2009年07月08日

ジュゼッペ・ペノーノが豊田市美術館に帰ってきた


アルテ・ポーヴェラのダンディズムに拍手喝采




ジュゼッペ・ペノーノ展のチケットの部分


7日(火)、豊田市美術館でイタリアのアルテ・ポーヴェラを代表するジュゼッペ・ペノーノ展が始まった。円空が生きていたら「この仕事」をしたはず、と衝撃を受けた「石の血管」(1997年豊田市美術館)から12年。今日の日が来るのを楽しみにして待った。




ジュゼッペ・ペノーノ展のチラシの部分


イタリア語で「貧しい芸術」という意味のアルテ・ポーヴェラは、20世紀を代表する芸術運動の一つで、マリオ・メルツ、ルチアーノ・ファブロ、ヤニス・クリネス、ピーノ・パスカーリーなど、日本でもファンが多い。ちなみに呼び名の由来は、彼らが用いる木材や石、鉛、ぼろぎれなど非芸術的な素材から暗示的な意味として付けられたもので、茶の湯や俳諧に通じる彼らの「確かな構成」と「豊な精神性」、ハレとケのドラマは、何度見てもオシャレ。


ペノーネは、このアルテ・ポーヴェラのアンカー的存在で、2001年にテイトモダン、2004年にポンピドゥーセンター、2007年にはヴェネチァビエンナーレで大規模な個展を開催。現在世界が最も注目するアーティストの一人で、豊田市美術館の計画発表以来関係者の注目を集めてきた。




ジュゼッペ・ペノーノのサイン



本展は、世界的なビッグネームとなったその後のペノーノの全容を紹介するもので、豊田市美術館のほぼ全館を使った展示は、日本の美術館というよりもロンドンのテイトモダンにいると錯覚するスケール感で、他に比類がなく爽快。




右から二人目がジュゼッペ・ペノーノ(豊田市美術館)


〇会期 2009年7月7日(火)-9月23日(水・祝)
〇会場 豊田市美術館 http://www.museum.toyota.aichi.jp
(講演会)  
8月1日(土)14:00-15:30「ペノーネ作品を語る」菅木志雄(美術家)/8月23日(日)14:00-15:30「ペノーネ:なるとつくるのあわい」金井直(信州大学教授)/9月23日(水・祝)14:00-15:30「アーティスト・トーク」ジュゼッペ・ペノーノ




4トン車6台分の茶葉を使った制作風景




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Posted by かとうさとる at 05:01 | Comments(0) | アートの現在