2009年10月05日

コンサートホールと農村舞台を梯子


豊田市舞台芸術推奨事業

10月4日(日)快晴
豊田市舞台芸術推奨事業は、コンサートホールや能楽堂など充実した文化施設を生かした市民の優れた舞台芸術活動をサポートするため、豊田市が設置した制度で13年目を迎えた。この制度を通して豊田シティバレエ団、豊田市民合唱団が愛知県芸術文化選奨を受賞するなど、地域の舞台芸術の振興と発展に大きく寄与し、現在に至っている。私はこの制度のスタートから審査員の末席を汚し、今日は二つの推奨事業を見た。


豊田市民合唱団第24回定期演奏会
ヘンデル没後250年記念
オラトリオ「メサイア」

客演指揮:竹本泰蔵/独唱:安井陽子(ソプラノ)牧野真由美(アルト)渡邉公威(テノール)清水宏樹(バス)/オルガン:竹内理恵/演奏:ムージカークライス名古屋管弦楽団/合唱:豊田市民合唱団/会場:豊田市コンサートホール

市民合唱団は81年に豊田市で初めて上演した第九演奏会に出演した第九合唱団を母体に活動をスタート以来、団独自で第九演奏会や合唱の大曲に挑戦をつづけ、愛知県芸術文化選奨を受賞したのは先に記したとおり。今回もメサイアの全53曲から36曲を抜粋して演奏。合唱は人間の豊かさと希望を最もシンプルな形で表現できるジャンルで、合唱を聞いている限り絶対争いはおきない。至福の2時間に感謝。




コンサートの撮影は禁止のためコンサートホールからパチリ。遠くに見える青い山は恵那山。コンサートホールのロビーは冬になると中央アルプスの銀嶺を一望するビューポイントとしてもお薦め。




人だかりは狂言の野外公演を観る人。なんだか賑やかでお祭りのよう。




近道の矢作川の堤防を急いで岩倉神社へ。平成記念橋の間に満月が、
そういえば昨夜は中秋の名月ということを忘れていた。


第8回とよた吟舞夢一座公演
構成吟舞稀代の英雄 源 義経

出演:とよた吟舞夢一座
和洋楽器アンサンブル「リペルタ」
会場:岩倉神社農村舞台

とよた吟舞夢一座は、豊田詩吟連盟を中心に全国区で活躍している有志が中心になって結成した芸能一座で、座長の松尾さんを始めメンバーはみんな飲み仲間。そんな訳で私は詩吟の日本一や民謡の江差追分の日本一と同席したことがあるが、余興で歌った彼らの声量と上手さに絶句。オペラの本場のイタリアやドイツ人が聴いたら、和製オペラとしてカルチャーショックとなることは請け合い。現代いけばなもそうだが、知る人ぞ知る域を出ていないジャンルが多いのは日本文化の損失と思うが、根は深い。




岩倉神社の農村舞台

会場となった岩倉神社の農村舞台は、文化5年(1808年)の棟札が残っている市の有形文化財で、舞台中央に回り舞台、左右に太夫座がある本格的なもの。ちなみに、市内には70棟の農村舞台が現存し、そのほとんどの舞台が放置され朽ちかけているように、岩倉神社の舞台も私が初めて見たときは、棟は朽ちて傾いていた。地元も維持にお金がかかるということで諦めていた。紆余曲折を経て修復復元されたが、民俗芸能祭や現代美術展など、復興運動の立ち上がりから絵を描いてきた私にとって、芸能の歓声が響く猥雑な境内は感慨無量。




芸能の楽しみは飲み食いで夜店は大繁盛




和洋楽器アンサンブル「リペルタ」の演奏。境内はみんなノリノリ




芸能を楽しむのに私のような理屈はいらない




構成吟舞 稀代の英雄 源 義経。
舞台の白い包はオヒネリで、暗転の度に箒で掃いているが、
掃いても掃いてもおいつかない。うらやましい。










  


Posted by かとうさとる at 05:01 | Comments(0) | 農村舞台