り抜けて松坂屋へ





1階正面に活けられた催事案内用の花。松坂屋は地元名古屋の老舗デパートで、郷土愛?から思わず「がんばれ」とエール。でも少しわびしそう。




龍生展の会場





会場でFの会の吉村隆先生にバッタリ。「今日はナンカあったっけ、ハハハ」と吉村先生。ジョージ秋山の「浮浪雲」みたいで、私も釣られて笑ってしまった。写真は吉村先生の作品。



  


Posted by かとうさとる at 00:34 | Comments(0) | 大地の芸術祭「蓬平いけばなの家」