2009年05月27日

ライブラリー(22)農村舞台で献火のコラボレーション


松平郷と六所神社の農村舞台

六山所の麓にひっそりとたたずむ市内松平郷は、徳川家の始祖松平親氏(ちかうじ)ゆかりの山里で、司馬遼太郎の短編紀行集「街道をゆく」で読んだ方もいるのではないか。菩提寺の高月院には葵紋を配した墓所が祀られ、文政年間には、11代将軍家斉の命により、明治21年には、旧大和郡山藩主柳沢保申の寄進により、それぞれ修理されて現在に至っている。

この高月院からひと山越えた裏手にあるのが六所神社下社の農村舞台で、松平郷の豊かな文化を今に伝えている。




農村舞台は、農山村で地歌舞伎や村芝居などが演じられた舞台の総称で、六所神社の農村舞台は明治5年に建てられ、明治中期以前の二重仕掛けの構造をよくとどめていることから、文化財に指定されている。


農村舞台で献火のコラボレーション

1988年1月、APITAスタジオAの個展で「かとうさんは作品集は作らないの」と尋ねられた。夢想だにもしていなかったが目の前に光明がさしたと思った。そんなふうにして作品集の制作がスタート。前田公園の献火の一人ライブの次は、現代フルートの真野利郎さん、モダンダンスの野々村明子さんとの献火のコラボレーション。場所は六所神社の農村舞台と決めた。





1988年6月6日、陽も西に傾きはじめた夕刻、農村舞台のコラボレーションがはじまった。写真は真野さんと野々村さんの出を待つ舞台。
素材|藍甕、赤い風船、割り竹、火  


Posted by かとうさとる at 01:47 | Comments(0) | 作品ライブラリー